究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、このたび当ブログの新たなカテゴリーとして<教習所では教えてくれないバイク安全ノウハウ>というものを作ってみました。私のバイク歴30年の節目として、新たに人に役に立つ情報を発信できればいいな…そんな想いでツーリング写真とは別で安全運転に関わるあらゆることを箇条書きでご紹介してみたいと思います。
バイクビギナーの方、久しぶりにリターンした方々にご参考になると幸いです。特にツーリングにおける安全の知識や、バイク業界にいたころの経験などを元に書いてみたいと思います。
その1☆バイク乗りなら豊かな想像力と一定の恐怖心を!
想像力とは「そんなことをしたら最悪はどうなるのか?」と最悪のシチュエーションを想像して怖いと思うコトです。昔からバイク乗りは臆病なヤツがいい、と言われるのは怖いもの知らずや想像力のない人は事故の当事者になるまで分からないからです。
トバしても到着時間は大して変わらないし、後ろのバイクにカッコいいところを見せようとしても無理をしてオーバーランや事故を起こせば逆にカッコ悪いです。そういったことに命をBETするのは実に馬鹿らしいし迷惑です。本当にかっこいいバイク乗りの条件はいつの時代も同じで「ちゃんと家に帰るヤツ」です。
その2☆周囲の車は運転手の目を確認
自分の周りを走っている乗用車やトラックはどのような人物が運転しているのか可能な範囲で確認してみましょう。営業車を長時間運転して疲労困憊の人、助手席の人とおしゃべりに夢中な人、スマホを見ながら運転している人、睡魔に襲われている人、急いでいてイライラしている人…。こういった周囲の車のメンツを確認して危険要素がないか把握し、場合によっては追い抜くか譲るか、あるいは一度安全な場所で停車するなどでポジションを更新しましょう。私は以前、ある国道で後ろの運転手をミラーで見たらハンドルの上に少年ジャンプのような漫画本を広げているヤツがいて驚きました…。
その3☆カーブミラーは路面までチェック
カーブミラーは通常は対向車の有無を確認するものですが、視力のいい人はもう少しよく見てみましょう。水たまり、浮き砂利、落石など対向車だけでなく路面の異常もチェックできればカーブの先で転倒…なんて危険も事前に回避できるかもしれません。
その4☆魔の時間帯を意識しよう
交通事故の多い時間帯は主に夕方だそうです。疲労と油断が重なる魔の時間帯でスキー場なんかでも衝突事故や怪我の多い時間帯は15時~16時です。「今日も1日、無事に走り終えたな…」という安心感が油断につながり、特に間もなく我が家という自宅の近所で事故が多いものです。自分だけでなく周囲の車も事故を起こしやすい状況なので魔の時間帯を意識して注意してみましょう。

その5☆ウインカーの消し忘れと右直事故
ウインカーの消し忘れはマジで危険です。右直事故については教習所でも教わると思いますので割愛します。バイクは車に比較して正面から見える部分の面積が少なく、対向車から見てスピードが分かりにくいものです。交差点で右折待ちをしている車が対向車線の直進車をやり過ごしている時…それは起こります。右ウインカーを消し忘れて直進してきたバイクと衝突するのです。遅く見えるので「あのバイクは右折か!」と誤認識されてしまうのですね。
そんな…対向車の人の判断力が悪いんじゃ…と言っても高齢ドライバーの事故が社会問題になっている昨今、こちら側が最大限に気を付けなければいけません。
現在、BMWやハーレーにはウインカーのオートキャンセルが付いていますが、国産車はまだまだ普及が遅れているように感じます。たかがウインカーの消し忘れではなく、本当に気を付けましょう!
その6☆高速走行はセフティスペースに飛び込め
セフティスペース…それは集団のいないスペースのことです。道路を歩いて横断したいとき、道を走りゆく車が途切れるのを待っているとします。そんなとき全く車がこなくなった瞬間ってありますよね?あれと同じことが高速道路にもあって、車やトラックが密集して走っている部分もあれば、誰も走っていないスペースも存在します。
そういったスペースを探して飛び込むのです。前にも後ろにも車がいないとトバしたくなるのがライダーの心理かもしれませんが、そこでトバしてしまうと直ぐに前の集団に追いついてしまいます。スペースに飛び込んだら速度を調整して前後の集団に追いつかず、追いつかれずのペースで走ってみましょう。
高速道路上で完ソロ走行することで他者の誘発した事故に巻き込まれるのを防いだり、単独で転倒などをした場合の被害の低減が狙えます。
その7☆前を走るトラックは積み荷の状態をチェック
トラックを管理している多くの運送会社は厳しい法によって安全を遵守していますが、残念ながら道路を走る全てのトラックがそうだとは言えません。他人の安全に期待するのはバイク乗りのすることではないと私は思います。
特に気を付けたいのは産廃処理や廃品回収などのトラックで、どうせ廃棄するものだからと積載も乱雑です。そういったトラックの後ろに付いてしまったとき、何を積んでいるのか?何か飛来してこないだろうか?しっかり固縛されているだろうか?よく荷を注視してみましょう。
荷を積載しているトラック、ダンプ(は未だに過積載が存在)、タンクローリー、コンテナなどのトレーラーは急ブレーキが効きません…排気ブレーキは確かに強力ですがジャックナイフやスイング現象を起こせば意味がないのです。だからトラック、トレーラーは車間距離が長いのです。そのスペースに「おっここ空いてる」とねじ込めば、万一なにかあったとき「即死ゾーン」に入ったのと同じです。
その8☆キープセンターで左右にスペースを確保しよう
教習所ではキープレフトを教わりますが、あれはあくまで教習所での基本走行ラインだと思います。実際の道路でいつもキープレフトでは安全とは言い難いです。例えば木々が生い茂ったブラインドの左コーナーでキープレフトで走れば先の視野が悪いです。車の流れが悪いときキープレフトでは後ろにいる怪しからん車がバイクの真横に並んでくるかもしれません。
その他にもバイクのキープレフトラインにはマンホールの蓋がよく有ったり、対向車から見てバイクが目立たなかったりと悪いことはけっこう多いです。
特に動物の飛び出しなど不測の事態の危険回避という意味では左右のどちらでも逃げれるようにキープセンター、場合によってはキープライト(対向車がいないのを確認)もありだと思います。
いかがでしたか?まだまだ沢山ありますので、今後はシリーズとして定期的に更新してみたいと思います。私も早いものでバイク歴30年。その間、もらい事故を除けば無事故無違反、10代の頃のミスを除けば無転倒、無立ちごけの経歴ですので、気が付けばベテランなのかもしれません。二輪業界にいたときに同業者や業界人から教えていただいたノウハウもたくさんありますので、それはまた追って書いてみたいと思います。
やはりバイク乗りは無事故が一番ですからね。