今日もきれいな秋晴れで写真ツーリングに最高の1日ですね。私は仕事ですが…
今回はカメラの設定について解説をしていきますが、<初級>の最初の回で書いたことを是非わすれずに思い出してください。皆様は芸術的な写真を撮ることを目標に、当ブログを見ていただいてる・・・という前提で解説していきますので!

前回の<初級>記事で書いた三分割縛りは実践されましたか?目の前の光景を三分割線にあわせて構成していくのは言うほど簡単ではない・・・と感じていただけたでしょうか。それに足を動かして試行錯誤するのは労力も要りますし、スポーツに近い感覚だと私は思います。ファインダーを覗きながら動きまわっていると、転んだり車にひかれたりと危険が伴いますので、くれぐれも周囲には十分気をつけてください。ちなみに私は転んだことがあります。
さて今回は初級らしくカメラの基本的な使い方の話題です。といっても一般的な「カメラの使い方」ではなく、究極のツーリング写真流に解説していきます。・・・が、その前に私から皆様へお願いがあります。
もう一度、カメラの説明書をよく読んでください!
初心者の方が難しいと感じているカメラの操作方法は、大半は説明書に載っています。説明書は分厚くて、読む気になれないのは良く分かりますが、肝心な部分は全体のページの3~4割程度です。あとはストラップの装着方法とかバッテリーの充電方法とかでページをたくさん使っているものです。
カメラの中は箱になっていて普段はシャッターで閉ざされて真っ暗闇です。あなたがボタンを押したときだけレンズを通して外の光が入ってくる仕組みです。この箱の中が外の世界にどれだけ露出していたか?で出来上がる写真の明るさなどが決まるのです。
箱の中にどれだけの光を取り入れるか??それはシャッターが開いていた時間であるのと、レンズの中にある穴ポコの大きさで決まります。そしてそれぞれに表現の役割があります。
シャッターの時間とレンズの穴ポコの大きさはカメラのコンピューターに任せることもできますし、あなた自身の意思で決めることもできます。ここでは初級者の方を対象に、この両者のどちらか片方だけを自分の意思で決めて撮影する手法について解説します。
これから写真をはじめる方、初心者の方には露出を理解するのは難しく感じるかもしれません。しかし安心してください。いま理解できなくても将来は簡単なことだった!と分かる日がきますし何より「さほど重要ではなかった」とも感じるでしょう。
1.シャッター速度優先モードとはシャッターを開ける時間だけは、あなたが決めてね。あとはカメラのコンピューターが決めますから、というモード。シャッターを押したとき「カシャッ」という音がしますね。あれは「カ」が開くときで「シャ」が閉まるときの音なんです。シャッター速度が遅いと「カ・・・シャ」となり手でカメラを持っていれば手ぶれしやすく、動いている被写体もブレます。ブレでスピード感を出したり、逆に一切ブラさず瞬間を表現するときに使います。

この作例をご覧ください。流れるトンネルの風景をスピード感を出したかったので1/20という遅いシャッターを選択しブラしました。シャッター速度を撮影者の意図でコントロールするというのは作品内に時間軸を与えることなのです。
2.絞り優先モードとはレンズの中にある穴ポコの大きさは、あなたが決めてね。あとはカメラのコンピューターが決めますから、というモード。F値とも呼ばれ数値は小さいほど穴ポコは大きく、大きいほど穴ポコは小さいという、何だか円高ドル安みたいな関係です。F値が小さいとピントが合う奥行き方向の範囲は狭くなり、ピントを合わせた被写体以外の場所はボケます。F値を大きく(絞り込むと呼びます)すると逆に広範囲にピントが合います。

この作例をご覧ください。私の大好きな漁港でのワンシーンです。私は千葉県民なのでどうしても海の写真が多いです・・・。手前に十分なスペースを作った縦構図で地面の舫綱と連続して設置された杭を使い、奥行きを出しています。手前の舫綱をボカして被写体の存在を際立たせようと思ったので絞りをF6.3にしました。このようにボケ具合を撮影者の意思で調整するのが絞りを操作することなのです。
3.ISO感度は絞りとシャッター速度のそれぞれの役割では補えないほど、暗いシーンで撮影する場合に使用します。暗いのでやむ得ず使うものです。

この作例をご覧ください。画面の動く要素は一見すると人物くらいですが、海面の波を遅いシャッターでブラしたかったので、モデルは少しの間はじっとしているとして、F2.8(このレンズで最も明るいF値)、シャッター25秒としISO感度は800となりました。感度は上げるほどノイズが発生し、ザラついたような写真になるため、なるべく低くするのが原則です。
4.そしてそれぞれに露出補正といって、カメラが決めた露出値に対して「そうではないよ、もっと明るく」とか「もっと暗く」とあなたの意思で修正してあげる機能があります。絞り優先モードのときはシャッター速度を、シャッター優先モードのときは絞り値を、カメラのコンピューターが良かれと決めた値(どんなに高性能なカメラでもイマイチ)に対してバンバン修正してくださいね。
とここまで来れば、カメラの撮影モードは迷うことはありません。
メーカーによって異なりますが絞り優先モードならA(キャノンならAV)、シャッター速度優先モードならS(キャノンならTV)、どちらも自分で決めるよ!というマニュアルならMです。私が使うのは大体はAV(しょっちゅう露出補正)もしくはMです。
その他のシーンモードなる子供だましのようなモードは使わないでください。こういったカメラ任せの機能を使っていたら上達しませんので!なぜシーンモードがあるのか?は芸術的な写真を目指さない人達が使うためにあるのですよ。
どうですか?難しかったでしょうか?
今回書いた内容は一般的なHOWTOでは重要とし最初に教わることですが、私は必ずしも初心者の方にとって最初に学ぶべき重要なこと、とは思いません。というのは当ブログで何度か出てきました「○○だから△△した」の法則にある○○の部分が初心者の方には分からないため最初に△△を学んでも意味がないと思うからです。
2.の絞りの作例にある写真なら「手前の舫綱をボカしてバイクの存在を際立たせよう」なんて初心者の方には思いもしないですよね。
まずは「何をどう撮るか」を追求しましょう。当ブログの<初級>では今後はここにフォーカスして解説をすすめていきますので、お楽しみに!
つづく