究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、早起きは得意ですか?今の季節、早朝はまだ寒いので、早く起きてバイクに乗るのは厳しいですが、暖かくなったら早起きして早朝のツーリングを楽しんでみませんか?ここで言う早起きとは撮影に適したスポットに着く頃に日の出になるよう、という意味なので出発は自ずと深夜ですが。
今回は初級ツーリング写真の解説として、写真のデザインやら比率やら露出やら意図やら表現やら…なにやら難しく感じてしまう話は抜きにして、シンプルな背景に被写体があるだけの写真なら誰でも簡単に良い写真が撮れますよ!という話です。
当ブログでは何度も写真におけるフレーミング、構図、被写体に寄る、デザインする、露出、ホワイトバランスなど重要なことを解説してきました。しかし知識だけ脳に記憶させても、明日からそれが出来るか?というと、そうもいかないのが現実です。
写真が上達するということは知識も重要ですがそれだけではなく、目を養う、足で構図を作る、「こんな時はこうしてやろう」という引き出しの在庫数、豊かな発想力など、すぐには身に付かない要素がたくさんあります。挑戦して失敗し、惜しいのが撮れたり、まあまあ成功したりを繰り返し、たくさん撮って写真を楽しみ、年単位で継続してはじめてモノになっていくものです。
一朝一夕には成就しないのですね。
しかし、いつまでもイマイチだなぁ、と思う写真ばかりでは楽しさを失ってしまうので、やさしいシーンで良い写真を撮ってみましょう。

こちらの作例をご覧ください。早朝の海岸でのシーン。日の出前のマジックアワーです。美しい背景に被写体が1つあるだけのシンプルな構図です。フレーミングや被写体の存在感の調整(配置、大きさ、ボケ具合など)、デザインなどは深く考える必要がありません。構図という意味ではとても簡単です。
強いてあげれば被写体に海と砂浜の境界である「線」が貫通しないよう、ローアングルにしたこと。それと意図的に露出をアンダーにしてローキーな写真(暗い写真)に仕上げた事くらいです。
モデルのポージングについてはインターバルタイマーで何枚かバリエーションを撮影して、後で良いものを選別しましょう。あくまで演出の話ですが、この場合は「太平洋に想いを馳せるライダー、太陽のぬくもりを待つ」みたいな設定です。
こういったシンプルな背景となりえる撮影地は探せば海岸以外にも結構あります。開けた場所がなければ広角レンズにこだわらず50mmレンズで撮ってみましょう。もし後ろに下がれるスペースがあるなら望遠レンズを使うと、さらにシンプルな背景が作りやすいですよ。
注意点は1つだけ。とにかく余計な物は入れない事。柵、ガードレール、電線、落ちているゴミ、遠くに飛んでいるカラスなど。余計な物を画面に入れないのは写真の基本中のキホンですが、シンプルな背景の写真ほど、こういった余計な物は目立って感じるものです。
以前に複数の被写体を画面に入れる場合は、撮影者であるあなたは映画監督のように、それぞれに役割を与え存在感を調整すると、画面内での意図、表現が明確になり傑作になりえますよ、という解説をしました。しかし、これはとても難しくて上級者向けの話です。
やたら要素が多くてゴチャゴチャした撮影シーン、存在感のある被写体が2つも3つもあるような場所は、構図を作る作業量も膨大で技術だけでなくスタミナも要求されるものです。初心者の人がこういったシーンばかりで撮っていると、いつまでも良い写真が撮れず負のスパイラルに陥ります。
ぜひ一度、シンプルな背景だけを探して、そこに1つの被写体(バイク)を入れて撮ってみてください。きっと素敵な写真になりますよ。
↓↓↓撮影地↓↓↓