BMW R1200GS 空冷モデル はじめての扱い方 R1200GS その2

Pocket

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、以前に空冷モデルのR1200GSのはじめての取り扱いについて投稿しましたが、今回はその続きでございます。

前回の投稿 1.レバーサスペンションと2.エンジンオイル管理はこちら

2013(2014登録)BMW R1200GS ADVENTURE サンドローバー×アルピンホワイト




3.クラッチの取り扱い

R1200GS空冷モデルのクラッチは4輪のMTと同じで乾式単盤クラッチです。大きなクラッチカバーに1枚のディスク。故にクラッチの扱い方も4輪のMT車と同じようになります。なので無意味な半クラッチはご法度です。

停止状態からの発進はアイドリングの回転数から慎重にミートさせ、回転を無駄に上げないようアクセルを少しづつ開いて繋いで発信します。

極低回転のトルクが細い中期型には二重苦ですが、1000キロも乗り回してしまえば大丈夫です。慣れの問題と言っていいでしょう。

半クラッチを多用したり発進時にラフにつないでいるとどうなるか?ディスクの摩耗が早く交換時期がすぐにきてしまいます。メーカー推奨でおよそ6万キロ。ツーリングや高速道路走行が多い人は8~10万キロ。なおかつクラッチミートが上手な人が扱えば20万キロ持続した例もあるそうですよ。

しかし、無理はしないでくださいね。例えばダートでのギャップ通過、Uターン、急斜面での発進などは例外として半クラッチは使いましょう。クラッチを労わってエンストしてバイクを倒してしまわないように…。

4.スポーツ走行について

レバーサスペンションの説明の項にて、とにかく良く曲がるバイクでバンクしすぎないよう起こしながら走らせるのがコツと書きました。本当によく曲がるバイクで峠道でも良いペースで走ってくれます。私もR1200GSを購入した10年前はよく関東圏の名だたる峠に持ち込み、その素晴らしいコーナリング性能を堪能したものです。

しかしネットで検索するとR1200GSについてこんな事が書かれているのを見かけます。「気が付いたら転倒していた!」これは攻めすぎが原因と思われます。R1200GSはサーキット走行のような限界付近まで攻め込む乗り方には向いていません。破綻する直前のインフォメーションが希薄だからです。

安定がよく限界が高いとコントロール幅は狭くなるものです。R1200GSは水平対向エンジンによる低重心やシャフトドライブによるジャイロ効果、テレレバーサスペンションによる高いサスペンション剛性で優秀なスタビリティを誇ります。しかし、攻め込んだことによりそれが破綻するときは、通常のバイクならあるはずの前兆がほぼ感じ取れないのです。

峠やコーナーのあるところは「速いけど攻めない」覚えておきましょうね。




5.エンジンの常用回転数

R1200GS、ここで解説している2004~2011年までの空冷モデルですが、空冷エンジンとはエンジンが万一高温になった時を想定して、各部のクリアランスは大き目にとってあるものです。これがないと熱膨張によって可動に必要なクリアランスが無くなってしまうのです。

しかし暖機が十分でない時はクリアランスが広いためブローバイガスが発生し、それが燃焼室に混入してしまいます。空冷エンジンの冷温時の排ガスが環境によくないのはこのためです。よって現代の厳しい排ガス規制に空冷エンジンが適さない訳ですが、排ガスが汚い以外にも弊害があってヘッド周りにカーボンが蓄積してしまうのです。

ヘッド周りにカーボンが蓄積するとノッキングや回転フィールの低下など、さまざまな不調の原因になります。

後期型は新車時にタコメーターの6000回転の位置に目印のシールが貼ってあります。最低でもたまにはコレくらい回してくださいね、という意味だそうで高回転をたまに使うことでカーボンの蓄積は予防できるようです。

お勧めは高速道路の走行時に5速ギアで10分ほど巡行させる。これにより湿ったヘッド周りがすっきり綺麗になるはずです。燃焼室クレンザーなるケミカルも売っていますが私は使ったことがないので効果は確認しておりません。

街乗りや通勤で使う人は低回転常用が多くなると思います。BMWの母国ドイツではアウトバーン無制限区間は言うまでもなく、制限区間でも140km/hのドイツですから日本の道路事情による使用環境とはかけ離れています。オルタネーターの発電量も国産車であればアイドリング付近でも充電状態ですが、BMWの場合はある程度のエンジン回転数まで上げないと十分な充電状態になりません。

通勤や街乗りでグリップヒーター、ヒーターベストの電源、補助ライト点灯などバッテリーに負担をかけていると、走っているのにバッテリーあがりなんて十分あり得ますので気を付けましょうね。

今回はこの辺で!!





にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング