挫折した人、必見!やさしいカメラの露出解説 シャッター速度編

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さて 前回の続きでございます。

究極のツーリング写真流に写真の露出について、その仕組みや実際の撮影シーンにおける使い方を解説しております。

露出は多くの解説本や写真教室で最初に教わる写真の基礎ですが、いざカメラを持ってツーリングに出かけて、教わった知識を実践でどう使っていいのか悩んだことはありませんか?

撮影地ではまず頭の中にそのシーンの理想的な写真のイメージを作って、それを実現させる手法として露出や構図を考えるものですが、この最初のイメージを作っていないと知識だけあっても何もできないものです。

 




 

前回は写真の明るさの観点での露出の話と露出補正の話をしました。今回はシャッター速度について解説してみたいと思います。

EOS1Dx + EF14mmF2.8L F16 1/30 ISO250

人間が目でみている世界は3次元の動画のようなものです。しかし写真はシャッターを切った瞬間に2次元の静止画となりますので、失われたのは奥行と時間です。

写真とはこの奥行や時間(を予感させるもの)を何らかの手段で取り戻すことができれば良作への鍵となる訳です。これは必ず必要な訳ではありませんが作品を表現する手段の一つとして使えるように習得しておきましょう。

上の写真はライダーの走行中の視線を再現した走行写真です。秋の紅葉した舗装林道でオートバイが空間を駆け抜ける爽快感を表現した写真です。舗装林道なので速度はせいぜい20~30キロですので、「駆け抜けているスピード感」を表現するにはどうしたら良いでしょうか?

これがシャッター速度をコントロールする考え方です。伝えたいことに「スピード感」「瞬間」といった時間的な要素が存在するとき、あるいは静止画である写真に時間を与えたい時に使うのがシャッター速度の調整です。

シャッター、それは真っ暗なカメラの中に外の光を取り入れる幕のことで開いたり閉まったりします。開いていた時間が長いほど多くの光を取り入れ、動いているものはブレます。

逆に早いシャッター速度で一瞬しか開かなければ光の量は少なく、素早く動いている被写体も肉眼では見えないような瞬間として捉えることができます。

一眼レフやコンデジの上位機種にはこのように撮影モードがダイアルで切り替えられるようになっています。Aはaperture(絞り)のことで絞り優先モード、Sはシャッター速度優先モード、Mはマニュアルモードでシャッター速度も絞りも撮影者が決定する(カメラに評価測光させない)、Pはプログラムオートで画質の観点で最適なシャッターと絞りをカメラが決めてくれるモード。

 




 

撮影者の意図でシャッター速度を調整したいならS(キャノンならTV)シャッター速度優先モードを選びます。もちろんマニュアルでもシャッター速度を任意に設定できますが、この投稿では初級者の方が対象なのでマニュアルモードの説明は割愛いたします。

シャッター速度を撮影者の意思で決めるシャッター速度優先モード。写真の明るさを決める露出はシャッター速度と絞りの2者で決まるので、シャッター速度を撮影者によって決められてしまった場合、明るさを決めるのはカメラの評価測光による絞り値になります。

上の紅葉の走行写真であれば私はシャッター速度優先モードで1/30に設定しました。すると写真の明るさを決める露出は絞りに委ねられます。カメラの評価測光は1/30と指示されたシャッター速度に対して、適切と思われる絞り値はF16と算出した訳です。

ここまで書いたことは実は既に知っている…という方も多いと思います。多くの解説書や写真教室で教わると思いますし、そもそもカメラの取扱い説明書にも載っていると思います。しかし大切なのはこの先の話…

リコー GR APS-C

 

どのくらいの速さで動くものが、どのくらいのシャッター速度の設定でどのような感じでブレるのか。あるいは瞬間を作れるのか?コレがすごく重要なポイントなのですが…ゴメンナサイ!こればかりは言葉で説明できないのです。

例えば60㎞/hで走っているバイクを1/80で流し撮りすると、背景はどんな感じでブレるのか?とか、風でなびく草をイメージ通りにブラすにはシャッター速度はいくつ?とか、何度も撮って感覚として身に付けていくものなのです。

10m先にある的にボールを当てるには、どれくらいの力加減で投げれば良いのかを言葉で説明できないのと同じです。

シャッター速度に限らず絞りも感度もレンズの焦点距離も全て感覚として覚えてください。そのためにはたくさん撮って経験を重ねる以外はないです。

シャッター速度の感覚は絞りや焦点距離に比べれば簡単な方だと思います。ぜひたくさん撮って「おっ、間もなく電車が来るな!1/20くらいで切ってスピード感を出して撮るか!」とすぐに数値が頭に浮かぶよう感覚を身につけてくださいね。

次回は究極のツーリング写真流 露出解説の絞り編です!

 





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