旅を初体験したあの夏<私の旅>ツーリング写真

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旅人としても写真家としても、さほど長いキャリアではありません。

はじめてのキャンプツーリングは2004年の夏。はじめて行く北海道ツーリングがデビューでした。

それまでは10代のころは、いわゆるレプリカブームの波にいて、VFR400Rで峠小僧、それ以降はスーパーシェルパ、ジェベル、セローなどで千葉の林道を少々楽しむ程度。ツーリングと言っても関東圏内からは出ず、温泉やグルメを楽しんで帰ってくるだけの平凡なライダーでした。

写真なんか、ほぼ無関心で1日中ひたすらバイクで走っては、うまく攻略できない林道があれば何度も往復して練習したり、改造パーツを装着したり性能のよいタイヤに替えたりと、とにかく関心の対象はバイクと乗る事だけでした。

何がきっかけか失念しましたが、BMWのバイクに興味がわいて何気にバイク屋さんに行ってもらってきたカタログがR1150GSアドベンチャーでした。そのカタログには旅を超えた冒険の世界が、美しい写真とともに紹介されていました。

おそらく、それくらいの時期に旅への想いがふつふつと育まれたのかと、今では思います。

やがてBMW F650GS Dakarを購入し遠くへツーリングするようになりました。このバイクを手に入れた翌年の夏に、北海道へツーリングに行ってみよう!どうせ行くならキャンプで行こう!と決意したのでした。

ネットでテントやら寝袋やら、あれこれ調べて一通り揃えた道具を実際にバイクに積載して、家の近所を試運転したのを、今でも鮮明に覚えています。

そうだ!どうせ北海道に行くならカメラも買おう。最初は携行に便利な普通のコンデジで良いだろうと思ったけど、どうせなら素晴しい写真が撮ってみたいな、と思い少し高級なFuji Fine PIX S602というカメラを買いました。カメラの知識など何も無かったけど、レンズが大きくて何となく良いカメラに見えたのです。

Fine PIX S602 F6.3 1/420 露出補正-1/3




この写真が今から13年前の夏にS602で撮った写真です。宗谷国道のどこか。予定通りに移動できず時間が押していてキャンプ場に到達できず焦っていました。今考えれば6日間の北海道ツーリングで、綿密に予定を立てるなんて愚かなことです。

しかし、この状況で写真を撮る余裕のあった当時の私を褒め称えたいです!

実は元画像はこんな風にシャドウ部分が写っていませんが、つい最近になってこの写真をLightroomで焼き直してみたのです。するとどうでしょう。まるで当時の自分が1枚の写真の中で再び走り始めたような錯覚を覚えました。平凡な構図ですが私にとって思い入れの深い写真です。

この後、さらに予定通りにはいかず、地図とにらめっこしながら本能に従い進路をきめて走りました。このあたりが私が普通のツーリングライダーから旅人に変わった境界だと感じます。

予定通りいかず、道に迷い、日も暮れかけたとき地元の人に道を尋ねたら凄く親切にしてくださった。キャンプ場についたらオーナーさんが「心配して待っていた」と言ってくださった。日常では滅多にふれる事のない人の温かみと、それを素直に受け入れる自分を発見しました。

晴れている中を走っていたのに、長いトンネルを抜けるとドシャ降りの大雨。何もない北海道の山の中、レインウェアーを着て走り続けるしかありませんでした。体も冷え切って少しずつ冷たい雨が下着まで染みてくる。苦行としか感じず「もう帰りたい」という気持ちが出てきたころ、対向から1台の自転車に乗った少年が明るく笑いながら私に手を振ってきました。荷物満載で顔は真っ黒に日焼けしたその笑顔に励まされ、こちらからも精一杯の励ましの手を振りました。

雨の長時間走行をしたのも初めての経験でした。夕方、キャンプ場に着くころには雨は止んでいましたがパッキングの甘い初心者にありがちなトラブルが発生。寝袋が濡れてしまった!でもまあ、8月のお盆休み。寝袋なしでも寝れるだろう、と思い夕食を済ませて床に就くと深夜には耐え難い寒さが私のテントを襲いました。たまらずキャンプ場のトイレに逃げ込むと、8月なのに石油ストーブがついていて、その温もりがありがたく感じたものです。

・・・それ以降は旅の虜になり、バイクにキャンプ道具を積載して日本中を旅することになりました。旅を繰り返すうち、最初はただの記録として撮っていた写真が、自然とクオリティが上がっていき、人に見せたときの反応がたまらなく喜びに感じたものです。

旅、オートバイ、写真、これらの関係性はこういった自分個人の中にある、旅人が育まれていくプロセスと共に成熟されていくのでは?とつい最近になって考えるようになりました。

旅、オートバイ、写真。あなたも当ブログと一緒に、この謎を解明していきませんか?

 





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↓↓↓撮影地↓↓↓

2 thoughts on “旅を初体験したあの夏<私の旅>ツーリング写真”

  1. 道具としてではない相棒と共に、一緒に走って行く。
    一枚の写真には、撮影者の想いが走馬灯のようにあると思います。
    それを感じたいと思いつつ・・・
    世にある沢山の写真を見るほどに誰が撮ったのか、撮影者が見えず、
    撮影者と写真が中々結び付けられずになっていました。

    以前は、写真を見ただけで「これは誰が撮ったものだな」と、
    撮影者個人と結びつけられたのですが・・・
    それは、私の感性が多分に鈍くなっているからなのですが。

    写真の見せ方、伝え方。
    見る人それぞれの感性で、表面的に見て通り過ぎたり、
    感じ方が薄かったり、型にはめて見たり。
    今回・・・
    立澤さんの大切に思っていることを、記事から感じました。
    写真から伝わって欲しいことを言葉で伝えること。
    見る側が、見ただけでは感じ取り切れないこと。
    見る側から、更に深い記憶に残る一枚になるひとつとして、
    撮影者を感じ、きっと撮影者自身が写っているような、
    そんなふうに伝わって来た時にも、あるように思います。

    「旅、写真、オ-トバイ」
    立澤さん自身が込められた「宗谷国道」の一枚の中に、
    走ってきて、走って行く、旅の中の多くの想いを感じました。
    またまた脈絡もなく長文になってしまいましたが、
    とても響き、感じました。ありがとうございます。

    1. Selenさん、いつもコメントありがとうございます。
      写真をよく見ていただき、投稿をよく読んでいただける。そんな上でのコメントをくださるなんて
      近年のSNSでは見かけない、Selenさんのお人柄にいつも感銘しております。

      最近になってよく見かける、デジタル写真の多くは皆が皆で、同じような写真ばかりを撮っていると感じます。
      人気の撮影スポットを下調べして、同じような機材を使い、同じような時間帯を狙い、そして同じようなレタッチを施す…
      個性のない写真は増えたなぁと感じます。
      もちろん優秀な方の素晴しい作品もすごく増えたなぁとも感じますが!

      ちなみにご存じかもしれませんがツーリング写真とは少しだけニュアンスの違う類似ジャンルで
      オートバイのある風景、というのが有るのですが、ニコニコ動画のニコツーフォトコンというコンテストで
      オートバイのある風景の素晴しい作品を見る事ができます。近年のハイレベル化が伺えるコンテストですね。

      この写真は今の私のスタート地点とも言える一枚です。
      写真だけを見れば1日の終わりや旅のハイライトを連想するような写真ですが
      まさに個人の想い出の1枚ですね(^^)

      写真はその時間をカメラに閉じ込めたタイムマシーン。
      これからも旅の想いを込めて作品化し、そして世の中に発信していきたいと思っております(^^)

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