自分に厳しい評価を下す!セレクト眼を鍛えよう<初級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ようやく寒さが和らぐ季節となりましたが如何お過ごしでしょうか。以前に当ブログで解説しました「写真家の目」を鍛えておられる方でしたら梅の花、フキノトウ、つくしなどを見つける機会が増えたのではないでしょうか?

以前なら気が付くことさえ無かった小さな出会い、発見が写真家の目を養うことで気が付けるようになった。これってすごく幸福なことだと思います。つくづく写真っていいなぁと感じます。

さて今回は<初級>ツーリング写真解説として、撮った写真のセレクト作業について解説してみたいと思います。

Lightroomのカタログ ライブラリー画面

 

Windows10のエクスプローラー

 

ツーリングから帰ったら、その日に撮った写真をパソコンやスマホにまずは取り込みますよね。場合によってはLightroom、キャプチャーOne、キャノンDPPなどのソフトでレタッチやRAWを現像を行う、それはやらないという方はSNS用にサイズダウンさせたファイルを作成でしょうか。

この時、1つのシーンで撮った複数枚の写真の中から、どれをSNSなどで発表するのか採用カットを選ぶのが写真のセレクト作業です。実はこのセレクト作業はすごく重要で時間をさくべき行程なのです。




「そんなに一か所で何枚も撮らんよ」という方。偉大なる写真家やフィルム時代からのベテランは無駄に切らずワンショットに入魂!という考えもありますが、今のデジタルカメラ時代に初心者の方が写真を学ぶという意味で、ワンシーンで1枚しか撮らないのは非常に勿体ないです。

写真をはじめたばかりの頃は撮影地で何をしていいか良く分からず、悩んでしまうものです。だからこそ失敗でも良いから色んなアングル、位置、露出、焦点距離を試してバリエーションで撮っておき、帰宅してからじっくり検証するのがお勧めのやり方です。

帰って冷静に検証すれば、なぜそこで写真を撮りたいと思ったのかが見えてきますし、反省点はもちろん逆に良かったところが「何がどう良かったか」説明できるはずです。

RICOH GR

まずこちらの作例をご覧ください。この場所に何があったのか不明ですが荒涼とした地に塀と門の残骸だけが廃墟として残っている場所を発見しました。敷地の中は立ち入り禁止の三角コーンが置かれていますが、そもそも何もありません。この門の前でR1200GS-ADVENTUREを停めて1枚撮ってみました。左側からの斜光のため右手側に影が出るパターンです。ハイアングルで地面にR1200GS-ADVENTUREの影の様子を取り入れてみました。しかし何か釈然としません。

RICOH GR

次にこちらの作例をご覧ください。地面にある影の存在はいちど忘れ、ローアングルにして空の様子を取り入れてみました。廃墟の不気味さと爽やかな空との組み合わせが案外と悪くないな、とこの時はそう思って撮影を終了させました。

そして帰宅してから写真のセレクト作業をしている時に、2枚目のカットの方が門の中の様子を隠していて見る側に想像を誘って面白い、と思いこの2枚目を採用カットにしました。

このように撮った後に自宅でバリエーションを眺めながら熟考の末に理由を付けても大いによいのです。




そしてもう1つ。セレクト作業の中で良いな、と思える1枚を選べなかった場合。その場合はどれもイマイチな場合です。そういった時に無理に1枚を選んでSNS等で発表するのはやめましょう。普通にツーレポ写真として撮っているなら別ですが、究極のツーリング写真の読者様でしたら写真道を志す方々と存じます。自分で失敗写真と分かっているものを人に見せない!SNSで繋がっているあなたのファンはあなたの撮る写真に期待をしています。変に裏切ってしまいあなたの価値を下げることになりかねません。

撮った写真を厳しくジャッジしてくれる機関がないのがアマチュアの悲しいところなのです。失敗写真を発表しても「いいね」や誉め言葉のコメントは入るものです。しかし、そこに甘んじてはいけません。

プロであれば失敗があればクライアントから相応の評価があり、場合によっては撮り直し(プロとして最悪の事態)となります。そもそも失敗などしないのがプロなのですが…。

だからこそ我々アマチュアは自分の撮った写真に対して最も厳しく評価を下す存在は何より自分自身であるべきなのです。




誰に何と言われようと撮影地ではあらゆる可能性を模索しながら多くのバリエーションを撮ることを皆様に強くオススメいたします。これは帰宅後の自分のセレクト能力に託すこと、10年後の自分が不採用カットを蘇生させる可能性があること、あるいは写真の神がもたらしてくれた奇跡が写っていないか?などに賭けるのです。

セレクト能力は撮ることと同じで数をこなして身につけていくしかありません。ツーリングから帰ったら写真を端末に取り込んで、どれがそのシーンでのベスト1枚であるかを選ぶ作業。ぜひたくさんこなしてセレクト能力を鍛えてくださいね。

そうすると不思議なことに5年、10年と先に昔の写真を見直したとき、当時は失敗と思ってセレクトしなかったカットでさえ、鍛え上げられたセレクト眼でみれば傑作へと昇華することもあるのです。素敵でしょう?

今回はこの辺で!!

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