なぜできない!?「被写体に寄れ」の基本<初級>ツーリング写真

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みなさん素敵な写真は撮れましたでしょうか?

当ブログの<初級>解説では度々同じような話が出てくるかもしれませんが、大切なことはアプローチを変えて何度も言う事により理解につながると考えます。

以前に写真の主題を明確に、その他の要素は素晴しき脇役に。という解説がありましたが、実践するとまず感じるのが主題を1つに絞ること自体はそれほど難しくないのですが、脇役を美しく組み立てていくこと、これが難しいと感じていただけたでしょうか?

今回は昔から写真の世界でよく言われている「被写体に寄る」のお話です。その言葉の通り、主題と決めた被写体に寄るだけの事ですが、これが言葉が簡単であるが故に、なかなか理解して実践できない難しさがあります。かく言う私もいまだに出来ていないな、と感じるシーンは多々あります。

少し季節外れですいませんが、下の作例をご覧ください。

春の田植えが終わった水田に背景が竹林の小さな山。バイクは控えめに米粒に配置。全体が緑の印象の写真でこれだけでも特段悪くはありませんが、決して印象的な作品とは言えません。春の水田が主題と決めたなら水田の魅力が伝わるように、カメラを持った自分がもっと水田に寄るべきなのです。

わずか数十センチです。水田に寄ったことにより苗の初々しさ、そよ風になびく様子が表現されたのがお分かりいただけますでしょうか?

主題と決めた被写体には目で見たときには分からない魅力がひそんでいます。それを解明する鍵が寄ることなのです。

ここで少し難しい話なのですが、間違えやすいので付けくわえておきますと、ズーム機能を望遠側にして被写体を大きくすれば良いのでしょ?という意見があるかと思います。それとは違います。望遠で被写体を大きくするのは「寄せた」といい画面内での被写体のしめる割合の調整です。難しかったら、ここでは分からないままでOKです!初級解説ですので。



とにかくカメラを持って自ら被写体に近づくのが「被写体に寄る」であり、望遠を使うのは「被写体を寄せる」。前者は被写体の魅力を表現できるもの、後者は画面内での被写体の割合を調整するもの、と覚えておくといいかもしれません。

ここでおススメしたいのが「寄った写真」と「寄せた写真」の両方をぜひ撮ってみてください。ご自身でそういった写真を撮ってみないと、なかなか理解には繋がらないものです。

では以下は寄った写真のダイジェストを!

↑バイクに寄った写真!外装やパーツなど各部のディティールが強調されます

↑漁港にて。固まったペンキが砕けた破片。これがユニークだったので寄ってみました。

↑舗装林道でのワンシーン これは普通に撮った試し撮りのものです。

↑こちらが寄った写真。一歩前に出て撮っただけです。バイクの存在感だけでなく陰が魅力的に変貌しました。

 

どうでしたか?今回は写真をやっていく上で凄く大切なお話でした。<中級>ツーリング写真の解説にしようか迷いましたが、なるべく早い段階で覚えていただいた方が良い内容だったので<初級>でいってみました!

次回はもう少し楽しい内容に切り替えていきますのでお楽しみに!

 



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4 thoughts on “なぜできない!?「被写体に寄れ」の基本<初級>ツーリング写真”

  1. 今回の記事に唸りました。
    私は、つい自分の視野の狭いスタイルで撮ってしまいます。

    同じ風景でも、一枚の中に収める意思が明確で、
    そして表情が全然違いますね。
    その一枚に込めるもの、
    少しだけ視野を広げた時に見えるもの、
    来春から私も真似してみます。
    いま、写真をとても撮りたくなってきました。
    ありがとうございます。

    1. selenさん、いつもありがとうございます(^^)
      被写体に寄るというのはカメラが進化したり、写真文化に時代的な変化があっても、不変的なものだと思います。
      単レンズを愛用しているselenさんでしたら、すぐにご理解いただけると思いますよ。
      これが分からない最大の理由はズームに頼ってしまうから、だと思うんです(^^;
      いまほとんどのカメラにズームが付いていますから、寄ると寄せるの違いが多くの人に理解されていません。
      私はリコーGR(28mm単レンズ搭載)によって学びました~

    1. ぜひぜひ、実践してみてください(^^)
      ズームレンズでも広角側、もしくは50mmに固定してやれば練習という意味では同じことなので大丈夫ですよ。
      寄ることによって見えなかった魅力を発見できます。
      同じシーンで寄った写真と、そうしなかった写真の両方を撮ると、さらに理解できるかもしれませんね。
      上の田んぼの写真のように。

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