究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆さま、ユニークな写真を撮って遊んでいますか?いつもこの冒頭のご挨拶の部分、なんて書くか悩むんですよね。毎回同じ挨拶するのも嫌ですしね。本当はウケを狙いたいのですがユーモアに欠けるので気の効いた言葉が出てきません…。
さて今回は久しぶりにタイトルを大袈裟にしちゃいました。確実かどうかは分かりませんが、知っておけばいつか役立つ観賞者への心理誘導テクニックのお話です。
なんだかミステリアスで怖いですねぇ~

こちらの作例をご覧ください。2017年の8月に旅をした思い入れ深い北海道でのワンシーンです。場所はコムケ湖の近くで、この時私は10年ぶりに訪れたコムケ湖の美しさと神秘的な雰囲気にすっかりヤラれていました。
10年前に訪れた時は気が付かなかったか、または記憶から無くなってしまったか、とても素敵な木造の番屋を発見したので、そこで撮影に挑みました。特に木製のタイル状に作られた屋根が規則的なパターンになっているのが気に入りました。
天気はあいにくの曇天ですが、むしろ曇天の光源の方がコムケ湖の寂しい雰囲気に似合っているかも!とも感じました。
建物のような直線の存在する人工物は垂直線をよく見て組み立てていきます。これがビシっと垂直に出ていないと、水平線の傾いた海の写真のような不快感を与えてしまいます。構図は基本的に3分割を守ってみました。全体的に鈍い色の光景ですが、ひときわ色を放っていたのがブルーシートです。このブルーシートの存在には現場でかなり苦しみました。
もう少しブルーシートの割合が大きければ、R1200GSの背景として重ねて使う手法もあったのですが、どうにも中途半端で使いようがありません。結局、苦肉の策としてR1200GSの周辺に視線を固定させる役割として、少し串刺しっぽくなりましたが車体のリア周りに配置しました。
こういったシーンでフレーミングする場合、建物より上にある空を入れないのがコツです。余分な線が発生するだけでなく、重要な番屋の存在感も弱くなってしまいます。
そして本題である心理誘導ですが、モデルがフレームアウトする瞬間を捉えた見切れミステリアスを作っています。見切れミステリアスとはインスタで、そういったハッシュタグがあるんです。ご興味のある方は見てみてくださいね。
こういった画面を作ると、写真の観賞者は画面の外になにがあるのか?ライダーは何を見つけて向かっていくのか?想像をはせることができます。こういった観賞者が楽しむ部分を意図的に作るのが写真の心理誘導です。決して悪いことではないでしょう?
この写真の場合、バイクの位置からライダーの位置まで見えませんが導線も存在しています。導線があれば、静止画である写真に時間を与えることもできます。
何かこう寂しげな風景の中で、フレームアウトしていく人物の様子。少し大袈裟ですがヒッチコック映画のような緊張感もあると思いませんか?
こういった写真は「たまにやる」くらいで丁度良いです。あまりこんな写真ばかりにならないよう気を付けてくださいね。それでは今回はこの辺で!
↓↓↓撮影地↓↓↓
北海道紋別市 コムケ湖 三室番屋