究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、5回にわたってツーリング写真における光の使い方を解説してきましたがいかがでしたか?
ツーリング写真、バイク写真といえば基本は屋外の風景写真となるわけですが、その場合の光源は当然ですが太陽光です。太陽は時間帯、天候、季節などによって角度や強さや色温度などが変化するものです。晴天時に空に流れる雲があったら太陽は雲に隠れたり出たりを繰り返し、そのたびに光量や特性が変化します。
またこれらの太陽光によって明らかにされる情景の様子とは、必ずしも肉眼で見える様子がそのまま写真になる訳ではありません。人間の目はカメラよりもダイナミックレンジ(明るさの範囲)が広いですし、ホワイトバランスについては眼球はかなり優秀なAWB機能を備えています。

ツーリング先で撮りたいと思ったその情景、カメラを向けたその先が斜光なら斜光を生かした撮り方、逆光なら逆光を生かした撮り方、曇天なら曇天の特徴を生かした撮り方をするしかありません。当たり前ですが太陽の向きはスタジオ照明のように自分の意志で動かすことはできないのです。
もしどうしても、そのシーンを逆光で撮りたいとか斜光で撮りたいと思ったら、これはもう出直すしか他に手段がないです。ここでいつもぶつかる問題なのですが移動を繰り返している旅の行程ではコレができないです。しかし自宅の近所でしたら時間帯や天候を狙って出かけることが可能です。天の川の写真なんかは典型的な例です。
この両者は撮りに行った写真か、本物の旅のワンシーンの写真か?の違いです。もし後者にこだわるのであれば出直しや撮り直しはきかない訳ですから、その時の与えられた条件でベストを尽くせる力を身につけなければいけません。成功すればこれぞ本物のバイク旅のシーンだ!と思える傑作が生まれるでしょう。前者でも吝かではないという方は、いかにも撮りに行った写真という感じにならないよう演出のセンスが要求されます。深い話ですけど…これは避けられない事実です。
あっ初級者向けに書いていたはずの投稿が最終的にマニアックになってしまいました…すいません。
今回の解説ではツーリング写真において主に太陽光が光源となる場合の、光の向きや種類の特徴を知り、それらを生かした作品つくりの手法や例を解説しました。写真にとって光は命です。シーンや被写体ばかりに気をとられずに今、どのような光がどのように当たっているのかを意識して撮るようにしてみてくださいね。
~本日の毎日100ショットスナップ~
