R1200GS リアブレーキパッド交換方法 空冷GSのブレーキパッド交換

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究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに空冷R1200GSのメンテナンス情報をいってみたいと思います。

今までエンジンオイル交換ミッションオイル交換バッテリー交換などメンテに自身の無い方でも分かるよう詳細に解説してきましたが、今回も同様に詳細な内容でリアブレーキパッド交換を解説いたします。

空冷R1200GSのリアブレーキパッドの残量の確認方法はディスクローターとキャリパーの隙間から何とか見えなくもないですが、限度まで使用したかどうかの確認方法ならば簡単です。

空冷R1200GSのリアブレーキキャリパーは片押しの2ピストンですので、ピストンの無い車体左側から覗くとブレーキパッドの裏面が見えます。このブレーキパットの裏面には穴が2か所空いていて、ブレーキパッドが限度まで摩耗すると穴が貫通してディスクローターが見えるのです。ここまで摩耗したら交換が必要となります。




今回、解説するR1200GSのブレーキパッド交換方法はDOHCヘッドの後期モデルです。R1200GSはご存じの通り2004~の前期、2008~2009の中期、2010~DOHCヘッドの後期と大きく3種類ある訳ですが、中期と後期はユーザーレベルでも難易度としては優しい作業です。ネットでR1200GSのブレーキパッド交換について検索すると、ABSのシステムの関係でエラーが出るとか色んな情報が出てきますが、そのようなややこしい問題が出るのは前期型のサーボブレーキ世代(インテグラルABS1やEVOブレーキと呼ばれていた)の話です。中期と後期は(前期の2007年末期も?)サーボブレーキではなく、普通のオートバイと同じ構造なのでエラーは気にしなくて大丈夫です。

とはいえブレーキに関わる整備ですので間違いがあると事故に繋がります。あくまで自己責任でお願い致します。

まずは交換するブレーキパッドを購入しましょう。R1200GSのキャリパーはブレンボ製で他のBMW車やドカティなどにも使われているタイプです。この純正ブレンボに適合したパッドは割といろんなメーカーから発売されています。

BMW純正リアブレーキパッドは9000円(部品番号:3421 7660 281)。フェロード、ベスラ、Brakingなどで4000~6000円くらいです。写真のCyletoはAmazonで激安で売られていた謎のブランドです。

1270円… 大丈夫なんでしょうか?ネットで検索しても何も情報が無かったので人柱になってみます。この記事を書いている2019年8月以降、もしこのパッドに問題があれば記事の最下部に情報を追記しますね。なにも追記がなければその後、このCyletoブレーキパッドは問題なく使えているんだな…と思ってください。

用意するものはオイル交換方法の時も解説しましたがBMWの整備には必須のトルクスのソケット。それとラジオペンチ、モリブデングリス、ブレーキクリーナー、ウエス、軍手などです。

モリブデングリスとはブレーキの摩擦熱にも対応したグリスですが、バイク、自動車整備用でなくても大型のホームセンターで割と安価に入手できます。ブレーキパッドの裏面とキャリパーのピストン周辺に塗りつけます。




作業は車体をセンタースタンドを立てて行います。

まずはトルクスT30でリアフェンダーを外します。固定ボルトは3か所。ボルトの回転が重く感じたらフェンダーを手で少し持ち上げてボルトへの負担を減らして下さい。

リアフェンダーを外すとブレーキキャリパーを固定しているボルトの後方側も見えるようになりました。

キャリパーを外す前にブレーキパッドを固定しているパッドピンを抜いてしまいましょう。キャリパーが車体側に固定されいた方が作業しやすいのです。まずはパッドピンを横から留めている小さな割ピンをラジオペンチで抜きます。

割ピンは無くさないように気を付けて下さい。この時、シャフト側にこれが刺さっていた穴の様子を見てよく覚えておいて下さい。取付時にその記憶が役立ちます。

次にブレーキパッドを貫通させているパッドピンを抜きます。ネジではなく刺さっているだけです。車体右側から細い物を押し当ててプラスチックハンマーなどで叩いて打ち出してあげます。

反対側からパッドピンを抜きます。小さな穴は割ピンが通っていた穴です。もしこのピンが錆ていたら800番くらいのペーパーヤスリで錆を落としておきましょう。

次にようやくブレーキキャリパーを固定しているボルトを緩めます。レンチのサイズはT45です。

レンチで2本のボルトを外します。

後ろ側のボルトを外すとこのようにリアフェンダーを支えていた金具ごと外れます。この金具は作業後にリアフェンダーを取り付けるときに、穴の位置がずれているとリアフェンダーのボルトが締められないので気を付けましょう。

2本のボルトを外すとこのようにキャリパーは固定ブラケットごと外れます。ブレーキホースが繋がっているので無理に引っ張ったりしないよう気を付けて下さい。もしがっちりと動かない様子でしたらキャリパーを持って前後に揺さぶってみてください。ピストンが戻って簡単にキャリパーが抜けると思います。

!ここでワンポイント!

キャリパーを外したらタイヤを手で回転させてみましょう。空冷R1200GSの泣き所であるリアファイナルドライブ(通称リアデフ)の状態を点検するのです。ゴリゴリとした感触やキュ~キュ~といったゴムが擦れるような異音がしないか、スムーズに軽く回転するかの確認です。ブレーキパッドがディスクローターに接触している普段よりも点検しやすいのです!

既にパッドピンを抜いていますのでキャリパーを持ち上げるとパッドはぽろりと簡単に取り出せます。右が新品のCyletoで左が新車時から使っているBMW純正パッドです。穴が貫通したとは言え、まだ2mmくらいは残がありますので私の場合は4万キロは純正ブレーキパッドが持続するという事になります。もちろんバイクの使い方によってライフは個人差が出ますのでご了承を。




次にリアブレーキマスターシリンダーのフルードタンクのキャップを開けます。密閉を保っているラバー製の中蓋も外して、タンクの上に仮置きしておきます。このフルードタンクのキャップは前期や中期は緩み防止のロック機構がありますが後期型はロック機構がないようです。ロック機構があるタイプの場合は強引に回すのではなく、ロックの爪をマイナスドライバーで押して開けましょう。

ブレーキフルードタンクには2本の横線があって下の線がフルード残量の下限値、上の線は上限値です。ブレーキパッドが走行距離を重ねるにつれ摩耗すると、フルードの油面も下がってきます。ブレーキパッドが摩耗するまでフルードを補充した経緯がないのであればフルードの油面が下限値の線に近いと思います。

現時点でのフルードの油面の高さをよくチェックしてください。

ここでブレーキクリーナーでキャリパーをキレイに清掃します。写真はキャリパーの外を吹いていますが、ピストンのある中もキレイにしてください。

古いブレーキパッドを外したキャリパーの内側は、このように2つのピストンがパッドが摩耗した分だけ飛び出しています。この飛び出たピストンを指で押し戻すのですが1つを押しやればもう一方が飛び出てくる仕組みなので、両手の親指で2つを同時に押し戻して下さい。

こんな感じで戻してやります。万一、ピストンが固着して動かないようですとキャリパーのオーバーホールが必要となります。作業を中断してバイク屋さんに相談しましょう。

ピストンを押し戻すとこのようにブレーキフルードの油面は上がります。ブレーキパッド交換以前にフルードを補充した経緯がある場合、このときに上限の線をこえてフルードが溢れてしまう場合がありますので、その場合は事前にスポイトで抜いておきましょう。

この写真のようにフルードが少し褐色になっていると、もう交換した方が良いです。ブレーキフルードの交換方法はまた改めて記事にしたいと思います。

ちなみにブレーキフルードが車体に付着すると塗装をいためる原因になります。万一、フルードで汚してしまった場合は作業後に入念に洗車しておきましょう。

そしてキャリパーの内側、ピストン周辺にモリブデングリスを均一に塗布します。

新しいブレーキパッドの裏面にも同様にモリブデングリスを塗布します。間違っても表面に塗らないように…。パッドピンにもモリブデングリスを塗布しましょう。

外した時の逆手順でブレーキパッドをキャリパーに取り付けます。ブレーキパッドの表裏を間違えないように、2枚のブレーキパッドの間に確実にディスクローターが入るように!このときパッドピンは奥まで完全に入れず仮組でOKです。奥まで入れるには再びプラハンマーで叩くので、それはキャリパーを固定した後にしましょう。

2枚のブレーキパッドが確実にディスクローターを挟むように差し込みます。

キャリパーを固定する2本のボルトを固定します。今回、取り外す前にボルトにマーキングしたので、それを基準にトルクをかけました。もちろんデジラチェなどでトルク測定して締結しても良いと思います。指定締め付けトルクは24N・mです。

パッドピンを左側から打ち込んで固定し割ピンを入れます。もしパッドピンが十分な位置まで押し込まれていない場合は、割ピンを入れる穴が見えません。抜く前の様子を思い出して正しい位置まで確実にパッドピンを入れてください。

ブレーキペダルを押し下げてみましょう。普段ではあり得ない所まで下がりますが、これはピストンを押し戻したためです。何度か繰り返して押し下げることでピストンが出てブレーキパッドを締め付けてくれます。このときフルードの油面も少し下がると思います。

ブレーキフルードの油面がタンク内のMAXのレベルになっているか確認しキャップをしっかり締めます。少ないようなら補充しましょう。私のお世話になっているBMWディーラーではR1200GSのブレーキフルードはワコーズのSP-4です。

最後にリアフェンダーを3本の固定ボルトで固定します。一番上のボルトが入らない場合はキャリパー固定ボルトと共締めされている黒い金具の位置がずれています。いちどキャリパーボルトを緩めて穴の位置を合わせてください。

これで作業終了ですが正しくブレーキが効くか安全な場所で作動テストし、ブレーキパッドとディスクローターの当たり面が出るまでは適度なペースで慣らし運転をしてくださいね。

長文になってしまったので今回はこの辺で!空冷R1200GSのリアブレーキパッド交換方法でした!!!

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