究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、きのうの投稿で訳の分からない独り言を書いてみましたが、何が言いたかったかと言うと今年も北海道ツーリングに行けることが決定~というラッキーな出来事とからめて書いてみました。
現在の私の生活環境ですと長期間の休暇を要する北海道ツーリングは本来は叶わぬ夢なのですが2017年8月、2018年8月と奇跡的に良いことが重なって北海道ツーリング行くことができました。そして2019年はなんと超大型連休となる4月末から5月のゴールデンウィークに行けることになったのです。
二度あることは三度ある…三度目となると奇跡と呼べないかもしれませんが、とにかく周囲の人の暖かいご理解で出発が許可されました。どうして自分が望むことは、こうしてラッキーにやってくるのだろう?チャンスはフルに生かしたいので、私の生涯追及するテーマである「ツーリングのワンシーンを切り取る」を具現化した作品が撮れるよう充実した旅をしてきたいと思います。できればキャリアベストと呼べる1枚が欲しいですね!
それにしても雪化粧の山々を望む5月の北海道ツーリング、今から楽しみです。
さて今回の<中級>ツーリング写真解説ですが、上級者が当たり前のようにやっている構図テクニック、あらゆる要素を複合的に、かつ巧妙に組み立てていく画面構成について解説してみたいと思います。

こちらの作品をご覧ください。以前も同じ場所で撮影した写真をアップしましたが、漁港で役目を終えた漁船が保管されている場所です。台風で台座が破壊されてしまい倒れてしまった様子です。
その船体をスクリュー部分からのカメラアングルで漁港の様子を切り取った画面構成です。
これは撮影現場の様子をiphoneで撮った1枚です。こういった漁港のように様々な物が目の前の光景に存在している場合、被写体のキャスティング作業、背景の整理、スペースの確保など、構図を作る上で割と高度なスキルが要求されるシーンです。
何となく雰囲気が良い場所だからと、被写体をよく見ず言語化もしないで撮れば、ゴチャゴチャと乱雑な写真に陥ります。
ではこういったシーンで意図を明確化し整った構図を作るにはどうしたら良いか?それを解説いたします。
まず主題は船体のスクリューです。これに注目して35㎜単焦点レンズで足で寄ってみました。寄ることによってスクリューに固定されたロープと船体のやれたFRP部(赤で囲った部分)の質感が表現されました。被写体の質感を表現するにはまず寄る事です。
ロープは線の要素として画面の角にピッタリと合わせて斜めに走らせました。線は画面の角に合わせることにより効果がより際立ちます。
そして重要なのは黄色で囲った部分。何もないスペースです。これを意図的に作ることでゴチャゴチャ感を回避して被写体の存在を際立たせるのです。上のiphoneで撮った写真に写っていますが、この場所にはハシゴやら水槽やらロープやらが散乱していますが、仮にそれが良い感じでも決して入れないこと!
次に分断線と比率です。この写真のようにメイン被写体のエリアとそれ以外のエリア、または例えば海と空とか、分断線が発生したことによる2つのエリアの比率です。簡単な構図であれば有名な三分割構図を適用すれば良いですが、この写真のような場合は2つのエリアの面をよく注視して2等分にならないよう精密に配分してください。
比率は偉い順に並べると1:1.168(黄金比)、1:1.414(白銀比)、1:1.5、1:2.303(青銅比)といった具合です。しかし撮影時にファインダーを覗きながら、これらの比率に正確に合わせるのは困難です。知識として覚えておく程度でも十分だと思います。しかし多くの人が感覚で「心地よい」と感じる比率がこれらの比率に近いことも頭に入れておきましょう。とにかく1:1は絶対に避ける、およそ1:1.5くらいを狙うと覚えておきましょうね。
その他、この作品ではモデルがちょうど顔の部分で見切れています。歩む方向は船体の陰へアウト方向です。これは観賞者の想像をさそう心理的手法です。この人物はどのような顔をしているのか?歩く先に何があるのか?これはミステリーやホラー映画なんかでも頻繁に使われる心理的手法ですが、静止画である写真にもこのように応用できるのです。
いかがでしたか?そんな計算高くやるのかぁ…と半ば呆れてる方もおられるかもしれません。しかし、こういった手法は上級者ともなると半分無意識にやる感じで、作業時間も数秒で決めています。きわめて瞬間的なデザインと言えるのです。
こういった理論に面倒だと背中を向ければ、いつまでも変わり映えない写真のままですよ。
次回の撮影でぜひ挑戦してみてくださいね!
↓↓↓撮影地↓↓↓