究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回の投稿でズームレンズのお勧めの使い方をご紹介しましたが如何でしたでしょうか?
ズームレンズは単焦点レンズと比較して大変便利なのは間違いありません。特に複数本のレンズを持ち出しにくい我々ライダーには重宝されます。単焦点レンズを何本もそろえる事に比べたら経済的とも言えます。しかし使い方を間違いえると上達の妨げになってしまうのはお分かりいただけたでしょうか?
お店や雑誌では「初心者の方にはこのズームレンズがお勧めですよ!」といって18-300㎜とかトンでもない高倍率を勧める人がいますが、これってヒドい話ですよね。高倍率はある意味で上級者向けだと思うのですが、お店はお客さんに上達されると何か困ることでもあるのでしょうか…。
さて今回の究極のツーリング写真解説では、そんなレンズのお話の流れです。私が現在愛用しているレンズのご紹介と、どのような理由をもって選べば良いのか?というレンズ選び方のお話をいってみたいと思います。
当ブログ 究極のツーリング写真では写真を撮るときにカメラの電源を入れる前に、まず頭の中でどんな風に撮りたいかのイメージを想像しましょう、という話を何度もしてきました。実はレンズ選びもこれと同じ考え方です。空や海など広がる風景が好きだからこのレンズを買った、次のツーリングでは道をテーマに撮りたいからこのレンズを持って行くぞ!といった具合に【想像に描く作品】が具体的なほどレンズ選びは明快になっていきます。
それでは、まずは広角側からご紹介していきます。
・キヤノン EF14㎜F2.8LⅡ USM
超ワイドな広角単焦点レンズ CANON EF14mmF2.8Lの2型です。キャノンの高級レンズシリーズ【L】で定価307000円とお値段も高いです。私は写真をはじめた2005年くらいに初期型のEOS KissDと一緒に何を勘違いしたのかSIGMA AF14㎜F2.8 ASPHERICAL EXという14㎜レンズを中古で購入してしまい、その流れでキャノンEF14㎜F2.8Lの1型、そして現在の2型と買い替えてずっと14㎜を使用してきました。
SIGMA AF14㎜F2.8 ASPHERICAL EXを使用していた頃から、この超広角域では逆光のシーンも多いなと感じ、コーティングも含めた光学性能に優れる純正EF14㎜F2.8Lに買い替えたのです。
今になって考えると逆光時のフレア、ゴーストあるいは収差といった特性も表現の1つとしてアリだな…と感じるようになったので、今になってもう一度シグマAF14㎜F2.8 ASPHERICAL EXを使ってみたいな、とも感じますが現在ではSIGMAからは大変優秀なARTシリーズとしてSIGMA14㎜F1.8DG HSMまたはSIGMA14-24㎜F2.8DG HSMが発売されているので、試すならコチラなのでけどね。
しかし14㎜といった魚眼レンズのようなワイドさです。歪みも発生するので基本的にはバイクや車といった人工物が登場するシーンには不向きといえます。ツーリング用、バイク写真用としてオススメできる広角レンズの限界は一般的に考えて24㎜あたりだと思います。
私の場合は個人的な趣向で思いっきり広がり感のある写真が好きで、その上でバイク米粒構図もいとわない(バイクを小さく写す分には歪みは気になりません)ので14㎜を飛び道具的に愛用しております。
もちろん星空の元にキャンプサイトといった星景写真でも活躍するのは言うまでもありません。

このように広がり感を表現するには最高ですが、歪みの処理をどうするか?少しでも下を向けると自分の影や足が写ってしまうなど扱いが難しい面があるのも確かです。
キャノン純正EF14㎜F2.8LⅡ 高いですが中古相場は12~15万円くらい。1型でしたらもっと安いです。中古のタマ数が少ないのを見ると需要自体が少なくて、それだけでも特殊なレンズであると判断できます。そう考えると数十万円は対価として見合わず、最近ではNEEWER、SAMYANG、中一光学といったお求めやすい価格のチャイナブランドを選ぶ人も増えたようですね。とても賢い買い物だと思います。
・キャノン EF35㎜F2 IS

実は今年の春頃に今まで愛用していたSIGMA35㎜F1.4 DG ARTからキャノンEF35㎜F2 ISに買い替えたのですが、とにかくこの35㎜という画角は私にとって非常に出番の多い画角でして仮にレンズは1本だけしか持っていけない!という条件が発生した場合は私ならこの35㎜を持っていきます。
シグマのARTシリーズは純正レンズの存在を脅かすほど高い描写性能を誇る、非常に優秀なレンズですが自分が撮りたい写真に対して必要な性能か?を冷静に問い質してみると、最近の私の趣向では高画質すぎて逆に不自然とか収差があっても悪くはないとか天邪鬼的に考えることも増え、そもそも35㎜で撮るシーンについては絞り込むことが多くF1.4まで開く出番は少ないというのが買い替えの理由でした。
キャノンEF35㎜F2 ISはレンズ内手ブレ補正機能の付いた広角単焦点レンズで、Lレンズではありませんが定価は83000円と割とお高いレンズではあります。ちなみに解放値などのスペックは異なりますが高級なLレンズであるEF35㎜F1.4L Ⅱは定価285000円と何と20万円以上も高いです。
そして決定的なのは写真でもお分かりの通り解放の明るい高級レンズと比較すると、とても小型軽量なのです。

このように旅先で出会った被写体を撮るときに活躍するのが35㎜です。漁船、樹木、花、ヘルメット、オブジェ、もちろんバイクやライダーなど、特定の被写体を主題として画面構成するときに背景となる範囲が丁度よく寄りやすいのですね。
そしてこのような撮り方をするときにパンフォーカスを狙う場合が多いので、絞り込んで使う訳ですが当然絞り込むとシャッター速度は遅くなるので、手持ち撮影の場合は手ブレが発生しやすくなります。そこで重宝するのがEF35mmF2 ISの手ブレ補正機能(シャッター速度換算で4段分)ということです。
ちなみに35㎜ならどうしてもF1.4が欲しい!しかし予算は最小限に抑えたい、という方にはサムヤン製35㎜F1.4でしたら実売で7万円前後、しかも性能もかなり好評みたいですよ。
この投稿は長くなりましたので次回に続きます
~本日の毎日100ショットスナップ~

リコーGRといえば新型のGR3が発表されたようですね。個人的にはGRデジタル時代くらいに小型化してほしいのですが…本体サイズは現行GRと変わらないようです。