究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真、バイク写真の具体的な撮り方の解説ではなく、どのようなプロセスで写真やカメラの知識を深め、写真のことを好きになっていくか?という上達の秘訣を書いてみたいと思います。
もちろん私もまだまだ未熟ですので、これからも写真に対する想いを深め上達に日々精進していく所存です。ここでは主に初心者の方々を対象に私のこれまでの経験を元に「最初に何をしていいか右も左も分からない…」という時の為の指針のようなものを書いてみようと思います。
①カメラの操作と同時進行で写真のことを好きになろう
カメラの操作方法や基礎的な知識などはカメラの取扱説明書に書いてありますし、世にもHowto書籍としてたくさん出ています。カメラの構え方とかシャッターボタンの半押しとか、基礎的なことは最初の数か月で身に着けてしまおう。
それよりカメラの操作方法に気を取られ過ぎず、まずは興味の対象を写真にすることをお忘れなく。写真に関心を抱きいつかは自分も人の心を動かす素敵な写真を撮ってみたいな、と憧れを抱くことが大事だと思います。
SNSの写真関係のコミュニティーを見れば「どうやったらこんな写真が撮れるんだろう?」という疑問符しか出てこないような素晴らしい写真を目にします。しかし続けていればいつか貴方も撮れるようになります。もっとすごい作品を。
②目の前の情景が一瞬で二次元の静止画になることを感覚で覚えよう
当たり前のことを書いているようですが、写真とは目の前の景色や被写体が一瞬で二次元の静止画になること!という事を感覚として覚えましょう。情景や被写体はあくまで三次元の動態です。このことを学ばずして先に進んでしまうと遠回りする羽目になります。
③まずは撮ってみよう、そして写真になる楽しさを味わおう
特にフィルム時代からのリターン世代の人は慎重すぎてシャッターをなかなか切らない人、写真を撮ることを身構えすぎる人、難しく考えて過ぎてしまう人が多いように感じます。
デジタルは仮に無駄にシャッターを切ってしまってもフィルム代もかからないし、誰かに迷惑もかけないし、環境破壊もありません。まずは難しく考えず子供の遊びのように何でも撮ってみましょう。
きっと楽しいと感じるはずです。
④構図を作れるよう動く足を手に入れよう

この辺から平凡なカメラマンか素敵な作品を生む写真家になるかの分かれ道です。カメラを持って右に左に、しゃがんで登って、位置を変えることで構図が変化することを体で覚えましょう。
平凡な人はこの写真家の足を持っていないのです。これがベストだと納得できるアングルや構図は動きまくって試行錯誤なのです。
⑤ズームレンズを活用して焦点距離の感覚を身につけよう
例えばお持ちのレンズが24-105㎜というズームレンズでしたら24、35、50、70、85、105㎜という数字の書いてある6ポイントに縛って撮ってみてください。40とか60とかの中間はあえて使わないこと。
そしてこの6種類の焦点距離のそれぞれで、目の前の空間がどのように圧縮され範囲が変化するのかを感覚として覚えてみましょう。ゴルフやピアノの練習のように数多くの反復練習によって正確な感覚を身につけるのです。
徐々に感覚が養われていくと例えば20m先にある立派な大木と10m先にあるオートバイをからめて撮るとき「ここは85㎜で木を堂々と切り抜こう」とか、空一面に広がるウロコ雲を見て「この空をローアングルで24㎜で広げよう」といった具合に、まずは焦点距離を決めるということが出来るようになります。
この方法を実践していただければ確実に上達できることをお約束いたします。(もちろん焦点距離が固定されている単焦点レンズでも同様の効果があります)
⑥まぐれでOK、いい感じのが撮れたら発表しよう
とにかく誰かに見せたい、見てもらったときの反応が嬉しい、これが写真の楽しみの原点だと思います。どんな傑作でも誰にも見せないのでは意味がありません。
まぐれで撮れた良さげな写真を、あたかも狙って撮りました!とちゃっかりコメント付きで発表するのもOK、自分ではイマイチだなぁと感じていた写真を発表してみたら高評価だった!なんて事も珍しくありません。
SNSで作品を発表し、ギャラリーを作り、写真関係のコミュニティーに参加してみましょう。そして自分はアマチュアだけれど写真家になったのです!と公表しちゃいましょうね。

長くなったので次回に続きます…