実は上級者ほど縛られている?知識や経験からの呪縛<上級>ツーリング写真

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いつも当ブログを見ていただき本当にありがとうございます。

いつも楽しみにしている方、本当に感謝です。別に楽しみじゃなけど役立つ情報がたまにあるから見に来るよ!という方も、あまり好きじゃないけどつい見にきちゃうんだ、という方もありがとうございます!!

そして初めて究極のツーリング写真を見に来ていただいた方、当ブログはツーリング写真を極めてバイク旅の魅力をひろめていきましょう、という趣旨のブログでございます。かっこいい愛車自慢の写真、ツーリングの記録としての記念写真。それらも素晴らしいですが発表する範囲が限られてしまいます。

究極のツーリング写真では愛車自慢やツーリングの記念写真とは違う、バイク旅の魅力を伝える作品作りを目指しております。オートバイの素晴らしさを知らない人々、またはかつて乗っていたけど忘れかけた人々に「バイクの旅は素晴らしいですよ」というメッセージを発信できるような、そんな写真の撮り方を解説しております。

 




 

さて今回は久しぶりに<上級>ツーリング写真解説として、知識や経験が邪魔をして表現の可能性が制限されていないか今いちど見直してみましょう、という内容でございます。

解説に使用する作品は2018年の8月に行った北海道ツーリング 宗谷丘陵の白い貝殻の道の写真です。

白い貝殻の道とは北海道の宗谷丘陵(大半は牧草地帯)にホタテの貝殻を細かく砕いて砂利の代わりに敷き詰めた道のことで、真っ青な空と緑の丘陵地帯に映える純白の道が、まるで絵葉書の世界のようで近年になって北海道を旅するライダーの間で人気なのです。

 

EOS6D mark2 + EF70-200mmF2.8L F25 1/13 ISO100

今年の8月の北海道も天気は不安定で行程の半分以上は曇天か雨でした。それでも災害のような天候に合わなかっただけラッキーだと感じますが、やはり晴れて欲しいなぁと望むのはライダー共通の願いですね。

この写真を撮った日、おっ今日はいよいよ夕日が見れそうだな、と思いキャンプ場には戻らず思い入れの深い宗谷丘陵へとR1200GSアドベンチャーを走らせました。

夏の北海道ツーリングで夕日の時間といえば18時半から19時です。通常ならキャンプ場に戻って夕食の支度か温泉へ、宿なら部屋でゆっくりして食事の時間ですよね。しかし人と違った風景写真を手に入れるには人と同じ時間に行動してはいけません。

夕食や温泉をどうするかは後で考えるとして、優先すべきは最高の時間帯をどこで過ごすかです。

と、言いながらも実はこの時は少し失敗していて宗谷丘陵の風車地帯でスポットを探していたら時間を浪費してしまい、やはり白い貝殻の道で撮ろう!と思い向かった頃には時刻は18時をとっくにまわっていました。

この場所に着いたとき、さすがに少し焦りました。直感的にこの美しさは既にピークだと分かったので、どう撮るかをあれこれ考える時間はないな!と思ったのです。ただしこのシーンの最大の魅力は単純明快で美しい夕日に照らされた貝殻の1つ1つが輝きを放っていたこと、もうソレ以外はないな!と感じました。

という事で不幸中の幸いで悩むことなく数秒で頭の中でイメージを作ってキャノン望遠ズームレンズEF70-200mmF2.8LⅡを取り出しました。この光景が本当に美しすぎて不覚にも込み上げてくるモノがありましたが、感情に潰されると思考が鈍るのを知っているので冷静さを保ちました。

白い貝殻の道は夕日に向かって美しいS字曲線を描いていて、最も美しく輝く理想的なアングルはややハイアングルでした。太陽光の入射角度に対して反射する白い貝殻の道の臨界角を考え強く輝く角度を探るのですが、そんな理屈などは実はどうでも良く、「あぁ綺麗だなぁ、本当に綺麗だ」と言葉に出したり、作品タイトルを考えながら撮る方が重要だったりします。

 




 

実は太陽よりも上のポイントには青い空も美しく残っていて、赤く焼けている部分とのコントラストも素晴らしかったです。しかし輝く道の存在を絶対的にするため太陽から上の空は潔く削ぎ落してみました。

ここまでは特段なにもしていない普通の構図です。ここで納得してシャッターを切っては面白くありません。「あと何をすれば良いかな?最高のシチュエーションを逃したくない、まだ何かやりたい!」そう考え、目一杯に絞り込んでピントピークをうんと手前にして貝殻の様子を強調してみました。

キャノンEF70-200㎜F2.8LⅡレンズの最小絞り値であるF25まで絞り込みました。絞り込んでピントピークを被写体の手前にするパンフォーカスとはまた違った表現手法です。

ここで写真について詳しい上級者の皆さまなら既にお気づきだと思います。そう、絞り込んで撮ると回折現象(別名 小絞りボケ)という画質低下を招くのです。具体的には少しボヤっとしたシャープさに欠ける画像になります。この写真にも起きています。絞りんだ割には遠景がやたらボヤけていると思いませんか?

回折現象とは絞り羽の裏側に光が回り込んだことにより発生する光学的な現象であり、一般的にセンサーサイズが小さいカメラで顕著に画像に出やすいと言われます。そして特に逆光で発生しやすいとも言われます。

このシーンではド逆光ですが、センサーサイズは35㎜フルサイズを搭載しているEOS6D Mark2です。しかしフルサイズセンサーのカメラが回折現象を気にしなくてよい限度はF16くらいだと思います。F25で画面内に太陽があるド逆光なら回折現象は避けられません。

こういった時、知識としてソレがあると「これ以上絞ったらダメだ」と決めつけてしまいがちです。不思議なことに人間は真面目なのか教わったことを無意識に絶対厳守してしまう癖があるのです。

回折現象なんて出ていいから手前の貝殻の様子を強調したいんだ!という選択肢が持てるよう自らの知識や経験に縛られず思い切った撮り方ができれば素晴らしいですね。(もちろんこのシーンの場合、絞りを開いて輝く貝の道をボカすのもアリですが、この時は絞り込んでその様子を明らかに表現してみました)

つい縛られてしまう…。一般的な写真に関わる話は回折現象に限らずたくさんあります。例えば逆光ではゴーストやフレアが出てしまう、風景に海があったら水平にすること、感度を上げるとノイズが多くなり画質が悪くなる、三脚を使わないと手ブレを起こしてしまい失敗写真を生んでしまう…などなど、他にもたくさんあります。

もちろんこれらは大抵の場合は正しい知識で守るのが原則と言えます。しかし全ての撮影シーンで絶対的に守らねばいけない!というのは少し勿体ない話です。レンズゴーストやフレアが出たって作者が気に入って演出として使えばOKですし、感度を上げ過ぎてノイズが多くなってもソレより大切な事が写っていれば良いではありませんか。

極端な例えですがどこにもピントの合っていない写真や手ブレしたから良い雰囲気になった写真とかも決して珍しくはないのです。

大切なことは知識や経験に基づく写真に関わる様々なことは、大切ですが縛られてはいけないということ。時として全く無視して大胆にカメラを使ってみましょう!というお話でした。

う~ん、難しくて訳が分からんなぁ~と感じた方、ネットやHowto本とかには、なかなか出ていない珍しいネタを見たな…程度に感じて頂ければよろしいかと思います。

それではまた!

 





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↓↓↓撮影地↓↓↓

究極のツーリング写真では何度も登場しているお馴染みの撮影地ですが、北海道宗谷丘陵の白い貝殻の道です。私の個人的な予想なのですが、もう何年かすると悪い意味でもっと観光地化されるか、色々と問題が起きて立ち入り禁止になるかなど予想されます。行ったことの無い方はお早めにどうぞ!