~記憶のツーリングシーン~ 名もなき丘

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EOS5D mark2 + EF24-70mmF2.8L F8 1/125 ISO100   2009年5月 秋田県男鹿半島

 

2009年5月 秋田県男鹿半島 県道59号線

混雑の苦手な私としては珍しくゴールデンウィークのド真ん中で旅に出た。

男鹿半島の海岸線である県道59号線は魅力的なコーナーの連続で

今よりずっと若かった自分は買って1年のR1200GSで右に左にコーナーを切り刻んで楽しんでいた。

やがて車が多くなりペースが大きく落ちた。ストレスを感じるので敢えて前走車と十分な車間をとり、自分の意思でつくった「ゆっくり」を楽しむことにした。




自分の住む房総半島とは違った日本海の風景を堪能した。そしてほんの一瞬だけ見えた絶景を見逃さなかった。

すぐにUターンして絶景地への侵入路を探し当てた。

そこは菜の花が一面に咲き乱れ日本海の紺碧色に鮮やかな黄色の光を与えていた。

すでに先客としてファミリーで来られたレンタカーの方がいた。ここでは旅の時間を贅沢に使いたい。

先客がいなくなるのを、のんびり待っているとファミリーのお父さんから記念写真を撮るよう頼まれた。

その方からの意外な質問が今でも忘れられない。

「このお花はなんていうお花ですか?」

菜の花に親しい房総人である自分には驚きであった。




ファミリーにお互いの旅の無事を祈る言葉を交わし、清々しい気分でレンタカーを見送った。

私はEOS5Dを三脚にセットし、今振り返れば未熟極まりない審美眼で風景を切り取った。

撮影を終えると1台の軽トラックがやってきて、中から老夫婦が私のところへやってきた。

笑顔で挨拶を交わすと、強い東北弁で「遠くからよく来たな」みたいな言葉をかけてくださった。

よそ者である自分に優しくしてくれる地元民。その優しさと笑顔が旅心にしみる瞬間だ。

私のR1200GSが千葉ナンバーであるのを見て、こんな話をしてくださった。

数年前、この土地は田んぼだった。自分達の息子に後を継がせる予定だったけど、息子は故郷を離れて千葉の船橋市へ行ってしまったと。

田んぼは自分達だけでは続けられないので、やめることにしたが更地にすると勿体ないので菜の花の種を撒いたのだと。

そして春を迎えるとこんなに綺麗な一面の花が咲き乱れてくれた。田んぼをやめても良かったとも思えたと。

後を継がず故郷を離れた息子さん。それを理解してくれたご両親への感謝の気持ちが、この菜の花を咲かせたのかもしれませんね。

 

終わり





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↓↓↓撮影地↓↓↓

9年前なので場所がここで良いのか定かではありません。男鹿半島の県道59号線沿いのどこかです。

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