あのコンテストでグランプリを狙え<上級>ツーリング写真

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旅写真<上級>の記念すべき1回目の記事です。インパクトのあるタイトルを付けさせていただきました。

そもそも上級者向けのHOWTOなんてものが世の中にあまり無いので、すごくプレッシャーを感じております。あくまで「ツーリング写真」というジャンルで括った話でございますので、偉大なるプロや写真家の方々がもし見られていましたら寛大な気持ちで見てくださいませ。

さて旅写真<上級>カテゴリーの対象となる方々は、もはや具体的にこうとは言えない極めて曖昧で混沌とした領域だと思います。単純にキャリアが何年以上という訳にもいきませんし、何かのコンテストの受賞歴といってもそれもピンとこないですからね。

ただ1つ言えるのは、ここでの解説をみて「そんなの知っています!当たり前だ」と感じる方は上級者!という事にしておきますか。

EOS1Dx + SIGMA150-600mmF5-6.3DG contemporary F8 1/640 ISO100 Lightroom

この写真をご覧ください。当ブログのギャラリーに掲載している写真で解説していきます。

写真とはデザインの要素と切っても切り離せないと感じます。私とSNSで繋がっている友人は職業がデザイナーなのですが、写真は得意ではないと言っていながら抜群に写真がうまいです。絵画にも同じことが言えますがデザインでの基本が身についていると、人の感覚にひびく数学的な要素、図形、線、色などを巧みにコントロールして作品化できるようです。

この写真で順を追って解説していきます。まずは画面内の図形要素です。富士山の形状による三角がひとつ、船とライダーとバイクを結ぶ三点が2つ目の三角です。三角は画面内で抜群に安定感をもたらします。

次に同じく図形要素で円です。まずバイクのフロントタイヤ、ライダーの腕で作られた円、LNGタンカーのタンクの円が4連。円は特定のスペース内に配置すると鑑賞者の視線が落ち着きます。

そして線の要素として曲線。岩場と海の境界となっている線が、海を内包するお椀のようにも見える曲線。伸びをしたライダーの背中の反り具合も曲線。ほぼ見えませんが富士山の宝永噴火口あたりの曲線。曲線は楽しく視線誘導するのに効果的で、鑑賞者の目を退屈にさせません。

次に色です。冬の枯れた草地の茶色から岩場のグレー色が1つのトーンになっており、上半分は海、富士山の裾付近、空とブルー系でトーンが存在します。茶系と青系の組み合わせがもたらす印象も見逃せません。

どうでしょう?デザインだけでこれだ色々な要素が詰まっています。もちろん全てが撮影者の意思でそうなったのではなく、結果的にそうであったという偶然性もあります。ただ、大切なことはファインダーを覗いているときに、それに気が付いたか???ということなんです。

デザインの要素は実は気が付かないだけで、意外とそこら中に存在します。鍛え上げられた写真家のセンサーはそれを逃さず発見し、画面内に理想的に構成していく力があるのです。

 



デザインの話だけで大分スペースを使ってしまいました…

次に本題の「あのコンテストでテッペンとろうよ」のお話。ここでは「最後のひと粘り」「最後のひとヒネリ」と私が呼んでいる手法をご紹介します。

この写真を撮ったとき、最初は船はありませんでした。その代わり近景としてもっと近くにあった砂地とその境界にあるS字の線を意識して撮ってみたのですが…シャッターを切った直後は「よしよし」と感じたのですが、撤収準備の直前にモニターを見て「何か足りないな…」と感じたのです。これを感じたときは必ず「最後のひと粘り」を実践するよう意識をしています。

↑この写真が最初に撮ったカットです。これで撤収準備をすでに始めていましたが…

時間的な猶予もあって散々練ったあげく、手前はそぎ落として船を入れてみよう。と思いつきました。幸い、ここは日本貿易の玄関である東京湾。漁場でもあり色んな船が通ります。

↑まずは漁船。船首からしぶきが出て動きが加わったのは良いですが、なんかイマイチです。バイクと船の存在感が同じくらいになってしまい、どっちつかずなのですね。

この先は「最後のひとヒネリ」!なんかユニークな要素はないか?そこで思いついたのがLNGタンカーでした。枝豆のように球体が連続して付いているタンクは他のコンテナ船やフェリーに比べてユニークな形状です。待つこと15分程度、狙い通りにLNGタンカーちゃんが登場してくれました(東京湾はかなり頻繁にLNGタンカーが通ります)。

こうして画面内の細かな部分を調整し最終的な作品になりました。

近年のコンテストではただ綺麗なだけとか、絶景でも普通に撮っただけでは入賞は難しいです。アマチュアのレベルもどんどん高くなっていて、どのようなコンテストであっても年々ハイレベル化の一途です。ひと昔前の秀作では普通すぎて通用しないのです。

今回、ご紹介したようにデザインの要素を理解した画面構成や、ちょっとしたひらめきから生まれるユニークさ、驚きなど…。作品にあなたなりの何かを加えて個性的に仕上げてください。

あのコンテストって何?って?もちろんoutrider誌のツーリング写真コンテストで年間グランプリを狙うためですよ!

 



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