初めての夏の北海道ツーリング 知っておくべき10のコト(前編)

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そろそろ夏休みのツーリングのご予定を立てられているかと思います。今回はこの夏、はじめて北海道をツーリングに行かれる方を対象に「初めての北海道ツーリング 知っておくべき10のコト」と題して、北海道ツーリングに関わる色々な注意点などを書いてみたいと思います。

道道106号 オロロンライン

多くの方は8月のお盆休みの時期を中心に北海道ツーリングに旅立たれると思いますが、フェリーの予約はもうされましたか?人気の航路である商船三井フェリーの大洗~苫小牧、新日本海フェリーの舞鶴~小樽または新潟~小樽などは人気なので熾烈を争う倍率です。これらのフェリー運航会社の多くは乗船日の2か月前の朝9時から予約受付です。受付開始から1分もしないで全て満席…なんてコトもあるので、まだの方は急いて予約して下さいね。

以前に「初めての北海道ツーリング…」という投稿は書いたことがありますが、今回は夏の季節に限定して10の項目を箇条書きでいってみたいと思います。




1.北海道はでっかいど~距離感に注意

北海道は関東をすっぽりと内包できる広さ

はじめて北海道をツーリングされる方で最も多いのは距離感覚を間違えている人です。事前に北海道のどこへ行こうかと北海道の地図だけを見て下調べしていると、北海道が1つの島のような感じに見えてきます。しかし島みたいに考えてしまうと行けるだけ行きたくなるのが心理です。そうなっては黄色信号…

上のイラストで分かるように北海道は関東をすっぽり内包できるほどの広さです。「明日は納沙布岬から知床を走って最北端の宗谷を目指そう~」なんて軽く考えると…これだけで600kmくらいあります。

昭文社ツーリングマップルは関東甲信越版や関西版などは1/14万ですが、ツーリングマップル北海道は1/20万で縮尺がぜんぜん違います。普段、関東や関西をツーリングするときのツーリングマップルの感覚ではありませんのでご注意を。

移動には十分な余裕を持って行動しましょうね。

2.激しい気温差と体調管理

夏の北海道は涼しくて快適?…いいえ広い北海道は場所によってかなりの差があります。2019年の5月26日に佐呂間で39.5℃になったニュースは皆さまも記憶に新しいと思います。その一方で同じ5月26日でも稚内や釧路の最高気温は20℃で、釧路に関しては最低気温は9℃でした。

寒い暑いではなく最も注意したいのは気温差です。特に暑いエリアと寒いエリアの間を移動するときは、急激な気温差の中をオートバイで走ることで体力が削られます。翌日から何だか体調悪いな…みたいな事はよく聞きます。寒いと感じる前に着るもので調節、暑いと感じる前に水分補給など早めの対応が求められます。これ、軽くみてると怖いので重要ですよ!

北海道の暑いエリアの代表格は十勝平野で暖かい上空の空気が日高山脈を越えてフェーン現象となるようです。その他、今年の春の例ですと網走、佐呂間、旭川、札幌も高温になりました。

逆に寒いエリアは根室、釧路、稚内などでお盆休みでもキャンプ場のトイレには夜に石油ストーブがたかれていました。

北海道では暑さ対策と寒さ対策の両方が必要で体調に影響を及ぼす前に対応する迅速さが重要です。

3.スピード注意

究極のツーリング写真の読者の皆さまに飛ばし屋さんは居ないと思いますが、北海道は速度違反の取り締まりが大変厳しく、多くのツーリングライダーもよく捕まっているのを見かけます。

開けた景色、信号の少ない直線路、長時間そのような状況で運転していると、トバすつもりでなくとも感覚が麻痺してきて速度違反している場合があります。特に周囲の一般車は本州よりもハイペースで軽のオバちゃんとかでも100キロくらいで走っていたりします。

速い車が後ろについたらすぐ譲る。一緒になってトバさないこと。自称トバし屋さんでも北海道ではトバさない。他の車との事故、動物との衝突、そして取り締まりでの検挙…。楽しいはずの北海道ツーリングが台無しになってしまいます。

町と町の境や幹線道路でのネズミ捕り(ステルス計測)、ちょっとした場所での一時停止の取り締まり、レーダーパトの進化版で対向車の速度も計測できるレーザー照射式パトなど、最新の取り締まり設備で強化している道警です。しかし悲惨な交通事故を未然に防いでくれているという意味で本当は感謝しなくてはいけません。




4.動物の飛び出しと事故

朝夕の時間帯に多いのは鹿の飛び出しによる衝突事故です。道路の左右にある茂みや平原のような場所はもちろん、海岸線でも街中でも普通に飛び出してくるのが鹿の怖いところです。鹿マークの道路標識や看板のある場所は特に用心深く走ってください。万一、鹿と衝突事故を起こせば怪我、バイクの破損、共に重大なダメージを受ける可能性が高いです。また1頭出てくれば続いて2頭、3頭と飛び出してくる場合もあります。

スピードを控え目にし周囲を注視し場合によってはキープレフトをせず左右のどちらのスペースにも回避できるようセンター寄りを走るなどしましょう。

それと鹿、キツネ、リスなどの野生動物には絶対に触れたり餌を与えたりしないこと。触れれば感染症、餌を与えれば生態系への悪影響となります。野生動物は見て写真を撮るだけ。

人間に近づいてくる野生のキツネ。エキノコックスに感染する危険があります。

5.吸血昆虫と虫汚れ

蚊、ブヨ、アブ、ヌカカ、マダニ。吸血昆虫ではありませんがキイロスズメ蜂、走行中に体に当たる大きな虫。マイマイ蛾の大群。虫を甘く見ると大変な目にあいます。

蚊とブヨは朝夕に活発になり何処でもいますが、特に湖や川に近い場所は大量に発生するので要注意です。ブヨは刺されると痒みだけでなく大きく腫れて熱をもつので、例えば指などを刺されてしまうと翌日はクラッチ、ブレーキレバーの操作ができない状況になり走れなくなります。

アブは牧草地などの農場に多く、熱源に集まる習性があるのでバイクを停めて写真など撮っているとに大量によってきます。

対策は虫よけと虫刺されの両方を用意する必要があります。パーフェクトポーションのアウトドアボディスプレーは少々高いですがオーガニックな成分で香りも良く、ブヨにも一定の効果がある虫よけスプレーです。刺された場合の薬はステロイド系が良いでしょう(もちろん体質に合わない方はおやめください)。

走行中はあらゆる種類の虫(トンボ、黒スズメバチ、アブが多い)がヘッドライト、スクリーン、ヘルメットシールドなどに当たり2時間も走行すれば激しく虫汚れが付着します。こまめに拭きとらないと、なかなか落ちない汚れになるので、休憩毎にクリーニングスプレーとウエスで清掃しましょう。

大型の昆虫は走行中に体に当たると痛いくらいです。当然ですが半袖などの肌が露出するような服装で走らないようにしましょう。

よく見かける黒スズメバチは実は私、去年に刺されました。三脚に止まっているのを気が付かず握ってしまい指を刺されてしまいました。神経毒で激痛でしたがキイロスズメバチのように重症化することはなく30分くらいで痛みは無くなりました。

6.マナーについて

安全運転、譲り合いはもちろんのこと、少し渋滞があるからと言って都会派の一部のライダーはすぐにスリ抜けをしますが、それはやめましょう。当たり前ですが北海道のドライバーは都心部のタクシードライバーではないのですから、まさかバイクがスリ抜けてくるなんて考えてもいません。非常に危険で迷惑です。

写真を撮るときのマナー違反がとても目立ちます。エサヌカ線のような直線道路の真ん中にバイクを真横に停めて記念撮影。やめましょう。例え車がほとんど来ない、来てもすぐにどかす、と弁明しても紛れもないマナー違反です。

牧草ロールには触れたり乗ったりしない

富良野や美瑛にいくと美しい丘エリアが待っていますが農地には絶対に立ち入らない。酪農家の方々は様々な感染病から家畜や作物を守るため大変な苦労をされています。そこに何も知らない観光客が足を踏み入れたり、バイクで農地(走っても良さそうに見えてしまうダートは私有地の農道)を走るなど迷惑行為なのです。草原に見える場所は牧草地で家畜の餌を育てる所です。入らないようにしましょうね。

フォトジェな牧草ロールも観光目的で設置されている物を除いて絶対に触れないこと。




海岸線を走っているとこんな場所をよく見かけます。これは砂利の駐車場ではありません。昆布の干場です。食べ物を干す場所です。バイクで入ったり踏み入れたり絶対にしないように~!

長くなったので後半は次回に続きます・・・

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