いよいよ年の瀬ですね。
みなさんお仕事の方もかなり忙しいのではないでしょうか。年の瀬とはその年の終りが迫り、忙しくなるという意味だそうですね。つまり年末でも暇な人は使わない言葉・・・。
私の職場はクリスマスやお正月の飾り付けがある位で、とくに忙しくはなりません。ただし期末の3月が忙しいですが。
さて今回は<初級>ツーリング写真の基本的な光の使い方 逆光編です。
「基本的な」とつけていますが、写真において光の使い方なんて、あまりに多岐にわたり永遠のテーマとも言って良いディープな世界です。私もいまだに「こんな光の使い方があるんだ!」と発見、感動することがあります。
逆光と聞くと綺麗に撮れない、逆光で撮ってはいけない、と思っている方が多いですが大変な間違いですので、今回の投稿を見て逆光の素晴しさを覚えてくださいね。

上の作品をご覧ください。東京湾に沈みゆく夕陽にレンズを向けてR1200GS-ADVENTUREを撮ってみた1枚です。AVモードの評価測光に対して露出補正プラス0.3です。逆光の撮影シーンでは度々露出が狂いますので前回ご紹介した露出補正をぜひマスターしてくださいね。
この作品のシーンは11月のよく晴れた日。秋から冬にかけて空気が乾燥し、空気中の水分が少ない状況では遠くの夕日は美しくなります。そして海の上の水分のみを透過するからでしょうか、この写真のように独特の赤みを発してドラマチックな光景を作ってくれました。本来は歓迎されないレンズフレア、ゴーストも個人的には演出に一役買ってくれたように感じます。

続いてこちらの作品。秋の林道でのひとこま。太陽の位置が高めの逆光シーンです。木々の葉を光が透過する様子を表現したかったので、太陽光の入射角を緻密に計算してカメラ位置を選びました。評価測光に対してプラス1ステップ補正しています。逆光の話と関係ありませんが、葉を全体的に柔らかく表現したかったので開放値F1.4を選んでいます。こんなときシグマのARTラインは「よくぞARTと名付けたな」とうなる一枚が撮れますね。逆光をうまくコントロールすると、その場所の空気感や香りまで伝わってくるよう作品が作れます。

オマケでもう1枚の作品をご紹介。逆光はとにかく良いので大サービスです~。逆光を使う場合の1つの特徴として地上物を輝かせることが可能なこと。斜めに入ってきた光が地上物に当たり美しく反射するのです。この作品の場合は手前の草地、波の頂点が輝いています。評価測光に対して露出補正はプラス0.3ステップです。小さく写っているので、あまり効果がありませんがバイクやテントも輝きを放っているのが確認できると思います。私のストレージには有りませんでしたが、よく見かける写真としてはススキが輝いている写真、みなさんも見たことがあると思います。
いかがでしたか?順光や斜光に比べて、ドラマチックな作品をつくるのに有効な光源であるとお分かりいただけたでしょうか?
ほとんどの場合において、評価測光がイメージ通りにいかず露出補正が必要となってきます。そのためか昔から逆光は良く撮れないと誤解されますが、実は優秀な写真家ほど逆光を上手に使って作品をつくっているのです。
もちろん悪い点もあります。例えばレンズフレア、レンズゴーストが入ってしまうこと。これについては賛否ありますが、私個人としては不快に感じないフレア、ゴーストであれば「写真らしさ」として歓迎する要素と考えます。
青空を撮りたいのに・・・という要求も被写体の方が逆光だったら諦めざるえません。どうしても青空が撮りたければ、別の日に出直す以外に選択肢はないです。
順光、斜光、逆光といった太陽光という自然の光源を使っている限り、そのときの光の条件に合わせて撮影地、被写体、どのように撮るかを適宜考えねばなりません。そんなとき、優秀な写真家とは「こんな時はこうしてやろう」という撮影の引き出しが豊富にあり、逆に初心者の方はそれがないので、どうして良いか困ってしまうのです。
しかし今回の解説で順光は色鮮やかに、斜光は立体的に、逆光はドラマチックに、といった大まかな使い方が分かりましたよね?撮影現場で困ったら思い出してくださいね。そして積極的に光を利用し露出補正もしてください。
撮影の引き出しは経験とともに少しづつ増えて行きます。この辺の解説はまた別の機会にしますので、お楽しみに!!
↓↓↓使用レンズ↓↓↓
私の中の標準レンズは35mm。感動的な描写を狙う単焦点。
ツーリング写真で使うには飛び道具とも言える超望遠。超望遠ズームとしては軽量で小型。