RAWとJPEG、RAW現像とは<初級>ツーリング写真

今回は<初級>ツーリング写真としてデジタルカメラの基本的なお話である記録形式です。

デジタルカメラにはシャッターが開いて外の世界を取りこんだとき、それを受光させる場所である撮像素子またはイメージセンサーと呼ばれる小さな板があります。この撮像素子は小さな素子の集合体になっていて、1つの素子にはRGB(RED、GREEN、BLUE)のそれぞれの強さの割合をデータ化できる機能があります。

撮像素子にはカメラの機種によって色々ですが、現在では800万から3000万くらいの素子が集合しています。皆さんがよくご存じの「デジカメの画素数」とはこのことです。

素子の1つ1つが「オイラが受けた光は赤が○○%、緑が○○%、青が○○%だったぜぇ~」とカメラのコンピューターに伝えています。

カメラが撮影した画像をSDやCFといったメモリーカードに記録する際に、JPEGとRAWがありますが、この段階で全ての画素のRGBのデータをそのまま記録するのがRAW、1枚の画像としてデータ化し、元々RAWが持っていた不要なデータは圧縮したものがJPEGです。

JPEGはカメラ内のコンピュータ(キャノンならDEGIGなど)が撮像素子から送られてきたRAWを元に、発色やホワイトバランスを決めて1枚の写真データに変換します。つまりオートに設定しておけばカメラが勝手に写真の仕上がり具合を調整します。

RAWで撮影した写真はそのままではSNSでアップしたり、写真屋さんでプリントしたりは基本はできません。RAWデータを家に持ち帰ってパソコンに取り込み、ソフトウェア―で調整して最終的にJPEGへと仕上ます。この作業をRAW現像と呼んでいます。(最近では一部のカメラではカメラ内RAW現像という機能があります)




RAWで撮影してソフトウェア―で仕上るメリットは、私の場合は主に・ホワイトバランスの調整・理想的な写真データの保存 という意味で行っています。

特にホワイトバランスの調整についてはLihgtroomを使ってよく行っています。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F5 6SEC ISO1250 Lightroomにてホワイトバランス調整

調整や現像にはカメラに付属されていたメーカー製のものから、有料のPhotoshop、Lightroomなど色々あります。私の場合は長いことキャノンのDPPを使用していましたが、1~2年前からAdobeのLightroomに変えました。

簡単にまとめてしまうと以下のようです。

・JPEGは撮影後にすぐに使える画像ファイルである、ただし調整の大半はカメラに任せている。後でホワイトバランスは調整できない(現在のソフトでは一部は可能ですが画質劣化はあります)。圧縮ファイルなので容量が軽い。

・RAWはすぐに使えないが、自分のイメージに合わせて調整して仕上ることが可能。調整した際の画像の劣化も最小限。長期保存に適している。デメリットとして容量が重い。

「私はそこまで高度なことはしないから、JPEGで十分です」という意見も聞こえてきそうですが、撮影の時点でミスってしまった部分をソフトウェア―で補っても、画質劣化が少ないのがRAWなのですから、初心者の方こそRAWがお勧めとも言えます。

ソフトウェア―はカメラ付属のものでしたら無償だと思います。キャノンのDPPでしたらインストールディスクが手元に無くてもネット上でダウンロードできます。(キャノンDPPは同社のみが採用しているRAWの拡張子 CR2のみ対応です。他社の場合はSilkyPIXなどをダウンロードしてください)

私の場合、全ての写真がソフトウェア―で調整しているという訳ではなく、全体の半分くらいが調整をほどこし、あとは撮ったまま何も調整せずにJPEGへ現像しています。一説によると何も手を加えない写真であれば、RAWで記録した写真よりもJPEGで記録した方が美しい、という説もあって重要だなと思った撮影シーンではRAW+JPEGで記録をします。

RAWで記録できるカメラとはコンデジのハイエンドモデルから、ミラーレス一眼、一眼レフなどに設定されています。もし今まではJPEGでこれからRAW現像に挑戦してみようかな?と思っている方は、まずはお使いのカメラにRAW記録モードがあるか確認してみてください。

もし無ければ次回のカメラ買い替え時に、RAW記録ができるカメラであるか?も検討要素に入れてみると良いかもしれませんね。




RAWで記録してソフトウェアーで仕上る。最新のデジタル技術によって高度な写真調整が一般的になってきましたが、技術が違うだけで全く同じ事はフィルム時代からありました。フィルムの頃は大切な写真は必ずネガを保存していたと思います。それと同じように大切な写真はRAWで保存しておくと、将来いろいろと役に立つと思いますよ。

今回はスペースの関係で記録モードの部分のみ解説しましたが、レタッチのお話はLightroomのカテゴリーで今後も紹介していきます。

ところで最近、愛用のコンデジを買い換えようかな?と思っているのですが。先日立ち寄った電気屋さんにニコンのCOOLPIX A900というカメラが有り、これがまた大きさ、操作系ともに素晴しく実物を手にとって「いいなぁ、いいなぁ」とブツブツ言って怪しい人と化していました。しかしよくよく見たらRAWの記録モードが設定されていなくて泣く泣く諦めましたよ…

良いカメラってみんな高いですよね…。そんな中、かなり現実的な価格設定でチルトモニターも今やりたい!と思ってる写真に必要な機能だったので「買っちゃおう!」と一瞬思ったのですが残念。





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旅と写真とバイクツーリングと

EOS5D Mark2 + EF24-70mmF2.8L   2012/8撮影 北海道 北太平洋シーサイドライン ポロト沼

この世の中は誰かの仕事で出来ている。誰か偉い人がそう言ってました。お米や魚や肉や野菜を食べれるのは農業や漁業に携わっている方々のお陰、道路があるのも鉄道があるのもビルがあるのも学校や病院があるのも、娯楽や便利な物やインターネットも…みんなみんな、誰かが一生懸命働いているお陰です。

自分なんか社会貢献という意味では本当に微々たるものです。何だか申し訳ないという気持ちでいっぱいです。毎日、東京に通ってオフィス街を通るけど、みんなスーツ着て遅くまで残業して、本当に有り難うございますと感謝したいです。自分だって、つい10年くらい前までは同じだったのですけどね。




でもストレスで病気になったり、心の病や悩み事で自殺しちゃったりとか、とても悲しいニュースを聞くと心が痛みます。一生懸命働くのは素晴しいことだし、みんなそれが当たり前のようにやっているけど、命を削ってまで会社にしがみつくのは正しいのでしょうか?

先日、とある女性のブログを拝見しました。長年務めた会社を辞め、オートバイで旅に出たら自分の人生の何もかもが変わった!自由きままに、おなかいっぱい走り回って。会社勤めでは知らなかった自分の本当の姿を見て、旅とともに真の人間性が磨かれていく。気が付いたら眉間の皺がなくなっていた。そんな素敵なお話でした。

会社を辞めると「△□会社の○○課長」からただの「○○」に変わる。それは何もできないタダの人間である、という事を初めて知る。私もかつてそうでした。でもそこをスタート地点にし自分らしく生きて行くことに目覚める、それは自分の生まれ持っての役割であり、やがて会社勤めとは別のかたちで人々に貢献できるようになる。

多くの人が社会からの圧力に苦しみ、命を削りながら働いている…。この方のように「気づき」があれば素晴しいですね。でも気づきがないと、いつまでも負のスパイラルから開放されません。じゃあ誰か教えてあげる人はいないの???

私はこの究極のツーリング写真 touring-photography.com というブログを通して、旅の世界と写真芸術の素晴しさを発信したいです。

何かと忙しい現代人。まとまった休暇などなかなか取得できないし、ましてや旅に出たいからといって軽々と会社を辞めるわけにはいきませんよね。そこでオートバイです。オートバイツーリングは現実の空間から旅空間を超高速で行き来できる魔法の絨毯です。この場合の超高速とは速度違反という意味ではありませんよ。機動力の話です。

思い立ったら!気が向くままに!いつでも旅に出たり、現実に戻ったりできる自由さです。

徒歩、自転車、ヒッチハイク、ローカル線でも素晴しい旅になりますが、オートバイの機動力には到底かないません。

実現するのは簡単。オートバイとは縁の無かった人だって、決意さえすれば免許を取ってバイクを買うだけです。




芸術…なんて言うと子供の頃から英才教育をされたエリートの世界を連想しますよね。でも皆さんが誰でも使ったことのあるカメラで誰でも気軽に芸術家になれます。

カメラ、写真に対する少しの誤解を解いてしまえば、とても簡単なことですよ。創造性が必要とされる写真芸術は脳の前頭葉を刺激し鍛え上げていきます。少し前に流行った「脳トレ」ですよ。才能とかセンスとか、ぜんぜん関係ないんです。芸術によって養われた創造性は人間としての優しさ、幸福な生き方に深く関係しています。

これら旅と芸術は現代人の多くが失ってしまった「本来の人間らしさ」を全うして生きるヒントではないでしょうか。もちろん全ての人が失ったという訳ではありませんが、少なくともストレスやうつ病で自殺に追い込まれてしまう人が旅や芸術を身近にしているとは思えません。

いま多くの人はオートバイに乗って、カメラを持って、人生の財産となる旅と芸術を体験しましょう。やり方のヒントはこの「究極のツーリング写真」に書いていきます!私の知っている事は秘密をつくらず全て公開していきます。

仲間を大募集中ですよ!





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ツーリング写真<初級>なぜ背景が重要なのか

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者のみなさん。いつも見ていただき有り難うございます。

私はあまりネットやITの知識がなく、CMSを使った独自ドメインのブログを運営するなんて、そもそも無理があるのですが皆さまに支えられて開設から3ヶ月になりました。

当ブログのメインキーワードである「ツーリング写真」で検索をかけると、PCサイトでは現在SEO順位は2位です。100記事を超えたので、ぼちぼち1位を狙いたいと思います。

その為には内容をより充実させ、全てのブログの基本とも言える「読者の役に立つコンテンツ」を充実させる、これに尽きるのですが実は最近気が付いたのですが、私自身が一番勉強になっていたりもします。

そういった意味で読者の皆様には本当に感謝しております。こんな文字数が多く読みにくい文章であるにも関わらず、いったいなぜ読んでくれるのか…という疑問さえ出てきますが。

さて今回は<初級>ツーリング写真の解説として構図の組立て方の一部とも言える「背景への配慮」です。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F6.3 1/640 ISO100




漁港はフォトジェニックな物が多く、被写体の宝庫とも言えます。しかしあまりに色んな物が多すぎて構図を整理する作業は膨大です。何もできなければ雑然とした写真に陥ります。

特に背景についてはゴチャゴチャ感が出てしまい、メイン被写体を決めても存在感が薄れてしまいがちです。

この作例は望遠レンズを利用して圧縮させた画面ですが、手前からいくつも連続する杭と舫を使って奥行きを構成しています。景色の多くはゴチャゴチャしているため、意図的に地面を利用してスペースを作りました。

最も前景にある黄色い舫と遠景のボカし具合を調整するため、慎重に絞り値を調整しF6.3を選択しました。

そしてメイン被写体となるバイクの背景部分に注目してください。何かを覆っている緑色のシートです。実は遠景には何隻もの漁船や建物などがあり、かなりゴチャゴチャした感じだったのですが、そういった背景にメイン被写体を入れてしまうと、存在感が埋もれてしまうのです。そこでこの緑のシートに注目しR1200GSの背景として重ね合わせてみました。




本当にちょっとした配慮なのですが、これをやったのとやらないでは写真の出来上がりはまるで違います。

メイン被写体を選定し、大まかな構図を決めたら背景に配慮しましょう。メイン被写体と重ねたくないものと重なっていないか?重ねた方が良いものが背景にないか?少し上下左右に動くだけで位置関係は簡単に調整できます。

良い写真とは細部への配慮も完璧に行き届いているものです。逆に全く配慮されていない写真というのが良く見かける平凡な写真です。

少しの配慮で劇的に良くなる背景の話でした!ぜひ実践してくださいね!





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キラメキのツーリング妄想族<上達の秘訣>ツーリング写真

最近テレビで見て知ったのですが、いま20代の男子は女性との交際経験が無い人がすごく多いそうですね。全体の42%だとか?

お一人用のコンテンツが過度に充実したり、そもそも意欲の無い人が増えたりと原因は色々でしょうが驚きの実態です。

そのニュースを聞いて思わず妄想してしまったのですが、もし私がいま小説を書くとしたら、こんなのを書こうかと。とある中学校のPTAで知り合った30代の母親3人。急増する20代チェリー男子の社会問題を受け、3人は社会貢献を名目に欲望のまま「チェリー狩り」という犯罪に走る…その結末は…? 小説というか官能小説でしょうか。そうだ!タイトルは「チェリー農園」にしよう。きっと売れるぞ~  冗談ですけどね。




…何かのヒントをきっかけに妄想を膨らませるのは昔から得意なのですが、今回はそんな妄想や想像から生まれる写真の作画アイデアのお話です。

 

「キハとバイクの車窓旅」 EOS1Dx + SIGMA35mmF1.4ART F8 1/160 ISO100

以前もアップした春の小湊鉄道の風景です。季節外れなようですが、私のテリトリーである南房総ではもう菜の花が咲いていますよ。

この写真、R1200GSのコクピット部分にカメラを構えてスクリーン越しの風景として画面構成しました。良いかどうかは別として、かなり変わった写真であると皆さん感じていただけると思います。

「よく考えつくね!」と誰かに言われるような突拍子もないアイデアをいつも妄想しています。この写真は撮影現場で考えたのではなく、日常的に妄想していた時間にひらめいて、頭の中に引き出しとして在庫させておきました。

妄想は満員電車に揺られている時や、お風呂に入っているとき、夜の高速道路を淡々と巡航しているときにやっています。そして「あっそうだ、いいこと考えた!」とアイデアが生まれてくるのです。アイデアを思いついたら必ずメモをするようにしています。

要するに四六時中、ツーリング写真のことを考えているのです。ツーリング写真が好きで夢中になっているのだと思います。好きで好きでたまらなく、夢中になる・・・これって写真に限らず何をやるにも最強の武器ではないかと思います。




妄想して生まれたアイデアは自分で惚れ込んでしまうため、果たして本当に良いアイデアなのかジャッジが難しいです。SNSで発表してもコメント欄には皆いいことしか書かないので、イマイチだった場合の情報は「いいね」の数くらいしか判断基準がありません。

そこで、これは本当に良かったんだな!と思える判断基準として「真似してもらえた」というのがあります。その撮り方やアイデアを真似してもらえれば、それはどんなコメントにも代えがたい、最高の賛辞をもらえたと判断できます。日々の妄想が報われる瞬間です。

撮影の作画アイデアは現場で作る場合もありますが、ほとんどは日常で考え付いて頭の中に引き出しとして在庫させます。そして撮影地で在庫の中からいま生かせそうな何かはないか検索をかけるのです。

自撮りのポージングなんかも同じです。撮影するときにどんなポージングが良いのか?その場所で考えているようではワンパターンに陥ります。こんな時はこんなポージングと、頭の中に何種類も在庫させ、その撮影地に最もふさわしいのは何か?在庫から検索をかけるのです。

面白いポージングあるいは、何かをしているところ、なんていうアイデアも妄想から生まれます。記憶のツーリングシーンを表現するような作品を目指しています。しかし、それを作るにあたって未来に起こるかも分からない妄想の世界を使う。なんだか不思議ですよね。もしかして妄想っていうのは自分の記憶回路と何らかの関係があるのかもしれません。

今日もお風呂に入るとき、素晴しい空間で旅を重ねる未来の自分を妄想してみようかと思います。そう私はキラメキのツーリング妄想族なのです。

 





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写真1枚目の撮影地 小湊鉄道 石神の菜の花畑 ↓↓↓

考えるな感じろ、いや感じるな考えろ<初級>ツーリング写真

みなさん、ブルースリーの名セリフ「考えるな、感じろ」はもちろんご存じですよね?あれって「考えるな」の部分は日々の鍛錬により自然と動くため、意識を向ける必要もない、という意味で解釈していますが、実際はどうでしょうね。

写真も少し似た部分があって、やれ構図だの黄金比だのと理屈っぽい話がたくさん出てきますが、そういった理論の部分と感動やストーリーをこめるといった感覚の部分の両者が存在します。

いつも理論と感覚のせめぎ合いなのです。

いつか写真道を極めることができたらブルースリーの台詞のように考えずに感覚だけで撮ってみたいですね。

さて今回は初級ツーリング写真の解説として、撮影地でバイクを停めいざ撮り始めようというとき、最初に直面する「何をどう撮るか?」の解明についてです。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F7.1 1/1000 ISO100




「おっ!ここイイ感じだ。ここで撮ろうぜ」

「あらっ 素敵なところ、ここで撮っちゃおうかしら」

上手い、そうでない係わらず、ここまでの段階では殆どの方が、かなり良いセンスで撮影地を選んでいると思います。そこで足を止めた感性。写真が好きな証拠であり、それだけで天才だと思います。

難しいのは「イイ」「素敵」と自分で感じたはずなのに、いざ撮影を開始しようと思うと、それが何なのか?景色をパッと見た感じでは良く分からないことです。

この写真を撮ったとき、私は牛舎に素朴な田舎風景を感じて停まりました。しかしカメラを手にして相当に悩んだ撮影シーンでした。

 

この写真は撮影地をスマホで普通に撮った1枚です。言ってみれば料理前の状態、写真として何も組み立てていない風景です。これだけ見ると様々な要素があって、何となく良い所なのは確かですが景色の魅力は簡単に解明できませんよね。

牛舎を望遠でひっぱろうと思い、離れた場所まで来たは良いですが、試し撮りしても牛舎自体はイマイチでした。よく見るとバイクを停めた道と牛舎の間にある木が良い感じであるのに気が付きました。

しかし、どうも釈然としない写真しか撮れません。これだけ経験を重ねても、この段階では初心者と何も変わらないことをしています。早く風景の魅力を解明せねば。




そこで白いビニールに巻かれた牧草ロールに注目し、これを前景として構図してみました。白いビニールに巻かれた牧草ロールは真っ白で光沢を放ち、存在感もユニークさも悪くないと感じたのです。したがって重要な要素であるため絞りこんでF11で撮ってみました。

しかし、プレビューしても最初よりは良い写真になりましたが、なにかスッキリしない。ビニールの質感が少々の不快感を与えているのです。

そこで絞りをF7.1まで開いてボケを出し、存在感を調整したのです。これで最終的に良しとしました。解明された瞬間はスッキリし、思わず手で膝をたたいてしまいます。

このように、あっココがいいな!と思ってバイクを停めた場所とは「パッと見ではよく分からない」というのがポイントで、それをよく理解した上で考え、試し少しつづ解明していくと、次に何をすれば良いのかが見えてきます。

当初はこれが主題だ!と思った被写体であっても、実はそれを脇役にするのが良かった。なんてパターンはけっこうあるんですよ!

最近、少しずつですが日が長くなってきましたね。冬の夕陽撮影もいいですよ。まだまだ寒いですが防寒対策(撮影用含む)をして是非出かけてくださいね。





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番外編~かっこいいレポ写真の撮り方

今回は息抜きと言いますか、少しツーリング写真のお話は休憩です。

カメラの基本的な使い方として、ツーリング写真の解説では出番の少ないストロボの話です。




SNSを利用していると「このパーツ着けてみたよ!」とか「タイヤ交換したぜ~」とかレポート的に写真を撮る事って多いですよね。そんな記録写真でもカッコよく撮るための簡単なテクニックです。

交換した物を主役として画面内に配置し、フレーミングとアングルを慎重に調整しましょう。この写真はタイヤ交換したときの写真ですが、タイヤの存在感が伝わるよう被写体に寄って、最もカッコよく見える角度をさぐり当てました。

こんな時にも長方形の画面内に理想的に配置できるデザインを適用しましょう。

そしてもう1つ。撮影場所が明るい所であってもカメラのストロボを強制発光しましょう。影になっている部分のディティールは明るい場所ほど写らないものです。この写真で言うとタイヤの下半分やスイングアーム(このバイクはパラレバーといいますが)の下半分などです。

本来、影になってしまう部分にストロボの強い光を当てることによって、物の状態を正確にかつ印象的に伝えることができます。

この辺のテクニックはバイク雑誌などの写真に使われている、プロカメラマンの仕事もかなり参考になりますので、雑誌をみる時にどんな光を車体に当ててるのか?写真を良く見て勉強すると面白いですよ。

今日はこれだけ!おしまい。





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Lightroomレタッチ講座 海岸での夜景編

究極のツーリング写真 touring-photography.com 読者の皆様、素敵なツーリング写真を撮られていますか?地域によっては積雪などで、まだまだバイクに乗れないかもしれませんね。乗れない日は当ブログでお暇をつぶして下さいね。

今回は久々になってしまいましたがLightroomレタッチ講座の第2弾です。ライトルームは使っていないよぉ~という方もスマホ用アプリでしたら無料なので、もしレタッチにご興味があったら試してみてくださいね。

レタッチは悪いことではなく写真表現の手段の1つです。フィルム時代の昔からプロの間で行われていたことで、それが現代のデジタル時代になって一般に普及しただけのことです。

ただ一般に普及したことによって、一瞬首を傾げてしまうような過度なレタッチ写真が一時期は増えましたが、今ではあまり見かけなくなりましたね。

今回は夜の海岸で撮った夜景を使って解説いたします。いつも通り、究極のツーリング写真流「〇〇だから△△したの法則」を使い記憶の中のツーリングシーンを仕上げていきますよ。

なお、このライトルーム解説というカテゴリーで紹介する写真は、分かりやすいようかなり手を入れた写真を使います。Lihgtroomのようなレタッチは悪い事ではありませんと言いましたが、全ての写真をレタッチしている訳ではなく、中には全くレタッチしないでそのままJPEGとして出す写真もありますよ。

大切なことは表現したかった作品の意図を明確に持ち、それが撮影の段階では及ばなかった場合に限り補助的に使う作業と理解することです。撮影の段階で完璧に表現できたならレタッチの必要はありません。

それでは、まずは元データをLightroomに取り込んだ画面からです。

何をしくじったのか…画面中央付近の右下あたりにレンズゴミがありますね…不覚です。不快なレンズフレア、ゴーストもあるのでまずはこれを消去します。

拡大させてスポット修正ツールで選択、消去です。

違和感なく綺麗に消えました。もし修正した部分がうまくいかず違和感が残るようでしたら修正はやめてそのままにしましょう。




次に補正ブラシを使用して地面を選択。この撮影現場では近くに水銀灯があり、地面やバイクは緑の光に照らされていました。

この緑な感じが逆にユニークだな、と感じたので色被り補正を使ってさらに緑にふります。そして明瞭度とコントラストを上げてさらに印象的な地面にしました。「〇〇だから△△した」の法則です。

次に車体の存在感を調整する目的で明瞭度やシャープネスを調整します。このとき、車体全部を調整するのではなく主要と思われる部分を局所的に調整するのがコツです。この場合、タンクとフロント部周辺に留めました。

続いて段階フィルターを使って空の青い部分全体を選択します。ここが重要なポイントですが夜空をどのような色温度で仕上るか?青系か漆黒の夜空にしたいのか?そしてサジ加減は?自分の中のイメージと向きあって記憶のシーンを再現できるか?誰かに良く見せようという邪念が品の無い写真を作ってしまうか?の分かれ道です。

この場合は赤く染まった部分とのコントラストを考えて青い夜空に仕上げてみました。スライダーを何度も動かし慎重に決めました。

そして星空の美しさを際立たせるため、コントラストと明瞭を上げ、シャドウを下げます。こちらもサジ加減は慎重に。

続いて赤く染まっている部分を選択します。この撮影地から見る東京湾は対岸の神奈川のコンビナートが雲を赤く染めてくれるのが特徴です。

夕陽とは違った現実離れしたような赤い空に崇高さを表現させるためコントラストを上げます。

最後に周辺光量調整で四隅を少し下げます。空しかない背景は鑑賞者の視線が画面外に逃げやすいですが、こうすることによって画面内に囲い込むことが可能なのです。




<作業前>
<作業後>

 

この写真は肉眼では殆ど暗闇だけの風景をスローシャッター(30秒)と高感度(ISO2000)でとらえました。肉眼ではこのように見えないのでレタッチ以前に撮影の時点で既に演出といえる写真です。

このシーンで私が気に入ったのは星空と赤く染まった空、そして水銀灯に照らされた地面。これらが色の組み合わせとして面白かったことです。それをより明確に表現するには撮影時だけでは完璧とは言えず、Lightroomを使うことによってそれぞれを個別に色温度調整して完成させたのです。

このように「○○だから△△した」の法則に基づいてLightroomレタッチもすすめて行く事を強くお勧めします。人間ですからどうしても欲が出てしまいますが、派手に調整して目立たせたり、無いものを付けくわえたりした写真はSNS等で発表しても何か後ろめたさを感じたり、しこりのような物を残してしまいます。

レタッチには冷却期間という言葉があります。撮影後のどのタイミングで作業するか?撮影した日の夜、数日~一週間後くらい、数ヵ月後など。冷却期間を置く事によって写真に対する感じ方、考え方が変わってきます。特に長く時間をあけた場合は、他の誰かが撮った写真を見るように客観視できるのが利点です。撮影直後は現場で感じたこを生々しく覚えているという意味では良いですが、どうしても撮影の感動を高揚感として引きずっているので、やり過ぎレタッチになりやすいです。

以上、海岸での夜景シーンを使ったLightroom解説でした。ところでこの写真、1月16日の新月を狙って深夜に出かけたのですが、残念ながら雲の多い空でした。寒い冬に深夜に走るのは決して楽しいものではありませんが、もしかしたら凄い景色に出会えるかも!という情熱で行動してみました。

この情熱を絶やさず行動することが、実はレタッチなんかより、ずっと大切なことだったりします。では今回はこの辺で~!





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旅と名月<私の旅>ツーリング写真

「旅と名月」

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG F8 1/30 ISO1000

2017年秋 紅葉の磐梯吾妻スカイラインを撮ろうと旅立った。

この年の夏。満を期して出発した北海道ツーリング。しかし悪天候に阻まれ、旅の内容は素晴しかったが納得のいく写真は撮れずに終わった。

本物の旅のワンシーンと撮りに行った写真との違いを見出してやろう、などと考えたのも敗因のひとつ。そもそも写真に最低限の演出を加えるスタイルの自分にとって、本物の…なんていうテーマそのものに自ら矛盾点を作ってしまったのだ。




目指す写真の方向性が定まらず迷走した。

それから2カ月、もう何度行ったか分からない大好きな絶景ロード、福島県の磐梯吾妻スカイライン。しかし狙っていた撮影ポイントではまだ紅葉が早く、若干勇み足だったか…と肩を落とし、観光客の少なくなった一切経山を撮影していると素晴しい月が現れた。

場所が場所だけに神々しくも感じる月だった。まるでツーリング写真の神が現れ「今日はこれね」と言って見せてくれた光景だった。

望遠で捉えると月はみるみる上昇してゆき、地球の自転速度を感じた。三脚を使いながら地上物と構図を練る時間もないため、感度をあげて手持ちで撮影した。この望遠域で1/30なら間違いなくブレが発生して使えない写真になる。しかしこれ以上は感度は上げたくないし、愛車R1200GSの存在感を考えればF8も譲れない。

すぐにEOSを高速連射モードに切り替えて、ここだというアングルで20枚程度を連射した。思惑通り、帰宅して確認したところ中4~5枚はブレもなく使える写真があった。

いつからこんな小賢しいテクニックを身に付けたのか記憶にはない。だけど、こんな引き出しはいくつも頭の中に在庫してある。




仮に撮りに行った写真を否定するなら「撮りに行くのが私の旅」と定義付けてはどうだろうか?それならば本物の旅のワンシーン = 私の撮影旅でもよかろう。

そもそも旅のスタイルなんて十人十色である。いったい何を恐れて撮りに行った写真を否定していたのか、いま振り返ってみれば謎だ。誰かが言っていたのだろうか?いや、誰かが「撮りに行った写真は邪道だ」みたいな事を言ったとしても、それに耳を貸せるほど自分は柔軟ではない。私の性格は手に負えない偏屈頑固なのだ。

とにかく、この月との出会いのように、もう少し単純に考えて旅をしてみよう。15年前にはじめて旅をしたときのように。初心を目指すのである。

 





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かつて結構なお値段だった有料道路でしたが、震災以降に無料化されて久しい絶景ロードです。標高をあげ森林限界点を超えると荒々しい火山地帯が見えてきます。日中は観光客で混雑していますが日没を境に嘘のように人がいなくなります。撮影するならこういった時間帯がお勧めですね。

覗くのはお好き?<カメラと機材>光学ファインダーとミラーレス

みなさん、2018年になってから素晴しい写真は撮れましたか?当ブログの記事を見て「なるほど~」と思っても、いざ撮影してみると平凡になってしまう…ということはありませんか?もっともっとたくさん撮ってみましょう。たくさん撮ると「これは何となく惜しいなぁ」と思える写真があります。それを帰ってからよく見て研究してみましょう。きっと何かを得るはずですよ!

さて今日はカメラのお話でございます。つい最近、職場の人からミラーレス一眼ってどうなの?と聞かれたので、今日は光学ファインダーのあるカメラとミラーレス一眼などの光学ファインダーの無いカメラの違いについてです。

そもそも一眼レフカメラとはレンズからの像をミラーを介してペンタプリズムに投影しファインダーに映しだす構造。それに対してスマホ、コンデジ、ミラーレスのカメラはCCDやCMOSといったイメージセンサーが撮像したものを液晶モニターに映している…ということはネット等で検索すれば溢れてくる情報ですので、これ以上は書きません。

ツーリングに行き、旅先で出会った素晴しい景色を撮りたい!その写欲を叶えるにあたり、理想的なカメラは何か?光学ファインダーは必要なのか?これからカメラを買おう(または買い換えよう)という方が失敗することなく、良きツーリングカメラに出会うには?の観点でお話をします。

私は誰かにカメラについて質問されたとき、間違ってもコレがあなたにお勧めです、みたいな無責任なことは言いません。カメラ選びとは難しいもので、「どのような写真が撮りたいか?」と「良い写真を撮りたい熱意」によって選択肢はいろいろと変わってくるものです。

この2つは人それぞれあり、熱意については相当な個人差があると感じます。ポケットにさっと入れておけるコンデジが良い人もいれば、一眼レフに交換レンズ、三脚やスピードライトをバイクに積載して出かけるのが良い人もいるわけです。そういった「良い写真を撮りたい熱意」は、経験とともに変化することもあり、他人からは見えにくいものです。




さて、光学ファインダーのお話です…。 突然ですが万華鏡を最後に見たのはいつですか?懐かしいですよね。万華鏡。私も幼いころ、誰かにもらった万華鏡を見てその美しさに喜んだものです。もし万華鏡のあの綺麗な様子が液晶モニターに動画で表示されたらどうでしょう?

壁に覗き穴があります。穴の先は見てはいけない!しかしあなたは今、見てしまおう!と決意したところです。穴を覗いてみましょう。ドキドキしますね!一方、壁の向こうの様子を穴ではなくマジックミラーが有ったとします。覗きこむのではなく面としてみることができます。

この万華鏡と覗き穴の話はカメラに置き換えて考えることができます。万華鏡を覗きこんだり、覗き穴を覗きこんだりするのが光学ファインダーです。光学ファインダーは画像を確認するとき「覗きこむ」という行為があるのです。覗きこむまで画像は明らかにされません。一方で液晶モニターなどの画面を見るときは、覗きこむなんて行為をする以前に既に画像が見えています。

そして覗きこむのは片目で画面を見るのは両目。ここも大きな違いです。あなたはファインダーを覗く時にどちらの目を使って覗きますか?ちなみに私は左目です。私の場合は利き目が左目なんですね。左目は右脳と密接に関係しており、直感や感覚などの判断に優れています。右目はその逆で左脳と関係しており、計算などの数学的なものに優れているそうです。

もちろん一般的に言われているミラーレスの方が小型軽量である、コストが安い、液晶表示によりタッチ操作でピント合わせが出来る、連射が早い、ファインダーが覗けないほどのローアングルも対応できる…などなど、数々のメリットがあります。

光学ファインダーはフィルム時代からあるものですので、フィルムから移行のカメラマンには慣れたものですが、デジタル世代やましてや今から始める方にとっては重要ではないかもしれません。




ただ、私の場合、あくまで私の場合は覗きこむまで明らかにされない様子、左目だけで見て右脳で感じる、これだけの理由で光学ファインダーを支持したいです。もちろん普段使いのコンデジ(かつてリコーGR、今はSONY RX100)では液晶で判断して撮影をしていますし、一眼レフを使用するときでも、シーンによっては液晶ライブビューを使用します。なので絶対ではないのですが、それでも左目で覗きこんで被写体の魅力を明らかにするのが好きなんです。

ツーリングシーンの撮影とは感動のシーンの撮影です。あなたが感動して写真を撮りたいと思った時、被写体の魅力を明らかにする手段は光学ファインダーの中にヒントがあります。カメラの上部に装着された小さな映画館、または万華鏡のような窓は、肉眼で景色をパッと見ただけでは分からなかった魅力を発見しやすくします。

撮影地で感動を味わい、言語化をしても被写体の魅力に具体性やデザイン要素が見い出せなかったとき、「ではファインダーを覗いてみよう!」そして「そういうことだったのか!」となるのです。

あくまで今の私の場合という偏った考えですけどね。また何年かして撮影スタイルが変わってくれば、その頃に私はミラーレスを使っていたり、コンデジ一本だったり、あるいは645カメラを使っていたりするかもしれません。

カメラはその時、その人の写真芸術に対するスタイルを象徴しています。他人やカメラ屋さんの店員が深く介入すべきではないと思うのです。右も左も分からない方には「使いやすいお気に入りであること」これでだけアドバイスできれば、それ以上はないと思います。

光学ファインダーとミラーレス… あなたは覗くのはお好きですか???





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世界初 100%理解できる被写界深度<中級>ツーリング写真

前回の投稿 ○○だから△△したの法則 がとても重要だったので、よく読んで頂くため更新日を1日あけてみました。・・・というのは冗談でお休みを頂きました!

さて今回もボリューミーな内容で「○○だから△△した」の法則の△△の部分をご説明します。

私たちアマチュアは個人の作品として完璧を追求することが許されています。さまざまな制約の中でベストを尽くすプロの方々とは与えられた条件が異なります。失敗をしても時間や労力をたくさんかけても誰にも怒られません。なので1ミリも妥協せず完璧を追求し写真で冒険をしましょう。オーバークオリティは存在しませんよ。

今回はツーリング写真の解説としては世界初(たぶん)の絞り値の設定における被写界深度の説明でございます。といっても究極のツーリング写真流の解説ですので、よく見かける何本もの鉛筆を奥行き方向に並べた例とは一線を画しますよ!

絞り値とはレンズ内にある穴ポコを大きくしたり小さくしたりすることにより、奥行き方向にピントの合う範囲(被写界深度)が調整できること、言いかえればボケ具合の調整であることは、既に多くの皆さまがご存じかと思います。しかしツーリングシーンの実践でそれをどう使うか?ましてやF5.0とF5.6といった微調はどう使うのか?いまいち理解できない・・・という方にスッキリしていただく為の内容でございます。




それでは先日のキャンプツーリングでも使った千葉県富津市の花はなの里 キャンプ場での写真を例にして解説していきます。

使用レンズはSIGMA35mmF1.4ART このレンズは最大絞り値(開放値)がF1.4 最小絞り値はF16です。カメラを三脚に固定してピントはバイクの位置です。

 

F1.4 F1.6 F1.8

F1.4~F1.8の写真を見てみましょう。手前にあるのは何となく花なのでしょうが、大きくボケすぎて何か良く分かりません。抽象的な作品という意味ではOKかもしれませんが、この写真のシーンに相応しい表現と思えません。周辺の4隅が暗くなっているのも、開放付近を使用した場合に出る周辺光量落ちと呼ばれる現象です。周辺光量落ちは演出として役立つ場合もありますが、基本的には歓迎されない現象です。

F2  F2.2  F2.5

F2~F2.5の写真も少しだけ近景の様子が明らかになってきましたが、基本的には大きくは変わりませんね。

F2.8  F3.2  F3.5

F2.8~F3.5の写真は周辺光量落ちがだいぶ無くなりました。しかし、これもこの写真の場合に限っては大きな違いは出ません。微調整に悩むような要素もありません。

F4  F4.5  F5

F4~F5はようやく花の種類はスイセンなんだな。と誰でも分かるくらいになりました。

F5.6  F6.3  F7.1

F5.6~F7.1 いかにも一眼レフで撮ったな、という心地よいボケ具合とも言えます。特にF7.1あたりは悪くありませんね。

F8  F9  F10

F8~F10の写真。だいぶスイセンがはっきりと映ってきました。このシーンの場合、夕方ですのでシャッターが徐々に遅くなってくるので、その点も気をつけなくてはいけませんね。

F11  F13  F14

F11~F14の写真。この辺からようやく微調整に悩むところです。F14で1/20までシャッターが遅くなりましたので、風で花が揺れている時は気をつけましょう。もちろん意図的にブラすのも有りですが。

F16

そしてF16です。大きく掲載してみました。絞り込むと必ず出てくる話が回折現象。小絞りボケとも呼ばれますが、絞り羽の内側に光が反射して起こるボケたような画質低下です。この写真でも出ていますが私はこの撮影シーンにおいてはこのF16を採用したいです。

なぜなら超近景あるスイセンが光を透過して輝いている様子が美しいと感じたからです。それを分かりやすく伝えるのがF16でした。回折現象については気にしません。

皆さんはこのF16の写真をみて回折現象が許容しがたい画質低下だと感じますか??それを考えていただくために、この写真だけ大きく掲載してみました。(ちなみに回折現象はイメージセンサーの小さいカメラで強い逆光時に顕著に出ます。この写真は逆光ではありますが、カメラがフルサイズ機なので顕著に出ているとは言えませんがカメラによっては誰が見ても分かる画質低下が発生するかもしれません)




どうでしょう!?こんなツーリングシーンを使った絞りの説明、世界初ではないでしょうか!?ボケ具合の変化が良くわかるかと思います。あなたの好きなのはどれですか?この22枚をみて「どれも良いんじゃない?」と思った方はいらっしゃいますか?そういった方はまだまだ写真を見る目が肥えていませんので、ご自身の練習と並行して色んな写真を見て目を磨いてくださいね。センスが無いなんて事は絶対にありませんから!

全ては被写体の魅力を引き出すための「○○だから△△した」の法則です。

この写真ではレンズからわずか数十センチの位置に右下に大きく写っているスイセンが有り、この風景を奥行き方向にレイヤーとして考えると ・一番手前のスイセン ・その先にあるスイセン ・バイクとテントの場所 ・遠くの家 と大まかに4レイヤーある構図と言えます。

このように前景、被写体、遠景と最低でも3レイヤーは存在する構図でないと、絞りをどう調整したところで殆ど関係ありません。例えば海岸にバイクを置いて前景は無く海を背景に撮った写真だとします。この場合F5.6だろうとF10だろうとシャッター速度が変化するだけで写真自体は殆ど違いがないです。

高度な作品になるとボケ具合の変化を段階的ではなく、階調として考える場合もあります。例えば一面に咲くシロツメクサの野原を広角レンズで撮った場合。手前の花から遠くの花まで、どのように繊細な階調でピントが合焦へと変化するか?またはあるポイントから急激に立ち上るようにシャープにさせたいとか、すごく奥が深いんです。この領域ではじめて高級なレンズの出番なんですよ。

絞り値はまず構図ありきです。画面内の被写体に対して前景と遠景があり、特に前景をどれくらいボカすか(または全くボカさない)を調整したいとき、はじめて絞りを調整します。あまり使っている人はいないかもしれませんが、絞り込みボタン(キャノンなら被写界深度プレビューボタン)を押して慎重に理想の絞り値を選択してください。

微調整はどんなときに?その疑問はもうお分かりですよね?今回の作例のようにレンズのすぐそばにある超近景を作った時に微調整の出番です。

以前に絞りやシャッター速度などの勉強は、これから写真を始める初心者の方が、必ずしも最初に学ぶべきことではないですよ…というお話をしました。これは初心者の方がいきなり撮影地で前景を構図に入れることなど出来ないのに、被写界深度の理屈を頭に入れても意味がないと思ったからなんです。

ところで今回の作例写真で私は結構大きな失敗をしてしまったのですが気が付いていただけたでしょうか?ピントのピークをバイクに合わせてMF固定で連続撮影したため、F16まで絞っても超近景のスイセンに完全に合焦しなかったのです…。それなのに説明で「私はこのF16が良いと思います」って何だか苦しい説明だなぁ~と後悔しております。本来でしたら超近景のスイセンまでパンフォーカスにしたければ、ピントのピークはもっと手前にしなくてはいけませんよね。

マニュアル作りってのは本当に自分自身がいちばん勉強になるのかもしれません。私もまだまだ未熟者です。





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