前回の旅写真<中級>では「○○だから△△した」の考えに基づいて、ツーリングシーンにおける絞りの微調整のお話をしました。
今回は背景をボカす場合の絞りの調整について解説します。

まずは上の作例をご覧ください。
私はこのとき白樺林の美しい空間を見つけたので、これを背景に撮影に挑みました。焦点距離は200mmの望遠です。割と細い幹の白樺が高い密度で林立しているこの空間は、背景として考えると少しゴチャゴチャした印象です。
このまま背景としてバイクを置くと被写体の存在が沈んでしまいそうです。そこで被写体を引き立たせるため、背景を目一杯ボカす作戦にでました。絞り値はこのレンズの開放であるF2.8を選択。これはやりたいと思ったことが明確だったので、前回の作例のように微調整で迷うことはありません。
白樺林のゴチャゴチャ感をボカして、被写体を引き立たせた。これも「○○だから△△した」の考えです。
一眼レフカメラのユーザーにありがちな、なんでもF値を開放にしてしまい、とにかくボケ写真が大好き!という方がおられますが開放は画質的な観点でも注意を払わなくていけない部分があり(ここでは解説しませんが)、そう易々と開放を選ぶべきではありません。
そもそも背景に例えば山間いや雲の浮かぶ空など遠景がある場合、被写体にピントを合わせて開放値で背景をボカすと、ミニチュア写真のような不自然さが出てしまいます。
ボカすことに執着してしまうと、この不自然ささえ気がつかないという事態に陥いります。絞りとは撮影シーンや明るさによって、開放、微調整、絞り込む、を適宜選択する必要があるのです。
今回は特定のシーンにおける開放値の使い方をご紹介しました。
あっ、この作例のように人物を入れたシーンの撮影、ライダーの姿(今風に言うと自撮り)については、また別の機会に詳細に解説をしていきますのでお楽しみに!
素人の私が見ても共感できる写真ばかりで、とても興味があります。
いろんな場所で、四季やそこの生活が感じられる写真をこれからも楽しみにしております!
ヤナックスさん、大変嬉しいコメントに感謝です。これからは行動範囲も広げ、作品の幅も広げ精進していきたいと思います。あっヤナックスさんのコメントで大事なことを忘れているのに気が付きました。当ブログは写真解説サイトですが見るだけの方も大歓迎ですので(^^)今後ともよろしくお願いします!