世界初 100%理解できる被写界深度<中級>ツーリング写真

Pocket

前回の投稿 ○○だから△△したの法則 がとても重要だったので、よく読んで頂くため更新日を1日あけてみました。・・・というのは冗談でお休みを頂きました!

さて今回もボリューミーな内容で「○○だから△△した」の法則の△△の部分をご説明します。

私たちアマチュアは個人の作品として完璧を追求することが許されています。さまざまな制約の中でベストを尽くすプロの方々とは与えられた条件が異なります。失敗をしても時間や労力をたくさんかけても誰にも怒られません。なので1ミリも妥協せず完璧を追求し写真で冒険をしましょう。オーバークオリティは存在しませんよ。

今回はツーリング写真の解説としては世界初(たぶん)の絞り値の設定における被写界深度の説明でございます。といっても究極のツーリング写真流の解説ですので、よく見かける何本もの鉛筆を奥行き方向に並べた例とは一線を画しますよ!

絞り値とはレンズ内にある穴ポコを大きくしたり小さくしたりすることにより、奥行き方向にピントの合う範囲(被写界深度)が調整できること、言いかえればボケ具合の調整であることは、既に多くの皆さまがご存じかと思います。しかしツーリングシーンの実践でそれをどう使うか?ましてやF5.0とF5.6といった微調はどう使うのか?いまいち理解できない・・・という方にスッキリしていただく為の内容でございます。




それでは先日のキャンプツーリングでも使った千葉県富津市の花はなの里 キャンプ場での写真を例にして解説していきます。

使用レンズはSIGMA35mmF1.4ART このレンズは最大絞り値(開放値)がF1.4 最小絞り値はF16です。カメラを三脚に固定してピントはバイクの位置です。

 

F1.4 F1.6 F1.8

F1.4~F1.8の写真を見てみましょう。手前にあるのは何となく花なのでしょうが、大きくボケすぎて何か良く分かりません。抽象的な作品という意味ではOKかもしれませんが、この写真のシーンに相応しい表現と思えません。周辺の4隅が暗くなっているのも、開放付近を使用した場合に出る周辺光量落ちと呼ばれる現象です。周辺光量落ちは演出として役立つ場合もありますが、基本的には歓迎されない現象です。

F2  F2.2  F2.5

F2~F2.5の写真も少しだけ近景の様子が明らかになってきましたが、基本的には大きくは変わりませんね。

F2.8  F3.2  F3.5

F2.8~F3.5の写真は周辺光量落ちがだいぶ無くなりました。しかし、これもこの写真の場合に限っては大きな違いは出ません。微調整に悩むような要素もありません。

F4  F4.5  F5

F4~F5はようやく花の種類はスイセンなんだな。と誰でも分かるくらいになりました。

F5.6  F6.3  F7.1

F5.6~F7.1 いかにも一眼レフで撮ったな、という心地よいボケ具合とも言えます。特にF7.1あたりは悪くありませんね。

F8  F9  F10

F8~F10の写真。だいぶスイセンがはっきりと映ってきました。このシーンの場合、夕方ですのでシャッターが徐々に遅くなってくるので、その点も気をつけなくてはいけませんね。

F11  F13  F14

F11~F14の写真。この辺からようやく微調整に悩むところです。F14で1/20までシャッターが遅くなりましたので、風で花が揺れている時は気をつけましょう。もちろん意図的にブラすのも有りですが。

F16

そしてF16です。大きく掲載してみました。絞り込むと必ず出てくる話が回折現象。小絞りボケとも呼ばれますが、絞り羽の内側に光が反射して起こるボケたような画質低下です。この写真でも出ていますが私はこの撮影シーンにおいてはこのF16を採用したいです。

なぜなら超近景あるスイセンが光を透過して輝いている様子が美しいと感じたからです。それを分かりやすく伝えるのがF16でした。回折現象については気にしません。

皆さんはこのF16の写真をみて回折現象が許容しがたい画質低下だと感じますか??それを考えていただくために、この写真だけ大きく掲載してみました。(ちなみに回折現象はイメージセンサーの小さいカメラで強い逆光時に顕著に出ます。この写真は逆光ではありますが、カメラがフルサイズ機なので顕著に出ているとは言えませんがカメラによっては誰が見ても分かる画質低下が発生するかもしれません)




どうでしょう!?こんなツーリングシーンを使った絞りの説明、世界初ではないでしょうか!?ボケ具合の変化が良くわかるかと思います。あなたの好きなのはどれですか?この22枚をみて「どれも良いんじゃない?」と思った方はいらっしゃいますか?そういった方はまだまだ写真を見る目が肥えていませんので、ご自身の練習と並行して色んな写真を見て目を磨いてくださいね。センスが無いなんて事は絶対にありませんから!

全ては被写体の魅力を引き出すための「○○だから△△した」の法則です。

この写真ではレンズからわずか数十センチの位置に右下に大きく写っているスイセンが有り、この風景を奥行き方向にレイヤーとして考えると ・一番手前のスイセン ・その先にあるスイセン ・バイクとテントの場所 ・遠くの家 と大まかに4レイヤーある構図と言えます。

このように前景、被写体、遠景と最低でも3レイヤーは存在する構図でないと、絞りをどう調整したところで殆ど関係ありません。例えば海岸にバイクを置いて前景は無く海を背景に撮った写真だとします。この場合F5.6だろうとF10だろうとシャッター速度が変化するだけで写真自体は殆ど違いがないです。

高度な作品になるとボケ具合の変化を段階的ではなく、階調として考える場合もあります。例えば一面に咲くシロツメクサの野原を広角レンズで撮った場合。手前の花から遠くの花まで、どのように繊細な階調でピントが合焦へと変化するか?またはあるポイントから急激に立ち上るようにシャープにさせたいとか、すごく奥が深いんです。この領域ではじめて高級なレンズの出番なんですよ。

絞り値はまず構図ありきです。画面内の被写体に対して前景と遠景があり、特に前景をどれくらいボカすか(または全くボカさない)を調整したいとき、はじめて絞りを調整します。あまり使っている人はいないかもしれませんが、絞り込みボタン(キャノンなら被写界深度プレビューボタン)を押して慎重に理想の絞り値を選択してください。

微調整はどんなときに?その疑問はもうお分かりですよね?今回の作例のようにレンズのすぐそばにある超近景を作った時に微調整の出番です。

以前に絞りやシャッター速度などの勉強は、これから写真を始める初心者の方が、必ずしも最初に学ぶべきことではないですよ…というお話をしました。これは初心者の方がいきなり撮影地で前景を構図に入れることなど出来ないのに、被写界深度の理屈を頭に入れても意味がないと思ったからなんです。

ところで今回の作例写真で私は結構大きな失敗をしてしまったのですが気が付いていただけたでしょうか?ピントのピークをバイクに合わせてMF固定で連続撮影したため、F16まで絞っても超近景のスイセンに完全に合焦しなかったのです…。それなのに説明で「私はこのF16が良いと思います」って何だか苦しい説明だなぁ~と後悔しております。本来でしたら超近景のスイセンまでパンフォーカスにしたければ、ピントのピークはもっと手前にしなくてはいけませんよね。

マニュアル作りってのは本当に自分自身がいちばん勉強になるのかもしれません。私もまだまだ未熟者です。





にほんブログ村 バイクブログ バイク写真へ
にほんブログ村

にほんブログ村 バイクブログへ
にほんブログ村


バイク旅ランキング

コメントを残す