あなたをインチキ呼ばわりする者をスマートに無視する方法

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今日から8月ですね。もう暑いのは仕方ないとして台風とか豪雨とか地震とか噴火とか勘弁してほしいですね。これは神様にお願いしてもダメでしょうか…?

さて今回の究極のツーリング写真 <中級>ツーリング写真解説では上達を重ねていく上でいつか受けてしまう、あなたの望まない反応「それってインチキではありませんか?」とまでハッキリ言われることは稀ですが、つまりそういった意味の反応を受けた時の対処方法でございます。

例えば望遠レンズを使って風景を圧縮した、見た目の明るさよりも明るく撮って柔らかさを表現した、シャッター速度を遅く設定しブラしてスピード感を出した、モデルに笑ってもらうよう頼んだ、レタッチでコントラストを調整した…まだまだありますが、これら写真に関わる演出の裁量のお話です。

ブラしてスピード感を出すって演出なの?とお思いかもしれませんが、聞いた話によると何十年も前に誰かが最初に流し撮りをやったとき、偉大な写真家の先輩方は声を揃えて「邪道な演出だ!」と叩いたそうです。今では信じられませんが…。

EOS6D mark2 F11 1/800 ISO100

この写真は漁港での夕日のシーンですが、輝く海面の様子を主題にした作品です。海面の存在を絶対的にするため、遠景の漁船や近景はシャドウにつつみ、車体はフロント1/5を削ぎ落しました。

今回の話題である演出の裁量ですが、この作品の場合は露出にあります。と言いますのも実際のこの場所の景色は海面は少し眩しいと感じる程、太陽が強く反射をしていたのですが、かなりアンダー方向にふって撮ってみました。これにより海面の複雑に織り成すゆらめきと銅板色のような濃いゴールドを表現したのです。このシーンを現実の明るさに忠実に撮ると海面のハイライトはとんでしまい、色も薄くなります(それはそれで良い場合もありますが)。

さあ、ここで考えてみましょう。露出をこのように設定したことにより、実際の景色とは違った写真にしてしまいました。これを自由な表現ととらえるか?いやこれはダメでしょう!と捉えるかが演出の裁量ということです。

「えぇ~それくらい良いんじゃないの?!」と多くの方が感じると思います。しかし世には意外なほど完全ナチュラル推進派が存在していて、ある日そういった方々からあなたの望まないようなコメントを受けてしまうものです。そういった時はどうしましょうか?まずはどんな人なのか?SNSであればプロフィールやタイムラインを見てみましょう。

もしその人が「おっすごい、素敵な写真を撮る方だな」という方だったら、演出の考え方について、あなたよりもナチュラル寄りだったという事です。そういう考え方もあるんだな、と参考程度にしましょう。




もし写真を趣味なり仕事なりで何らかのライフワークにしていない、つまり写真をやっていない人が、あなたの演出にもの申しているのであればコレは完全無視で大丈夫です。素人ほどインチキであると疑いたくなり、それを撮影者に言いたくなるものです。素晴らしい作品を目のあたりにすると、それが人が撮ったものだと心のどこかで信じたくないのでしょう。

 

EOS6D mark2 F2.8 5SEC ISO500 真っ暗闇の海岸 色あいを緑に調整したもの

よく「写真とはインチキである」とおっしゃる方がいます。これは現実の風景や被写体を忠実に表現したものではなく、望遠レンズを使ったり目で見た明るさと違った明るさで撮ったりという演出のことを「インチキ」と呼んでいるのです。そしてそういったインチキは避けては撮れない!だから写真とはインチキなのだと。

実に分かりやす例え方ですが私個人としてはあまり好きになれない表現です。それではまるで写真を撮った人がインチキ人間みたいで嫌です。

あくまで自由な表現の手段である、そう考えたいですね。




完全ナチュラル推進派も演出テンコ盛り派も、どちらも否定されるべきではないです。両者が存在しているからこそ自由を許された芸術なのだと思います。

重要なことは自分の中で写真の演出についての考え方をしっかり持つことです。私の場合は旅をするライダーを見立てて自分の姿を撮ることも、14㎜や600㎜といった現実的な画角からかけ離れた画角で撮ることも、自分の中で表現したい写真を生む1つの手法として考えています。誰かに「アホではないか」と言われても変えるつもりはありません(誰もそんなこと言いませんが)。

そしてもう1つは他人が自分とは違う考えで撮っていても、それが気になってもスルーです。決して他者を否定しない。これすごく大事です。確かに悪趣味だと感じる写真はあるかもしれませんが、その言葉は心に仕舞って表現は自由なのだと寛容に考えましょうね。

1950年 アメリカのLIFE誌で有名になったロベール・ドアノーの「パリ市庁舎前のキス」という名作があるのですが、発表当初は一般のカップルがキスをする瞬間を自然にとらえた1枚として評価され、これこそ演出なきナチュラルな芸術写真であると話題になりました。しかし何年か経ったある日に、一般のカップルを自然にとらえた1枚なのではなく予めキャスティングした役者さんに写真のためにキスをしてもらった写真でした!とドアノーはカミングアウトしたのでした。これにはナチュラル写真支持派もきっと面をくらったでしょうね。





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~本日の毎日100ショットスナップ~

自宅のベランダから撮った夕景です。太陽が沈んだ焼け残りに露出を合わせて撮りました。実際の景色はもう少し明るいです。これは許される写真でしょうか?それとも許されない演出でしょうか??