究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、そして初めて当ブログを見にきて頂いた皆さま、当ブログはオートバイの旅、オートバイのある風景を芸術的写真にするための写真解説サイトでございます。
みなさんでツーリング写真、バイク写真という文化を盛り上げていきましょう。
さて今回は中級ツーリング写真としてフレーミングの解説です。そして余計な物を画面に入れず、デザインを際立たせるテクニックについて詳細に解説いたします。
まずフレーミングとは何ぞや?というおさらいのお話を。フレーミングとはカメラで撮る写真の画面、この長方形の四角を意識し、目の前の景色をどう画面内に取り入れるか?どこを画面の外へ除外するか?という単純なことです。しかしフレームという名の通り、より「枠」のことを考えて被写体を枠際で切り落としたり、あるいは枠外の様子がどうなっているのか?想像をかきたてる構成を作ったりと、かなり重要でかつ奥深いものです。

こちらの作品をご覧ください。毎度、私の大好きな漁港での撮影シーンです。船を係留するための杭(ボラードというそうです)を主題に画面構成しています。
デザインの要素から解説しますと、ボラードが赤茶色、車止めが黄色なのでこの2色は補色関係です。補色と反対色のお話はこちら。
連続したボラードがリズムをなして導線に存在しています。脇役は舫綱です。リング状の金具はちょうど太陽のハイライトが入って輝いてくれました。
そしてフレーミングです。ツーリングのワンシーンである作品の表現として最も重要なバイクの存在ですが、ここは観賞者の想像の取り分として車体の上2/3を切り落としました。実際のバイクの高さに対して考えると1/2に近いですが、計ったような2/3という意味ではなく、ボリューム感としての2/3を切り落としたという意味です。R1200GS ADVENTUREは車体の上部が特にボリューミーですから。(あらゆる比率において特別な理由が無い限り二分割、二等分、1/2は避けましょう)
もしこれでバイクの存在が弱いかな・・・と感じたら目立つ位置にヘルメットを置いて、そこにピントを合わせましょう。ヘルメットやグローブといった小物はライダーの存在を予感させるのに効果的です。(バイクのオブジェ化を避ける)
きちんとフレーミングできなかった場合の写真はこちら↓
ボラードを主役に構図を作ろうと思っても、フレーミングを意識しないで撮るとこんな感じに陥ります。バイクの顔が見えているのは決して悪くはありませんが、海面やテトラポットなどは思い切って切り落としてみてはどうでしょう?
しかも決定的なのは遠くに人が写ってる点。これは良くないですねぇ。人が写っていてはいけないという訳ではありませんが、こういった要素は料理できないなら画面から除外すべきですね。写した被写体ではなく写っちゃった被写体はダメと覚えましょう。
このように主題と決めたものに大胆に寄るという写真の基本、それと同時に関係ないものは除外する。当初、重要だと思っていたものも敢えて1/3または2/3といった比率で切り落としてみる。それによって主題の明確化とデザインの印象を強めることができるのです。
被写体を大胆に切り落とすテクニック、ぜひマスターしてくださいね。
石川五右衛門の如く切り落とす、フレーミングのお話でした!
~本日の毎日100ショットスナップ~
有刺鉄線に引っかかったビニール袋。曇り空に隠れた太陽にビニールを重ね合わせて撮っています。被写体はそこらじゅうに存在している・・・と毎日100ショットは教えてくれます。