究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ここ最近当ブログはRICOH GRや北海道ツーリングといった検索キーワードでのSEO順位が向上したらしく、嬉しいことにアクセス数が伸びております。
より多くの方にこのブログを見ていただき、オートバイでツーリングに行ったら素敵な写真を撮ってみよう、バイクツーリングの写真っていいものだな、と感じていただきたいと思います。
さて今回は久しぶりに<初級>ツーリング写真の解説としてベストアングルの探り方をご紹介いたします。ほんの少しの工夫で写真が激変するという事を夕陽の野営地の作例で解説したいと思います。
まずこちらの作例をご覧ください。失敗作例でございます。雲ひとつない空に傾く太陽。海岸の野営地での一コマを超広角レンズEF14mmF2.8Lで切り取った1枚です。実際には間昼間のように明るいのですが太陽をド真ん中に配置した大胆な撮り方の場合、あえて夜っぽい露出で撮るのも良いものです。
さて露出は良いとして、この失敗作例の何が失敗かと言いますと究極のツーリング写真の熱心な読者様でしたら既にお気づきかと思います。そうバイクやテントが良く写っていません。強烈な逆光で露出を空や海面に定めたため、地上物は真っ黒です。それにバイクの大きさを小さく構図した「バイク米粒構図」であることを考慮すると、バイクの存在感を補填する何らかの工夫がほしいところです。
はい、先ほどの写真に加えて2つのことをしました。まず1つめは陸地と海面の境界になっていた線がバイクを貫通していましたが、これをカメラをローアングルにすることで回避しました。そして2つ目がこの写真のポイントなのですが海面に入ったハイライトの部分とバイクの位置が合うように右に左に動いてポイントを探ってみました。
たったこれだけでバイクとテントの存在が劇的に明らかになったのがお分かり頂けると思います。この作例のようにバイクの大きさを小さく撮った写真とはそれがバイクであることが誰の目にも明らかであるように撮る必要があります。あとで発表して「ここに写っているのはバイクですか?」と聞かれないように、バイク米粒構図の時はその存在感を明らかにするよう工夫しましょうね。
アングルをさぐるとは足を使って動き、カメラを高くしたり低くしたり場合によってはレンズを交換するなどの試行錯誤の繰り返しです。逆に言うと動くことのできない人はベストアングルにたどり着くには難しいと言えます。

はい、自撮りとポージングで決めて仕上げでございます。太陽や空が主題の場合はモデルの視線はその方向へ。
この写真、当初は空に雲ひとつなく表情に乏しいなと感じて少しがっかりしたものです。しかし何もない空は階調が繊細なスペースです。コレをうまく構成すれば決して悪くはありません。スペースを構成するとはこの場合、強烈な存在感をはなつ太陽を文字通りの日の丸で配置することです。これによりスペースに存在する階調が魅力的に変貌してくれます。
これは日の丸構図の便利な使い方なので覚えておきましょう。
それと太陽から放射状に延びる光線を作りたいときは簡単です。絞りをいっぱいまで絞り込む。これだけです。光線の本数はそのレンズの絞り羽の数で決まります。注意点は絞り込むとイメージセンサーやレンズの汚れが目立ちはじめますので、うっかり機材のメンテを怠っていた人はゴミだらけの画像に悔しい思いをするでしょう…。センサーやレンズの清掃は日常的にしておきましょう。そして後の祭り…だった人は帰宅してからスタンプツールで綺麗に汚れを消去しましょうね。決してゴミだらけの写真をSNSで発表しないように。
この写真で私が失敗したなと思ったことが1つ。海面のハイライトは良く見るとS字状に潮目を描いていて、これはこれで大変魅力的だということに帰宅してから気が付いたのです。このことに現地で気が付いていれば望遠レンズを使って別の作品が撮れたかもしれませんね。
実際には眩しすぎて潮目がいい感じだったのに気が付くのは難しかったのですが。
今回はこの辺で。