比率を極めるなら1に黄金比!2に白銀比…1:2.303は青銅比

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、楽しいバイクライフ、ツーリング写真を楽しまれていますか?先日、ある方から写真のダメなところがあったら指摘してほしいと依頼されました。作品を拝見しましたが撮り方、カメラの操作などは問題なく上手に撮れている写真ばかりでした。

しかし細部の詰めが甘くよく見ると「ここをこうすれば更に良かったのに」というポイントが複数ありました。それはとても小さなことですが、良き作品は細部に魂が宿るもので逆に言うと細部の詰めが甘いと、せっかく上手に撮れていても傑作と呼べる作品には及びません。

しかし不思議なことにそれをご本人に指摘すると「分かってはいたんだけどねぇ」という反応でした。分かっていた…ではなぜ??単純に妥協したという事でしょうか。

先日の投稿で少し書いた「めんどくさい」の話と少し似たお話ですが、どうも我々人間は無意識下に妥協点を作る癖があるようです。それは日常生活でも仕事でも「一切の妥協なく完璧主義を貫き通すのは無理である」と心のどこかで理解しているので、あるポイントで「こんなものか」と妥協して先に進める回路のようなものが脳内にあるのでしょう。

私がメーカーで製品の開発をしていた頃、1つの製品をつくるのに一切の妥協のない完璧な製品など実現は無理だと知りました。それは会社として利益を上げる以上は当然のことなのですけどね。宇宙に行くロケットとかスパイが使う秘密兵器とかなら妥協のない物作りかもしれません。しかしツーリングに使うバッグや用品なら設計費だけでなく材料原価、調達のしやすさ、プレスや樹脂成型の金型費、生産工場の都合、倉庫代、説明書やパッケージの版代と印刷代、代理店と販売店の利益、店頭での並べやすさ…これら膨大な事情を考慮し多くの妥協ポイントを作って利益の出る製品を生み出します。その結果、素案の時からは大幅に夢が削られた物が出荷されるのが現実なのです。

しかし我々、個人的な写真家が作品を生み出すときにこういった考えを無意識にしてよいのでしょうか?いいえ、撮影シーンでは一切の妥協なく、心の底から納得のいくまでその場で撮影やめることは許されません。どんなに執念深くやろうと何にも損失は与えないのです。プロのカメラマンが仕事写真として撮るのであれば別ですが、個人的に撮る写真は妥協せずに納得いくまで撮りましょうね。

作品の魂は細部に宿るです。




さて前置きが長かったですが、今回は写真のデザイン要素にある比率のお話を少し書いてみたいと思います。比率、と聞くと多くの方は「黄金比」なら聞いたことがあると思います。例えば画面内に水平線が入れば空と海といった具合に2つのエリアが発生しますが、その面積の比率のお話ですね。

比率は目でぱっと見た瞬間の安定感や心地よさなどと関係したデザイン要素です。写真に限らず絵画や彫刻、イラストやキャラクターなどにも使われています。

黄金比は1:1.618で最も理想的な比率と言われレオナルドダビンチの作品やミロのヴィーナスなど多くの芸術に使われています。次に白銀比と言って1:1.414(√2)があり、こちらは日本人が好むと言われる別名「大和比」などとも言われる比率です。

有名なキャラクターであるドラえもんの縦横比はキレイに白銀比です。他にもトトロ、ちびまる子ちゃん、ハローキティ(の顔)などもそうですが、古い芸術作品であれば菱川師宣の見返り美人図も白銀比だそうです。

一方、キングオブ比率の黄金比はオウムガイの断面やDNAの螺旋構造など自然界に太古から存在している神秘の比率と言われ、世界的な芸術作品も古くからこの比率に準じてきました。白銀比が日本人に好まれ、大和比とまで呼ばれる理由は諸説あるようですが、日本人特有の文化といえる「もったいない」という精神が関係しているそうです。1本の丸太から木材を抜き出すには長方形よりも正方形に近い方が、無駄を出さずに材料を使えるという事らしいです。建築物だと法隆寺や五重塔、その他だと風呂敷や畳など、日本の文化的な物の多くに「もったいない」の精神に基づいて白銀比が使われています。




もしこの両者を使い分けるという事であれば黄金比はDNAに通ずる神秘の比率として最高峰の比率、白銀比は日本的な美学にも通ずる合理的な比率と覚えておけば良いと思います。

この作例では陸地と海面の境界に分断線があり、セオリー通りに3分割構図で撮った構図です。分断線が発生すれば2つのエリアが発生し、その比率を意識すること。その初歩的な考え方が有名な3分割構図と言えます。3分割構図は多くのカメラでグリッド線を表示できる機能があるので、初心者の方でも練習しやすいと思います。

 

3分割構図は有名なので多くの人が分断線が水平、垂直だった場合に意識して比率を作れると思います。しかしこの作例のように分断線が単純に真っすぐな線ではなく複雑な場合、みなさん比率を意識できていますか??




この作例では分断線が発生した場合のエリアの比率ではなく被写体が2つだった場合の比率です。これも比率を意識して構図するだけで見栄えはぐっと良くなります。ただし例外もあって双子の赤ちゃんとか二匹の子犬とか、この写真もそうですが同じ車種(2台とも白のR1200GSアドベンチャーである)といった具合に対象であることを主題にするのであれば1:1が好ましいケースもあります。

これは奇数の法則で構図している作例です。ライダー、バイク、漁船の3つが被写体として構成する場合は奇数の法則で安定感が出るので比率を意識する必要はありません。5つや7つの場合も同様です。

比率を理想的な順に並べると黄金比 1:1.618、白銀比 1:1.414、1:1.5、青銅比 1:2.303 といった具合になります。一方で避けたい比率というのは理由なき1:1です。先ほど書いた双子の赤ちゃんもそうですが、富士山が水鏡に映っているなど対象であることを表現したいのは1:1でもOKです。しかしそういった理由がなく1:1になってしまった…というのは避けたいですね。

撮るときに1と2の比率をどう意識して撮るのか??カメラに表示できるグリッド線のように比率を測定できるツールがあれば最高なのですが、これは無いので感覚で撮る以外にありません。難しいようでしたらお勧めのやり方は次のようになります。

1.まずはおよそ1:1.5くらいを目指して構図する

2.次に1:1.5よりも少し後者側を多めにした構図を撮る(黄金比1:1.618)

3.続いて後者側を少な目にした構図を撮る(白銀比1:1.414)

4.これら微妙に違う比率の構図を何カットか撮っておく

5.理由なき1:1は避ける

6.帰宅してから理想的な比率をじっくり選ぶ

といった具合です。あまり難しく考えるのではなく知識として脳内に入れておき、現場で意識するという単純なやり方で十分に効果があると思います。

特に黄金比のような比率は人間のDNA構造からして1:1.618なのですから、ファインダーをのぞきながら直感だけで探り当てたような比率が実はピッタリと1:1.618だったなんてコトもあり得ます。

黄金比、白銀比などの比率のお話でした!!

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