究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、皆さまはスマートフォン、使っていますよね?最近はIphoneに限らずあらゆる機種でカメラ機能が高性能化されていますね。
つい先日、職場のある方からカメラの相談を受けて「やっぱスマホじゃ駄目なの?」という質問をいただきました。同じような質問は過去にいろんな人から頂いたのですが、これは一言では回答できない質問です。
決してスマホではだめですとは言えません。確かに最新のIphoneなどは画質面だけでなく階調表現なども豊かで、仕組みは分かりませんが一眼レフで絞り開放で撮ったような背景のボケた写真まで撮れるようです。
バイク用のカメラとして何を買えば良いですか?という質問も同じなのですが、どんな写真が撮りたいかによって回答は多様に存在します。今回はスマホでは苦手なシーンを例にして解説してみたいと思います。

まずこちらの作例をご覧ください。私が普段愛用しているキャノンの一眼レフカメラ EOS6D Mark2に望遠ズームレンズを装着して撮ったR1200GSの写真です。注目していただきたいポイントは背景に鎮座している富士山の大きさです。
撮影地は千葉県鋸南町ですので実際には富士山は遠いです。撮影場所は広い駐車スペースでしたので下がれるだけ下がって望遠レンズの効果を利用し富士山をぐっと引き寄せた写真なのです。
またバイクが主役の写真ですので富士山は大きく切り取ったとは言え、あくまで背景ですので絞りを解放にしてボカしてみました。
この写真は1枚目のEOS6D Mark2で撮った写真と同じポイントからIphone7で撮った写真です。実際には富士山は遠く、撮影場所はとても広々しているのが、この写真でお分かり頂けると思います。
そして画質に注目してください。ともするとこの写真もレンズを交換しただけでEOS6D Mark2で撮ったのですよ、と言っても多くの人は疑わないかもしれませんね。それくらい画質面できれいに撮れていると思います。
ではこのポイントから今度はIphone7で1枚目の写真のように望遠で富士山を引き寄せて撮ってみるとどうなるでしょうか?
カメラアプリの画面をピンチアウトさせて望遠にして撮ってみました。どうでしょう?明るい場所の写真なのでパッと見では大きな違いがすぐに分からないかもしれませんね。
しかしこの時点で分かる人が見ればすぐ分かるほど、誰もが許容しがたい画質低下が発生しています。
分かりやすいよう、この写真を局所的に拡大してみます。
これでどなたでもお分かり頂けると思います。単に粗いというだけでなくボヤけた感じで明瞭さもありませんし、こういった感じだと階調とか空気感などほど遠いレベルです。どうしてもカメラのように光学的に望遠できないデジタルズームのスマホはこうなってしまうのです(これから登場するスマホは進化するのかもしれませんが)。
そしてEOS6D Mark2で撮った1枚目の写真のようにバイクにピントをガチっと合わせて富士山はボカすといった芸当もかないませんでした(最新のIphoneなら可能かもしれませんが)。
ここで言いたいのはまず1つ目としてスマホのカメラ機能が苦手なのは望遠域であるという事です。逆に言ってしまえば望遠は一切しないよ!という方には問題になりません。
2つ目として逆光です。特に太陽が画面内に入ってくるような強烈な逆光で撮りたい場合にもカメラとスマホでは大きな差が発生します。

これはEOS6D Mark2で撮った作例。
これを全く同じ場所でIphone7で撮ってみたところ…
多くの方が不快と感じるであろうゴースト、フレアが発生し全体的に許容しがたい画質低下を招いてしまいました。
「スマホではダメなの???」この質問に的確に答えるのであれば、望遠を使って空間を圧縮したような表現を使いたい、逆光でも臆せずレンズを向けドラマチックな表現がしたい、あるいは暗いシーンで天の川や流星も撮りたい、といった具合に撮りたい写真への願望が具体的であれば「いや、スマホじゃきびしいですね」と言い切れます。
バイクツーリング用としてスマホじゃ駄目?では「バイク用…」と言われてもどんな写真が撮りたいのか具体的ではないので「スマホでも良いのかもしれませんね…」としか言えません。
今回はスマホの苦手な部分を取り上げて解説しましたが、逆に一眼レフやコンデジでは無理でスマホだからこそ撮れる写真というのもあるので、機会があったらそれを解説してみたいと思います。スマホのカメラ機能ってアイデア次第ではすごい写真が撮れる可能性を秘めていると思いますので!
今回はこの辺で!
~本日の毎日100ショットスナップ~

自宅の近所に咲いていた赤紫色のスプレー菊です。この時うっかりRICOH GRを持ち歩いていなかったのでポケットにあったIphoneで撮ってみました。