騙されたと思ってやってみて☆言語化で写真が良くなる不思議・フシギ

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回は久しぶりに精神論的なアプローチで解説する<初級>ツーリング写真解説でございます。

写真というとどうしても構図などの撮り方やカメラの設定などで全てが決まるように思われ勝ちですが、実はそういった事と同じくらい「まずは感動しましょう」という撮影者の心が大切なものです。

もし撮影者が被写体や情景に全く感動などせず、撮り方やカメラの操作だけで写真を撮れば、それは作品ではなく整った高画質の画像です。偉そうなことを言える立場ではありませんが、良き作品とは撮影者が心打たれたことを独自に表現したものなので、撮り方やカメラの操作だけでは成立しないと私は考えます。

そんな事を言われてもソレって個人の感受性とかの問題でしょ?俺にそんな一面はないよなぁ~困った。というアナタ。今回は感受性とか感動するとか今まであまり意識していなかった…という方向けに効果のある手法を解説いたします。

これをやるだけで魔法のように写真が良くなることをお約束いたします。




1.特徴と感動を言語化する

 

そこで写真を撮ろうと思ってバイクを停めカメラを準備した。それならばその場所に最初にあなたが気に入った何かがあるはずです。

気持ちいい場所、いい眺め、とりあえず海だから、SNSで見かけた「映え」な被写体、なんでもいいですけど撮ろうと思ったきっかけは誰でも分かりますよね。

夕陽だったら「夕陽はキレイだから撮る」といったシンプルな理由です。しかしコレだけで撮影を開始しても素晴らしき作品にはなりにくいです。もっと被写体や情景をよくみて当初は気が付かなった特徴や魅力を言語化してみましょう。

上の作例では強烈な夕陽が海面に反射している海岸の撮影シーンです。私はここで直視するのも耐え難い強烈な光は空よりも海面からきていると感じました。ドラマチックなシチュエーションであることに間違いは無さそうでしたが、実際の様子がよく分からなかったので露出を肉眼の明るさとはかけ離れたアンダーで1枚撮ってみました。

すると海面の様子はまるで銅板のような美しさであり、海面が神秘的にさんざめいていました。「美しい」「神秘的」「さんざめく」そして「まるで銅板のような」。このように日常会話では使わないような単語や比喩表現を使って被写体や情景を言語化してみてください。

「イイ感じだ」ではなく何がどうイイのか?美しい言葉で特徴や魅力を言語化して声に出してみて下さい。すると不思議なことにファインダーの中で何がどうイイかを画面という長方形の中に自然と構成できるはずです。

上の作例では「まるで銅板のように輝く海面がさんざめいていた」という作者の意図が言語化された後にシャッターを切ったことで、それが明瞭に伝わるよう画面内に構成されています。これをハッキリやらないと漁船やらカモメやら関係のないものをつい画面内に入れてしまうので意図が明確に伝わらない写真になりインパクトも弱まります。




2.理由と選択の言語化

こちらの作例は北海道のコムケ湖で撮りました。寂しい雰囲気の風景のなか、雪国特有の形状をした倉庫がありました。当初、湖の方へ向かって写真を撮っていましたが一通りの撮影を終えて反対側の景色に目をやると、この青い倉庫が何かを私にうったえているように感じました。

何枚か試し撮りしてはEOS6D Mark2の液晶モニターでプレビューし、ここであの倉庫が一体何なのか?自問し思考しました。何なのか?とは何を格納する倉庫なのか?という意味ではありませんよ。それを撮りたくなった理由です。

そしてユニークな形状と印象的な青の色味といった特徴が気に入ったから、そして草地と曇天による鉛色の景色によく似合う雰囲気だからと分かりました。理由が判明したので次に手法を選択します。ここでは望遠レンズを使って画面内に大胆に配置し、倉庫の存在が印象的になるよう構図しました。「倉庫の形状と青が印象的だったので望遠レンズで大きく構図した」と言った具合に「○○だから△△した」と理由に対して手法を選択したことも言語化してみましょう。




実は言語化自体が大切なのではなく、言語化のために思考することでよく見てよく感じる行為が出来るのです。イイ感じだからここで撮ろう~では被写体や情景の特徴を捉えることもできません。どう感動したのかを言葉にしようと考えれば撮影者が自分がどう感動しているのか内面に問いかけることもできます。

そして理由と選択の言語化は作品の意図を明確に表現するためのプロセスです。これも言語化自体が重要な訳ではありませんが、初級者の方は言葉にして発することで「イイ感じ」「なんとなく」という曖昧を脱し意図が明確な写真を構成できるようになるのです。

私の場合は今はほとんど言語化せずに撮っています。被写体をよく見る目や感じたコトに向き合う心、表現するための操作の選択などは、長い事やっているので言語化しなくてもやっているからです。うまく説明できませんが言語化のプロセスを省略して直感とカメラをつなぐダイレクトモードにしている、といった感じでしょうか。

ここでは<初級>ツーリング解説として上達のプロセスとしての言語化をご紹介しました。

今回はこの辺で!!

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