究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、いい旅、いい写真を楽しまれていますか?つい先日、変わったバイクを見かけました。

これです。ホンダのNAVI110というGROMに雰囲気の似たシティバイク。興味深いのはエンジンがスッポリ無いように見える空間と、とても安い価格です。実売で10万円前後ですね…昨今のバイク新車事情を考えると破格です!インドホンダの東南アジア戦略商品といえ安すぎですよね。この価格ならホビー感覚で楽しんじゃおうか?いや意表ついていっそコレで旅に出るのも楽しいかもしれません。
欲しいと思うバイクが無く、あっても高くて手が届かない…そんな明るいと言えないバイク業界に明るい兆しを感じた1台でした。HONDAナビ110!
さて今回の<初級>ツーリング写真の解説は、何を撮ろうとか絶景を狙おうなんて話は置いておいて、まずは最高の光だけを狙ってみようぜ!というお話です。
良き写真に必要な要素は被写体を見つける、魅力を解明する、デザインや構図、焦点距離や露出などなど…あまりに重要な要素が複合的にからんできます。
どうしても最初の頃は頭で分かっていても同時に複数を実行するのは難しいものですね。ゴルフでもピアノでも最初の頃はまずは基礎的なこと1つを集中して練習しますよね。それと同じように光について集中してやってみましょう!という解説です。

こちらの作例をご覧ください。西伊豆 仁科漁港でのワンシーンです。漁船が佇む夕刻の静かな漁港。不安定な天気で強い西日の中、雨がけっこう降っています。以前も解説しましたがお天気雨とは最高の撮影シーンです。
目の前の光景、その全てが雨に濡れて輝きを放ち、雨粒に反射した光が空間全体を美しく演出してくれます。
旅先で良き写真を撮りたいと願えば、どうしても被写体や場所探しを最初に考えてしまいます。もちろん正しいことですが、ここでは何を撮るか?ドコで撮るか?に縛られず何でも良いしドコでも良いから、とにかく最高の光だけを求めてみましょう。
最高の光とは主に斜光線による空気中の分散光や散乱光、被写体に当たった反射光や透過光などにより景色がドラマチックになること、簡単に言ってしまえば夕刻か朝方の太陽光を使おうぜ!ということです。
朝早く出かけることが可能であれば、日の出の時間帯をチェックして朝の景色をシューティング、帰路が夜になっても大丈夫だという人は日の入り時間をチェックし夕方の光を狙ってみましょう。
上の作例では景色自体はそれほど撮影に適した場所とは思えませんでしたが、濡れた道路や漁船に光が当たっている様子が気に入ったので、光の存在が主題になるよう撮ってみました。コツは逆光や強い斜光であることを臆せず、積極的に露出補正を使って撮る事です。フレームの際で太陽を入れたり外したり、半分に切ったりすると光線やフレアをコントロールすることができます。

これは毎日100ショットスナップで撮った1枚です。仕事の帰りに駅ナカのカフェで撮った1枚ですが、窓際席で紫煙をふかす女性に夕方の光が美しく当たっているのを見逃しませんでした。私はタバコはやりませんが、この写真を撮るためにわざわざ喫煙席に座りました。
いかがでしたでしょうか?被写体探し、場所探しもとても重要ですが被写体+光、場所+光といった具合に同時に2つ以上は考えられない!そんな初心者の方に効果的な練習方法でした。まずは光だけを求めて出かけてみましょう。