究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、芸術を楽しんでいますか?初心者の人とは自分がカメラを持って芸術している、という認識を恥ずかしくて持てないものです。もちろん写真をやる以前に元々が彫刻家とか書道家である場合は別ですが。
上達の過程で芸術に対する変なコンプレックスは抜けて行き、あるポイントで芸術家として覚醒するのだと思います。
アマチュア写真家とは自由を与えられている他にも、とても素敵なことがあるんです。それは写真を見ていただける人達への無償精神です。プロと違って報酬をいただく訳ではありませんので、写真は基本的にはプレゼントです。
良い作品が撮れて、それを観賞者へ送り届ける感覚はまるでサンタクロースになった気分です。嬉しいコメントをいただいた時は、おかえしのプレゼントをもらった感じです。一般にアマチュアっていうとプロの下位みたいな印象があるかもしれません。でもそれは少し違うと思います。
さて、今回は<中級>ツーリング写真の解説としてデザイン要素のレアキャラであるシェイプ、ディティール編です。
大切なことなので繰り返し書きますが、デザインの要素とは線、図形、色、立体感、質感、規則的なパターンです。この他に光と影、スペースの比率などがありますが、今回はシェイプとディティールです。

こちらの作例をご覧ください。これはシェイプデザインを取り入れたことにより、見る人を一瞬はっとさせる画面になっています。面白いでしょう?
ナイスバディな女性のウエストライン、コカコーラの瓶、ポルシェ911ターボのボディライン、こういった「くびれ」のある繊細な曲線を持った図形要素がここで言う”シェイプ”です。皆さん大好きでしょう?
この作例では漁船の船首部分に存在する曲線を、14mm超広角レンズの歪みも利用してシェイプラインを入れてみました。上部を少し切り落としたので迫りくるような迫力も出たと思います。狙いは印象的な画面であり、デザイン要素で「はっと」させた後に、漁船達の休む港の様子へ想像を誘う作画になっています。
空に爽やかに広がる薄い筋雲も、14mm超広角レンズと相性の良いシチュエーションですね。色の要素としては概ね爽やかな青が主体ですが、船体の下部にある赤も刺し色で効いています。本当は船の上に乗っていた黄色い浮きを船首の下に垂れ下げたい!と思ったのですが、触る訳にはいきませんので、黄色は欲しかったですがガマンです。
画面にシェイプデザインを取り入れたいときは、このように超広角レンズの歪みを利用する作戦は大いにアリです!ここだ、というシーンに出会ったら、ぜひ挑戦してみてくださいね。
今回はレアなシェイプ要素の解説でした!あっ、これもツーリング写真解説として、たぶん世界初だったな、最初に言うの忘れちゃった。
↓↓↓撮影地↓↓↓
千葉県安房郡鋸南町 勝山漁港から少し北に行った竜ヶ崎堤防の近くです。漁船、漁具には触れず地元の方々や釣り人にご迷惑、ご心配のないようお願いします。