究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、突然ですが今日という1日で世界中でどれだけの写真が撮られたと思いますか?もちろんスマホのカメラ機能なども含めて。
3憶ショット?5億ショット?それとも10億ショットとか???
デジタルカメラ、スマホのカメラ機能で誰でも気軽に、日常的に写真を撮る現代。想像もできない大量の写真が撮られ消費されるSNS時代。写真を撮りたいという欲望と写真を見たいという欲望。これらの行きつく着地点は果たしてどこなのでしょう。
こんな深い話を時代単位で考えていくと記録写真も芸術写真も境界が曖昧で、あらゆる分野が混沌として「写真」というただの二次元の瞬間に落ち着くのかな?そんな風に考えてしまいます。
そしてオートバイを題材にした写真、ツーリング写真の今後はどのように変化していくでしょうか。微力ながら私はその「ツーリング写真時代」へのシフトに貢献していきたいと願います。
さて今回の<初級>ツーリング写真解説では前回でも解説しました、写真とは主題を明確にすることが大切です!というお話の続きです。

こちらの作例をご覧ください。夕陽でも朝日でもない普通のお昼の時間帯に海岸で撮った1枚です。雲一つない快晴の青空は通常ですと撮影シーンとして歓迎されません。青空でしたら白い雲がプカプカと浮いている様子や、いわし雲やスジ雲など雲があったほうが画面内で魅力的に構成できるものです。
しかしこの場所では特に気に入った被写体を発見することもできず、空もご覧の快晴で撮影するにも「さて何を撮ろう?それとも帰るか?」といった感じでした。
そこで逆転の発想で当初はイマイチと感じた雲一つない快晴の空を、敢えて主題に選んで撮ってみることにしました。
青空が気持ちよかったので撮ってみました…なんて写真はよくあると思います。しかし空を主題にした写真ということであれば、少し大げさに見えるかもしれませんが、これくらい思い切って空を撮ってください。なぜなら大げさなくらいやらないと平凡になるからです。
そして注目すべきポイントはもう1つ。14㎜という超広角レンズで撮ったことにより、何もないと思っていた青空には実は繊細なグラデーションが存在していたことが明らかにされました。
そうこの写真の場合は主題は青空というスペースなのです。大げさなくらい、空の割合を多く撮ったことにより作品の主題を明確にし、そしてグラデーションの美しさを伝えることに成功しているのです。
構図は主題を明確に!なんて言われると主題とはどうしても特定の被写体、つまり「モノ」を考えてしまいがちですが、実はモノとは限らないんですよ。
この写真のように空だったり、光だったり、空気感だったり、風であったり、懐かしさであったり…。どうしても頭に先に思いついてしまう物を、いちど柔らかくして想像の幅を広げてみましょう。
それではまた!
~本日の毎日100ショットスナップ~

職場の最寄り駅にあるカフェの窓際席で撮った1枚です。都会の刹那を切り取ってみました。毎日100ショットスナップをはじめるようになって、ストリートスナップの魅力に憑りつかれました。写真家 森山大道さんの作品とか大好きですね。