究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、花粉症の方は大丈夫ですか?私は例年、3月がもっとも症状が重く今年も辛い日々を送ることになりそうです…。
先日、ある書籍を読んでいたところ「プロフェッショナルサンデーフォトグラファー」なる聞きなれない単語を見かけました。著者の先生によるとプロカメラマン、著名な写真家のように職業としての写真家ではなく、収入を得る職業は別にあり(主に写真とは関係ない)副業あるいは本業として個人的な写真家として活動している人を指す造語だそうです。
これは単にアマチュアの写真家という意味ではなく、明確な活動テーマや目的があって本格的な写真活動をしている人、なおかつその写真活動に収入となる顧客が存在しないこと、という定義で「プロフェッショナルサンデーフォトグラファー」と名付けたそうです。
なるほど、これは正に私、立澤重良が活動している事と合致しているのではないか!!と思わず唸ってしまいました。誰しも写真家に憧れを抱いたところで「では明日から写真家になるので会社を辞めよう」という訳にはいきませんよね。しかし写真を通して世に発信したい何かを持っている、それに使命感を感じているという事であれば収入とは切り離して考えて、個人的な作家として写真家を名乗っても良い訳です。
厚生労働省が推進している【働き方改革】は日本に古くから根付いた労働文化(主に長時間労働、雇用形態の違いによる待遇差など)を是正しテレワークの導入や労働賃金を時間ではなく成果に変えるなどの取り組みが目的と聞いています。そして労働人口を増やす目的で副業、兼業を容認する方向で政府として企業に働きかけているそうです。
となると、プロフェッショナルサンデーフォトグラファーも主な収入源となる会社員としての仕事とは別に、副業的に写真家活動をしていくのも時代性に合致していると言えます。昔の日本だったら例えば写真活動によってメディアの取材を受けたりすれば「おいおい君、趣味もほどほどにね、写真か会社かどっちが本業なのかケジメつけてよね」と上司に圧力をかけられた訳ですが、そんな時代はもう終わりなのです。
今まで通り会社に勤めながら胸をはって写真家を名乗ることが可能な時代の到来です。そのことにいち早く気が付いて、今の仕事を続けながらでも良いから、上手に時間を作ってプロフェッショナルサンデーフォトグラファーとしてデビューしてみませんか???
さて、前置きだけで1000文字書いてしまいましたが、今回は<中級>ツーリング写真解説として望遠レンズで作った構図に奥行を入れる手法のご紹介です。

定番とも言える夏の北海道ツーリングでのまっすぐな直線路での写真です。こういったシーンでは作品の主題を明確にするため1.道が主役である 2.どこまでも続くを表現 の2者が重要になります。これを意識しないで普通に撮ってしまうとSNSでよく見かける平凡な写真に陥ります。
直線路を切り抜く場合、以前も解説しましたがお勧めの焦点距離は150~300mmくらいの望遠域です。長く続く直線を圧縮することで、画面内の割合の多くを道にすることができます。これが標準や広角レンズを選んでしまうと道以外の地上物や空などが画面の多くを占めてしまうのです。もちろん絶対に望遠という意味ではなく、何か作者の思惑があって広角で撮るのも素晴らしいのですが、あくまで解説用の簡単な例として望遠がお勧めである、という事で書いておきます。
そして望遠レンズで圧縮効果を効かすと、その結果として遠近感が一気に失われてしまいます。何か意図があって平面的に表現したい写真であれば遠近感が失われたことは気にする必要はありません。
しかし「どこまでも続く」を表現したいのに遠近感が無い写真って如何なものでしょうか?そこで遠近感を補足させる2つの手法をご紹介します。
1.近景をしっかり作ってバイクまでの距離感を出す
この写真の場合、R1200GSとのカメラディスタンスは30mくらいだと思いますが、その間の路面をしっかりと画面に入れて前景による奥行を構図で作ります。望遠レンズを使う場合の常套手段ですよね。これを意識せずバイクから遠景で構図を作ると本当に遠近が出ません。
2.空気遠近法で遠景を仕上げる
空気遠近法、それは青っぽい空間や霞んでいる部分は遠くを連想させる人間の心理をついた手法です。レタッチの話になりますがこの写真はLightroomで空の部分のホワイトバランスを青方向に、かすみの除去機能でかすみを加えています。ただしこのレタッチはやり過ぎに注意です。やったかやっていないか分からない程度で十分に効果が出ますので!
しかしこの写真、7年前の北海道ツーリングで撮った写真なのですが、どこの直線路なのか思い出せません。ジェットコースターの道でもないし天に続く道でもないし、北19号とは雰囲気が全然違うし… 使用したカメラはEOS5D Mark2ですが、現在愛用しているEOS6D Mark2だったらGPSのログ記録が残っているのですけどねぇ。
それではまた!!
2019/4/3追記: この写真の場所は「かみふらの八景」にも選ばれているパノラマロード江花でした!!今年のGW北海道ツーリングで再訪したいと思います。