究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、前回までにバイク写真のかっこいい撮り方を解説しましたが、今回はLightroomレタッチ編でございます。
・バイク写真のカッコいい撮り方 その1
・バイク写真のカッコいい撮り方 その2
前回までの解説に使用した画像で解説いたします。なおLightroomはadobe Lightroom CLASSIC CC を使用しております。
では、まずはRAW画像をLightroomに取り込んで現像モジュールを表示させたところから。
前回までの解説でバイク写真をカッコよく撮るためのポイントは、まずは背景選びとしてシンプルな空間を見つけましょう、というお話をしました。この写真の場合はひどく錆びたトタンの壁が気に入ったのでバイク写真を撮るのにピッタリだと思いここを選びました。
錆びたトタン壁だけが背景になるよう、これは撮影の時点でしっかりとフレーミングします。電気の配管やメーターなどが被写体(この場合はバイク)に重ならないよう注意するなど、これも撮影の時点でしっかり押さえておきましょうね。
問題はまず1つ目が地面です。白っぽくて綺麗な地面のコンクリートはどうもこの場所の雰囲気に似合いません。2つ目は光。割と強めの太陽光が日中のトップ光として真上から照らされています。これにより車体の上部はとんでしまいました。
せっかくのAdobe LightroomCCです。他のレタッチソフトにはない最も魅力的な機能、局所的な補正をふんだんに使っていきます。まずは補正ブラシツールを起動します。
強いトップ光によって飛んでしまった部分を選択します。選択した部分を赤く表示させるには画像左下にある”選択したマスクをオーバーレイ”にチェックを入れるか、キーボードのOを押します。
補正ブラシで選択した範囲を露光量マイナス0.73(-2/3段)にします。そしてここからがバイク写真ならではのレタッチ方法です。明瞭度を46とかなり強めにプラスしシャープネスも42まで上げました。車体のディティールをカリッとした印象に仕上げるためです。
次に先ほどとは逆に影になってしまい、暗く写っている部分を補正ブラシで選択します。
影になっている部分は露光量を明るい方向にプラスします。ここはやり過ぎると写真らしさが失われていきイラストっぽくなりますので注意しましょう。
車体のレタッチはこれで終わりです。ツーリング写真ではレタッチはやり過ぎると不自然になるので「やり過ぎ注意!」が鉄則ですが、バイク写真に限っては少々やり過ぎるくらいが丁度よい場合があります。
次に段階フィルターを起動します。
気に入らなかった白っぽい地面を選択します。
白っぽいのがイマイチなので露光量をマイナス0.90まで下げてコントラストを66と強めに入れてみました。ここでワンポイント。アスファルトやコンクリートのような地面については明瞭度を極端に上げるとザラついた質感が強調されてカッコよくなります。今回は思い切って全開の100まで上げました。(バイク写真のときだけ使ってくださいね、ツーリング写真や風景ではやらないこと…)
この辺でいちど作業中の画像をよく見て確認してみましょう。やり過ぎて不自然な部分はないか?見落としはないかどうか?
この写真の場合、錆びたトタン壁の存在がやや強すぎるかな?と感じたので再び補正ブラシツールを立ち上げてトタン壁の背景部分を選択します。
ここはさほど極端な調整はしないのでR1200GSのスポークホイールの向こうに見えている部分など、細かく選択する必要はありません。
トタン壁の存在感を弱める目的で明瞭度をマイナス55としました。これでメイン被写体であるR1200GSアドベンチャーの存在がより際立ちます。
次に効果の中の周辺光量補正を使います。今回はマイナス15とし画面四隅を暗くして視線の囲い込みを狙います。
~完成比較~


どうでしょうか。車体色がアルピンホワイトという色であるため、少しでも強い光が当たると飛んでしまいます。その部分を局所的に調整。影になっている部分を少し明るく起こし車体全体は明瞭度とシャープを上げました。白っぽいのっぺりした地面は暗くして明瞭度を全開にしザラつかせ、背景のトタン壁は少しボカしました。
車体の外装パーツのディティールや色が明らかになり、エンジンやマフラーの質感が高まったのがお分かり頂けると思います。
こういったバイクや車など無機質なもの、機械的なものは明瞭度とシャープをあげてカリっと仕上げると質感などが高まりカッコよく見えます。私の写真活動のメインであるツーリング写真ではほとんどやりませんけどね。
ご参考までに…かっこいいバイク写真の撮り方、Lightroomレタッチ講座でした!
~本日の毎日100ショットスナップ~

これも少し前に撮った写真です。場所は東京都中央区晴海。現在、オリンピック選手村の建設が急ピッチで行われていますが、環境の変化か鳥が急に大発生したり蛇が出たりで動物たちも忙しいようですね。