究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここのところ真面目な(?)ツーリング写真の解説が続きましたので、今回は旅の話を書いてみたいと思います。
私の場合、北海道ツーリングはもちろんそうですが多くのツーリングはソロツーリングです。一緒に走る仲間がいない訳ではありませんが、友人たちは私が単独行動派であることをよく知っているので、向こうから「一緒にツーリングに行こう」と誘ってくることはありません。
年に1度くらいは気の合う人と一緒に走ることがありますが、最近はそれすらも減ってきたように感じます。
ソロツーリングには自由な反面、楽しさはないかもしれないけど、それでも走っていて自分と向き合える「オートバイでの一人旅」を愛しています。
北海道や九州といった数日から数週間のスケジュールで旅をするロングツーリングの場合、さすがに旅慣れた私でも話し相手のいない時間の長さに寂しさを感じるものです。1日に人と交わした会話は「ハイオク満タンで」とか「温めなくていいです」といった店員さんとの事務的なやりとりだけ。
そんな時はちょっとした休憩ポイントで同じような旅人を捕まえて旅の話で盛り上がったり、地元の人がいたら天気の話やオススメの立ち寄りスポットやお店などを教えてもらったりします。
5分か10分も話をするだけで寂しかった気持ちはどこかへ吹き飛び「よ~し、また走るぞ」という気持ちになれるものです。
中でも私が大好きなのは北海道ツーリングしている時のセイコーマートでの朝食の時です。
セイコーマートは関東圏でもちらほら見かけますが、北海道を代表するコンビニエンスストアーです。以前にセイコーマートの美味しいものという記事を書いたほど、セイコーマートのオニギリやお弁当など、すごく美味しいので大好きなんです。
写真を撮りたい関係もあってキャンプ場はいつも早朝に出発する私は朝食は必ずと言っていいほどセイコーマートを利用します。ここで美味しいオニギリやパンを買ってタンクランチならぬtank breakfastです。
すると早朝の時間帯、お仕事前に立ち寄る地元の人がよく私に声をかけてくださいます。お互い早朝からたいへんですね、という労いもあるのか話かけやすい空気がセイコーマートの駐車場には確かにあるのでしょうね。
「おぉ、千葉からバイクで来たのかい?俺も昔は船橋で出稼ぎしてたよ。三番瀬でよく釣りとかして懐かしいねぇ。鹿が飛び出すから気を付けるんだよ」
「この先の林道を分岐していくと地図にのっていない湿原地帯があるから見てきなよ。虫が多いから気を付けてね」
「これ三脚つんでんの?いいねぇ、バイクで一人旅。それで風景写真とか最高だね。漁協のずっと先に地元民しか使わない食堂があるから寄ってみるといいよ!」
こんな数分の会話がいつも交わされます。単に情報収集という事ではなく人の温かみを感じる瞬間で、寂しい一人旅の心に優しさがしみるのです。
自分に話をしてくれる人、自分の話を聞いてくれる人。少々大げさですが久しぶりに家族や親友と再会したような人間愛を覚えます。こんな素晴らしいこと、日常では完全に忘れて日々を生活しているな。そんな風に思えるほどセイコーマートで交わす地元の人々との会話が大好きです。