究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、増税前のお買い物は何を買いましたか?単価の安い日常品よりもカメラやレンズなど高額な物の方が8%と10%では差が出ますよね。私は何も買いませんでしたが…
ところでキヤノンからAPS-C一眼レフカメラの中級機である二けたEOSシリーズから、新製品のEOS90Dが発売されましたね。ずっとキャノンのEOSを愛用してきた私にとって、ちょっと興味があったので公式サイトをチェックしてみました。
カメラやレンズの特徴を知りたいときは、そのメーカーサイトの概要欄に大きく書かれている最初の3項目を見るといいです。EOS90Dの場合は1つ目はAF性能。光学ファインダー内による従来通りのAFとライブビュー使用時に使えるミラーレスカメラと同様のAFの両方が可能なこと。2つ目は高画質と高い描写力で3250万画素のCMOSセンサーが云々…という…これは進化している事は間違いありませんが進化させている部分が昔から変わらないな…と感じました。
AFが光学ファインダー上とライブビュー時の撮像面位相差AFと、両方を選択できるのは何故でしょうね。光学ファインダー搭載の一眼レフカメラに慣れたユーザーへ、ミラーレス機主流時代への過渡期を先導してあげる橋渡し的なモデルという事でしょうか?
いずれにしても30D、40D…80Dときて今回の新製品が90Dなので、品番にもう後がありませんね。2けた中級機の一眼レフという立ち位置ではこればラストモデルなのかもしれません。光学ファインダー搭載のカメラが終わりを迎える…いよいよそんな時代が来たのですかね。
さて今回の<中級>ツーリング写真解説では私も皆さまも大好きなキャンプツーリングでのキャンプシーンの撮り方でございます。

こちらの作品は先月に行った東北ツーリングでのひとこまです。場所は蔵王エコーラインの山形蔵王側にある蔵王坊平国設野営場です。この時、キャンプ場内でどこにテントを張るか歩いて探し回りました。そしてこの木の5本の太い幹が放射状に延びる様子がとても立派だったので、ここにテントを張ることにしました。
こういった林間のサイトは写真を撮るときに評価測光のままでは狙い通りに露出が決まりません。特に天気が良くて木々が生い茂っていると空の部分とキャンプサイトの日陰部分で明暗差が大きくなってしまい、露出を決めるのが難しくなります。
ここでワンポイント。まず最初にどのような露出で仕上げるのかをイメージしてみましょう。木々が生い茂っていて日陰が多い、しかし晴天で空は明るい、このような時は広いダイナミックレンジが要求されるのですが、カメラのその範囲は限られているのを思い出してください。
明るく爽やかな印象の写真にするか、暗くムーディーな写真にするかの2択となるのです。どちらも…といった欲張った要求や、どっちとも決められない中途半端ではダイナミックレンジに収めることが出来ず失敗写真に終わってしまいます。
この場合は前者の明るく爽やかに…を狙ってみました。その場合、捨てなければいけないレンジは明るい側で、この場合で言う青空です。青空は写らないと決まった訳ですから構図としてはその写らない部分が不自然にならないよう、木々の配置を画面内にデザインしてやります。
具体的に説明しますとカメラポジションをローアングルにして木々の葉が画面の多くを覆い、空の飛んでしまった部分は最小限になるよう構成しました。日中にローアングルとは多くの場合で逆光となりますので、美しく表現させたいポイントは光を透過する葉の様子です。これが美しく見えるように慎重に露出を決めましょうね。
もしこのシーンでアンダー側に合わせてムーディーな写真に仕立て上げるのであれば、例えばカメラをハイアングルにして地面側に差し込む光などを構図してやると良いかもしれませんね。
晴天時の林間サイトでは明暗差が大きく、露出設定が難しいシーンですがこの例のように最初に露出イメージを決めてしまう事がポイントです。その上でカメラアングルなどを調整してイメージに近づける作業へ落とし込んでみましょう。
今回はこの辺で!!