米粒バイクとミジンコバイク<初級>ツーリング写真

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ツーリング写真において数少ない議論の場で、よく出てくる話は画面内におけるバイクの大きさです。

オートバイの写真ではなく風景と一体となったツーリングの写真ですから、あまりバイクの存在感が強いとツーリング写真になりません。そこは多くの皆さんが分かってらっしゃると思います。しかし分かっているが故に中途半端な大きさで撮ってしまい、バイクの写真ともツーリング写真とも言えない写真がSNS上で散見されます。

以前、とあるSNSのコミュニティーでグループ名は失念しましたが「ツーリング写真好き集まろう」みたいなグループがありました。非公開グループだったのでどんな作品があるのか分かりませんでしたが、1000人以上もメンバーがいて面白そうなので参加したところ、次のような驚きのルールがあったのです。

・バイクを小さく撮ってはいけない ・人物が写ってはいけない ・必ずバイクにピントを合わせること! 守っていない投稿は削除します!

思わずこのルールに絶句してしまいました。

参加申請する前に、どこかに書いておいてくれれば良かったのに…。私のやっている事を全否定するようなルールに、止む得ず退会しました。

私はオートバイをメインに撮る写真を決して否定している訳ではありません。しかしグループ名に「ツーリング写真なんとか」と書いてあったのですが、内容との矛盾点に1000人以上いる参加者が誰も気が付かないのでしょうか。「オートバイ写真なんとか」ならOKなんですけどね。

さて、それではツーリング写真における画面内のオートバイの大きさについて解説です。

まずは一般的なツーリング写真としてのバイクの大きさ。画面全体に対して15%位がバイク。これ位がいわゆる普通でしょうか。この作例のように走行写真であったりライダーの姿があれば、これより大きくても十分にツーリング写真と言えるでしょう。

 

続いてこちらの作例を。水溜りのリフレクションも含めれば、かなりの割合がオートバイです。夕陽を逆光でとらえバイクはほぼシルエットにしているので、バイクが大きくてもツーリング写真と呼べるでしょう。




 

こちらはバイクがとても小さいです。画面の5%くらいの割合でしょうか。誰の目にも風景が主体であることが分かります。私はこれくらいの大きさを「バイク米粒構図」と呼んでいて、とても出番の多い構図です。ちなみにこの写真は超近景に花弁を重ねて、色とばしと呼ばれる手法を使っています。天然のフィルター効果が作品を幻想的にしてくれます。

 

続いてこちらの写真。バイクが超小さいですね。画面全体の1~2%でしょうか。一瞬どこにバイクがあるのか?気が付きませんよね。私はこれを「バイクみじんこ構図」と呼んでいます。バイクみじんこ構図の利点はリビール効果といって、鑑賞者が写真を見た瞬間からおよそ2~3秒後に何かを発見できる、観賞者側の時間軸を作れることです。また4つ切りワイドプリントや大型のモニターで見るとちょうど良い構図だったりもします。逆にスマホ、タブレット端末など小さな画面で見る環境には向きません。




 

これはかなりバイクの占める割合が大きいですね。全体の40%くらいがバイクでしょうか。しかし太陽の存在感が絶対的に強く、バイクはシルエットで黒く潰れ、なおかつピントをボカしています。これによってツーリング写真として成立していると言えます。ちなみにこの写真のように車体の後ろにスペースを作って配置すると到達したというイメージになります。逆に車体の前方にスペースを作ると出発のイメージです。

 

こちらもバイク米粒構図です。全体にローキー(暗い)写真のなか、ハイライトと被写体を重ね合わせることにより、小さな被写体の存在感を際立たせています。バイクの写真を撮るときに、真横や真正面は避けましょうね、とよく言われますが、バイク米粒構図やバイクみじんこ構図の時に限っては車体を真横から撮りましょう。小さく写っている被写体が何なのか?誰の目にもオートバイであることが明確に伝わるようにするためです。

 

どうでしたか??既にお気づきの人も多いと思いますが、ここでご紹介した作例はバイクの大きさは色々ですが、全て「ツーリング写真」なんです。大切なのは絶対的な大きさではなく、あくまで存在感なのです。

バイクを大きく写しても、それ以上にインパクトのある風景であればツーリング写真です。どんなにバイクを小さくしてもバイクの存在感を調整すれば、きちんとバイクのいるツーリング写真になります。

大きさにとらわれず、その撮影地で自分が何に感動したのか?を問えば自然とツーリング写真になるはずです。私も自分のオートバイがカッコいいと思っています。しかしそれを撮ってしまえば、たちまちツーリング写真は崩壊します。カッコいい愛車のショットは別で撮りましょう。以前にご紹介した3つの写真を撮る訓練を思い出してくださいね。

それでは今日はこの辺で!





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2 thoughts on “米粒バイクとミジンコバイク<初級>ツーリング写真”

  1. こんにちは(^^)
    「自分が何に感動したのか」とても大切ですね。
    感動や、安らぎ、ツーリングの歓び、静かに風を感じるひととき。

    走り出す前の過ごし方が大切なように、
    シャッターを押す前のひとときも、とても大切ですね。
    立澤さんの12/12投稿の「3つの写真を撮って苦手を解消」の中でも
    触れられていらっしゃいましたね。
    立ち止まり、エンジンを切り、自然の中で深呼吸していると、
    「撮る」という外に向かうベクトルと違い、
    「受け入れる」ベクトルに変わる気がしてます。
    そうしてから、感じて撮ったRIDERの写真は、
    とても伝わってきますね。

    シャッタ-を押す前の過ごし方、
    立澤さんの12/12の投稿を胸に刻んでいますよ(^^)

    1. selenさん、いつもコメントありがとうございます。
      写真に感情を込めるなら、撮る時の気持ちが大切ですよね。
      私もつい最近まで「撮ってやろう」みたいなハンティング的な気持ちで撮っていたのですが、それは半分間違いであると最近気がつきました。
      selenさんのおっしゃる通り、受け入れる気持ちがまず第一なんだと思います。
      言語化は気持ちの整理にすごく有効で、すべての人にオススメできる手法です。
      側から見ると怪しい人ですけどね(*^o^*)

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