究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、今回はツーリング写真解説はお休みしてBMW R1200GS(空冷モデル)のタイヤのお話、主にオフロードタイヤ(ブロックパターンタイヤ含む)の各銘柄のリポートです。
写真解説を待っていた方、すいません…当ブログもR1200GSのお役立ち情報をたまにはアップしないといけない宿命なのです…。
まずレポートの基準ですがあくまで私個人の使い方によるものです。主にツーリング、峠道、舗装林道、高速道路、たまに砂利ダートの林道、長距離、雨天走行そして約2分山まで使った場合の持続(ライフ)のレポートです。
激しいオフロード走行、サーキット走行、急こう配や泥、砂のダート走行はしないのでレポートできません。
R1200GS(2004~2011)、R1200GS₋ADVENTURE(2006~2013)の空冷モデルは新車時の装着タイヤはブリヂストン バトルウイングBW-501・502、ミシュラン アナキー2のどちらか。輸入ロットによってメッツラー ツアランスも存在するかもしれません。
サイズはフロント110/80R/19 リア150/70/R17 のチューブレスタイヤです。
1.ハイデナウK60 Scout
トップバッターがこのタイヤなのは写真が一番マトモだから…。ハイデナウと言うと日本では馴染みのないメーカーですがドイツの会社でヨーロッパでは一般的なメーカーだそうです。ボクセルモトさんが輸入してくれたことにより、日本のGS乗りでは有名なタイヤになりました。
このK60ScoutはまさにGS用と言っても過言ではないオン&オフタイヤ(オン70%オフ30%くらい)で面白いのはラジアル構造ではなくバイアスタイヤであること。オフの割合を増やせば犠牲になるのは超高速走行ですが、日本にはアウトバーンのような道はないので法定速度厳守を前提に考えれば十分ですね。
とても固く重量のあるタイヤですが舗装路でのグリップは予想外に良好です。しかし固いタイヤなので冬場はしっかり温める必要があります。ノイズは他の銘柄のオフタイヤに比べれば格段に静かで許容レベルです。プロファイルの立ったタイヤでパッと見でワンサイズ細いタイヤに見える程です。そのためバンクの寝かしこみが早く、パタパタと倒れてクイックにコーナリングを開始する印象。もともとバンクさせやすいR1200GSに履かせると、コーナー中は意識してバンクを起こしながら走らせる感じです。
オフロードはリアのトラクションが抜群に良く、40キロ以下ならゴツゴツパターンのオフタイヤと大差ない性能です。ジャリダートでの林道ツーリングなら十分な性能だと思います。
ライフは私の使用方法で約14000キロで2分山となりました。
2.ミシュラン アナキーワイルド
割と最近になってデビューした後発のオン&オフタイヤです。パターンのデザインはブロック状のゴツゴツタイプでオフロード色が強い感じですが、ミシュランでは大陸横断ツーリングのような長距離を前提としたツーリング用オフタイヤと位置付けているようです。ブロックとブロックの隙間にスリップサインのように見えるリブはバンク時にブロックがよれないよう補強を入れているのだとか。
ラジアル構造で軽くコンパウントも触った感じでは柔らかいです。ハイデナウとは逆にプロファイルはなだらかでタイヤが若干太く見えるくらいです。
舗装路で乗った感じはロードノイズは覚悟していた以上に大きく、他に色々な銘柄のタイヤを装着した私の経験上で最もノイズが気になるタイヤと言えそうです。ここまで直進巡行中に「ウォーーーン」とタイヤがなっていると長時間走行ではライダーの疲労にも関係してくるでしょう。
舗装路のコーナーは前述のプロファイルの関係か、寝かしこみの反応は遅くアンダーステアです。ただこの反応の遅さに慣れてしまえば安定感は高くオフロード志向タイヤであることを忘れてしまうほどで、バンク中のブロックのよれる感じは皆無に等しいのは流石はミシュランと言わざる得ないです。
砂利ダートを走行する限り、よりオフロード志向であるTKC80やカルーに比較しても遜色ない性能で、のんびり林道ツーリングであれば空気圧を下げたいとも思いませんでした。
ライフは私の使用方法で約12000キロで2分山となりました。
3.コンチネンタル Twinduro TKC80
高級タイヤメーカーという印象のコンチネンタルです。ツインデューロの名の通りオン&オフタイヤという設定ですがハイデナウK60やアナキーワイルドほど両立していなく、オフロード寄りのビッグオフ向けタイヤです。パターンもシンプルなブロック状で見た目もカッコイイです。特にR1200GSならスポークホイール装着車、またはR1200GS₋ADVENTUREに装着するととてもカッコいいですね。
このタイヤ、見た目の印象とは裏腹にロードノイズは7分山くらいまでなら驚くほど静かで快適です。コンパウンドにも何か秘密があるのか雨天でのブレーキも安心感がとてもあります。はじめてオフロードタイヤを履く人には当然、違和感がありますが高速道路でも安定していますしR1200GSをGSらしい使い方をするという意味でベストタイヤと感じます。
舗装路のコーナーは程よくアンダーステアで寝かしこみはR1200GSの特性と抜群に相性が良いと言えそうです。ブロックがよれる感じも最小限です。
ダート走行は見た目の印象ほどは優秀とは感じませんが、それでもオフロードツーリングという意味では十分すぎる性能です。公式によるとセルフクリーニングに優れているとありますので、マッドが得意なのかもしれません。
ライフは私の使用方法で約8000キロで2分山となりました。
4.メッツラー MCE KAROO(T)カルーT
むかしからBMWといえばメッツラーという印象でした。私の以前の愛車BMW F650GSダカールでもメッツラーのカルー(Tはつかない)を愛用していましたが大変信頼できるタイヤメーカーというのが個人的な印象です。
さてこのメッツラー カルーTですがTKC80と同じような位置づけでオフロード使用の割合に重きを置いたオン&オフタイヤ。特徴的なのは中央のブロックでセンター寄りとサイド寄りのブロックを交互に配置し、いずれのブロックも中央にストレートグルーブを設けて雨天での排水性能を高めています。
舗装路での印象は6分山より摩耗するとロードノイズが大きめになってきますが個人的には何とか許容範囲と言えそうです。コーナリングは寝かし込み、グリップ共に可もなく不可もなくといった印象です。グリップは良好ですが深めのバンクになるとズルッズルッとスライドするシーンがよくありました。
ダート走行では非常にトラクションが良好でフロントも横に強い優秀なタイヤです。オフロード走行を最も好むユーザーが選ぶタイヤがカルー(T)ではないでしょうか。現在、メッツラーでは後継のカルー3が発売されていますが、オフロード性能という意味ではカルーTの方が上のようです。
ライフは私の使用方法で約6000キロで2分山となりました。
5.ミシュラン アナキー2 (おまけ)
R1200GSの新車装着にも採用されているアナキー2ですが、見ての通りオン向けのツーリングタイヤです。このような9割はオンロード向けというGSに適合するタイヤはツアランス(EXP、ネクスト)、ピレリー スコーピオントレール、ダンロップTR91、ミシュラン パイロットロードなどがあります。そしてこのアナキー2は舗装路の巡行、高速走行、ロードノイズ、そしてコーナー性能と、オフロード以外を考えると100点満点をあげたい優秀なタイヤです。後継のアナキー3があまり評判が良くない分、余計にこのタイヤが良く感じます。オフロードは行かないよ、という方にはオススメのタイヤですが現在も販売しているのかな…。
このタイヤは私の使用方法で約16000キロで2分山となりました。
既にGSオーナーの方で上記のようなオフロードタイヤを使ったことのある方でしたら「そんなに持たないんじゃない!?」と疑問に感じられたかもしれません。これはオフロード用タイヤであることを意識して、極力摩耗しないよう乗り方に気を使っているのです。オフロード用ブロックタイヤをなるべく長く持続させるコツは1.高速道路は100キロ厳守する 2.発進時に不必要に加速させない 3.停止時に止まる直前でブレーキを緩める といった簡単なことです。1は法定速度なので当然なのですが、仮に120キロやそれ以上のスピードで巡行させると、次のSAで休憩するときブロックが減ったのが見て分かるほど消耗します。2と3はとにかく丁寧に走らせることがポイントです。
その他、日本のシンコーというメーカーが最近話題で、私も気になったので購入してみました。まだ装着していないので、交換後にある程度走ったらブログで紹介させていただきます。前評判によると私の大好きなTKC80と同じ工場で生産しているとかで信頼性や性能も好評のようです。何より安い価格が魅力ですし試しに使って良ければ今後はずっとシンコーになりそうです。
それではまた!
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